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第四の依頼
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「早速着て帰るかい?」
「はいっ!」
「で、こっちのは下取りするかい?
って、う……」
おやじは、僕の肉じゅばんを抱え上げて、むせていた。
(そんなに臭うのかなぁ…?)
「こ、これは、下取りは無理かもしれない。
ただなら、まぁ、引き受けないこともないが……」
おやじは鼻をつまみながらそう言った。
「あ……あの、やっぱり、これは持って帰ります。
こっちのは明日、下取りに持って来ます。」
着て帰りたいのは山々だけど、僕はこの肉じゅばんのおかげでいつも汗びっしょりだし、今は思い切ったことを言ったせいで、滝のような汗が流れてる。
せっかくのおニューは、お風呂に入ってから着ることにしよう。
*
「思ったより良いものがあったな。」
「あぁ、早く戦いてぇな!」
リッチーは、今回は赤と黒のすっごくクールなデザインの鎧と、それとペアみたいな盾を買った。
エドガーは、濃い紫色のしなやかな生地で作られた長いローブだ。
このふたりがいると本当に目立つ。
でも、これからは僕も二人に負けちゃいない。
あのゴージャスな服を着たら、僕だって……
「じゃあ、旅に必要なものを少し買い揃えましょう。」
「いーさん、なんで、その服は袋に入れないんだ?」
「これはもっていたいんだ。」
だって、やっと買ってもらえた僕の宝物みたいな服なんだもん。
この喜びをずっと噛み締めていたいんだ。
「今日は、やけに人が多いのだな。」
「エドガー、平日の午前中はいつもこんな感じですよ。」
「さっさと買い物済ませて、なにか食べに行こうぜ!」
リッチーはさっきから大きなあくびをしてる。
面倒なことになると、すぐに飽きるんだから……
ま、若いから仕方ないのかもしれないけど……
「はいっ!」
「で、こっちのは下取りするかい?
って、う……」
おやじは、僕の肉じゅばんを抱え上げて、むせていた。
(そんなに臭うのかなぁ…?)
「こ、これは、下取りは無理かもしれない。
ただなら、まぁ、引き受けないこともないが……」
おやじは鼻をつまみながらそう言った。
「あ……あの、やっぱり、これは持って帰ります。
こっちのは明日、下取りに持って来ます。」
着て帰りたいのは山々だけど、僕はこの肉じゅばんのおかげでいつも汗びっしょりだし、今は思い切ったことを言ったせいで、滝のような汗が流れてる。
せっかくのおニューは、お風呂に入ってから着ることにしよう。
*
「思ったより良いものがあったな。」
「あぁ、早く戦いてぇな!」
リッチーは、今回は赤と黒のすっごくクールなデザインの鎧と、それとペアみたいな盾を買った。
エドガーは、濃い紫色のしなやかな生地で作られた長いローブだ。
このふたりがいると本当に目立つ。
でも、これからは僕も二人に負けちゃいない。
あのゴージャスな服を着たら、僕だって……
「じゃあ、旅に必要なものを少し買い揃えましょう。」
「いーさん、なんで、その服は袋に入れないんだ?」
「これはもっていたいんだ。」
だって、やっと買ってもらえた僕の宝物みたいな服なんだもん。
この喜びをずっと噛み締めていたいんだ。
「今日は、やけに人が多いのだな。」
「エドガー、平日の午前中はいつもこんな感じですよ。」
「さっさと買い物済ませて、なにか食べに行こうぜ!」
リッチーはさっきから大きなあくびをしてる。
面倒なことになると、すぐに飽きるんだから……
ま、若いから仕方ないのかもしれないけど……
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