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第三の依頼
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しおりを挟む「は、早く探しに行こうよ!
あ、手分けして探した方が良いよね!
じゃあ、僕はこっちを探す。
しばらくしてから、またここで落ち合おう。」
そう言うと、僕は適当に指を差した方向へ駆け出した。
いつもの僕ならこんな仕切りはしないんだけど、僕が元の世界に戻れるかどうかの瀬戸際なんだ。
とにかく、なにがなんでもナナシさんや招き猫を探し出さなきゃ!
その想いが僕を突き動かしていた。
「ナナシさーん!
ナナシゴンゾウさーーーん!」
いつもの僕とは違い、お腹の底から大きな声を出して、依頼者の名前を呼びながら町の中を駆け抜けた。
そんな僕のことを、町のみんなはただ不思議そうな顔で見てる。
そうだよなぁ…
僕みたいな肉襦袢を着てる人は滅多に…いや、全くいないし、その上はげヅラだもん。
でも、やっぱりここの人達もこんな僕の出で立ちを笑ったりはしない。
僕らの世界とは笑いのセンスも違うのか…
……って、そんなことはどうでも良い。
今はとにかくナナシゴンゾウさんと招き猫を探すんだ!
そのことだけに、集中するんだ!
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