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第三の依頼

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とりあえずは助かった。
リッチーの危ない発言を聞く機会は回避された。
 僕の最高潮の緊張は、この奇跡的なタイミングのおかげで一気にほぐれた。



 見た目から察するに、シンシアと呼ばれるその女性はどうやら酒場で働いてる人みたいだ。
きっと、最近、リッチーが足繁く通ってる酒場のお姉ちゃんだろう。



 「それで、俺に頼みたいことって何なんだ?」

リッチーは、まるで僕らなんていないかのように、その女の子を長椅子に座らせ、当然みたいにその横に腰を降ろした。



 「あぁ、実はね……
この子を預かってほしいんだ。」

そう言いながら、シンシアさんが籠の中から取り出したのは、赤い前掛けをかけた三毛猫で……



 …………ん?



 「ま、招き猫様!」

 僕の頭がゆっくりと動き始めた時、ナナシさんがシンシアさんに駆け寄り、その手から三毛猫を抱き上げた。



 「よくぞご無事で……」

ナナシさんは、涙を流さんばかりに感激し、三毛猫に頬ずりをしていた。



 「それじゃあ、この子があなたの探してらっしゃった招き猫様なんですか?」

 「そうです。
 本当にどうもありがとうございます。
 謝礼の品は、あのカバンの中に入っています。
では、私達はこれで……」

 「わっっ!」

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