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第三の依頼

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『そんなことより、早く電話したらどうなんじゃ?』

 「え…?あ、あぁ……」



あまりにイライラしすぎて、電話のことをすっかり忘れてた。
そうだ、早く電話をしないと……
いつも邪魔が入ってろくに話せないけど、今日は落ち着いて話せそうだ。
イライラしてる場合じゃないぞ。
 僕は、自宅の番号を呼び出した。



 「はい。井上です。」

 「あ!お母さん!ぼ、僕、まーくん!」

 「あら、まーくん?
 久しぶりねぇ…今……」

いつも通りのんきなお母さんの声に癒されてる時、扉が開く音がして、足音が近づいて来るのに気付いて、僕はとっさに携帯を毛布の下に隠した。
その瞬間、寝室の扉が開いて、そこにはにこやかな顔をしたおじさんが立っていた。



 「お、おじさん…ど、どうかしたんですか?」

 「いえね、先日、あなたが甘いものが食べたいとおっしゃってたことを思い出しまして……
あの時は古いパンしかなくてごめんなさいね。
それで、甘いもののことですが、どういうものが良いですか?」

 「あ…そ、それならなんでも……」

おじさんよ…
どうしてこんな時に戻ってくるんだ!?
 僕が家に電話をかけられる時間は、たったの三分しかないんだぞ。
 甘いものなんてどうでも良いから、早くここから出て行ってくれ。

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