自分探しクエスト

第四の依頼

３０

＊



「あ！あそこだな！」

「やれやれ、ようやくたどり着いたようですね。」

僕らが不思議な町と思しき場所へ着いたのは、もうどっぷりと日の暮れた頃だった。
幸い、魔物はほとんど現れず…いや、見かけたことは何度もあったのだけど、僕らを遠巻きに見ているだけで、近寄っては来なかった。
そのおかげで戦うこともなく、僕らは無事に町に着くことが出来たんだ。



「ちょ、ちょっと待って。
ぼ、僕…その……」

町に着くまでにはけっこう時間がかかったせいで、僕の身体の泥はいつの間にか落ちたり乾いたりして……
その…公衆の面前に出してはいけないようなものが見えて来てたんだ。
リッチーは、不快感を顕わに、小さく舌を打った。



「困りましたね…さすがにそれでは……」

おじさんは、ランプの光であたりを照らし出した。



「あ！良いものがありました。」

そこには畑が広がっていた。
何を育てているのかはわからなかったけど、畝には葉っぱがいっぱい茂ってた。
多分、おじさんはあの葉っぱで隠そうと考えたんだろう。



「じゃ、ちょっと取ってきますね。」

そういって、おじさんが畑の中に入って行った時だった。