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第三の依頼

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「なんだ、探しものか。
だったら、今回は楽勝だな!
……ところで、『招き猫』って何なんだ?」

 「それは私もよくわかりませんが……」

 「えっ!?おじさん、招き猫を知らないの?」

 「……それじゃあ、いーさんは知ってるんですか?」



 嘘……招き猫くらい、皆知ってるんじゃないか?
なんで、おじさんみたいな博識の人が招き猫を知らないんだ……?



そう考え始めた時、僕はあることに気付いた。
そうだ……ここは異世界……僕のいた世界じゃないんだ。
きっとこの世界には招き猫ってものがないから、皆、知らないんだ。
だけど、僕は招き猫を知っている。



 (……ってことは……)

 僕の鼓動は速さを増した。



もしかしたら、今度の依頼者は僕と同じ世界の住人じゃないのか?
そうだよ!考えてみれば「ナナシ ゴンゾウ」って名前もかなり日本的な名前じゃないか!
なんで、今まで気付かなかったんだろう。
もしかして、その人がこの世界と僕の世界を行き来出来る人だったら、その人に頼んで連れて帰ってもらえるんじゃないか!?
そしたら、こんな世界からすぐにおさらば出来る!



 僕は興奮で身体が震えて来るのを感じた。


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