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第二の依頼
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「な、なんだかよくわからないけど……
とにかく俺達……助かったんだな……」
今まで強気に振舞ってたリッチーが、そう言ってへなへなと長椅子に腰を降ろした。
リッチーも内心では相当ビビってたんだ。
「本当にどうもありがとう。
あれからずいぶん経つし……それに、元々、敵う相手じゃないんだもの。
私、実はもう諦めてたのよ。」
アイリンさんはそう言うと、肩をすくめて苦笑する。
「戦っても歯が立たないことはわかってたから、この二人が盗賊の見習としてアジトに潜り込んで、羽衣を盗み出すことに計画を変更したんだ。」
「なるほど……そして、それをうまくやり遂げたってことね。
たいしたもんだわ。
本当にどうもありがとう。嬉しいわ!
あ……そうだ。お礼の品を渡さなくっちゃ。」
そう言って、アイリンさんは引き出しの中からカラフルな石のブレスレットを取り出して、僕の前に差し出した。
三人も僕の傍に集まって来て、そのブレスレットを興味深気にみつめた。
「アイリンさん、これは……?」
「このブレスレットは、普段、魔法を使えない者でも魔法を発動させることが出来るものなの。」
「えっ!これにそんな力が!?」
「魔法ってどんな魔法が使えるんだ?」
僕の肩越しに顔を出したリッチーが、アイリンさんに質問した。
「残念ながら、それはわからないの。
でも、その効果はけっこうすごいものだって話よ。
あなた達、おしまいの町を目指してるそうだけど、それまでにはいろんな魔物にも出会うでしょうし、戦闘の時に使って役に立ててちょうだい。」
「あ…アイリンさん、どうもありがとうございます。」
「お礼を言うのは私の方よ。
本当にどうもありがとう。
あなた達も忙しいかもしれないけど、町を離れる前に私のショーを見に来て!
この魔法の羽衣があれば、今までよりもっとすごいダンスが踊れるわ!」
アイリンさんは魔法の羽衣を肩にかけ、嬉しそうににっこりと微笑んだ。
とにかく俺達……助かったんだな……」
今まで強気に振舞ってたリッチーが、そう言ってへなへなと長椅子に腰を降ろした。
リッチーも内心では相当ビビってたんだ。
「本当にどうもありがとう。
あれからずいぶん経つし……それに、元々、敵う相手じゃないんだもの。
私、実はもう諦めてたのよ。」
アイリンさんはそう言うと、肩をすくめて苦笑する。
「戦っても歯が立たないことはわかってたから、この二人が盗賊の見習としてアジトに潜り込んで、羽衣を盗み出すことに計画を変更したんだ。」
「なるほど……そして、それをうまくやり遂げたってことね。
たいしたもんだわ。
本当にどうもありがとう。嬉しいわ!
あ……そうだ。お礼の品を渡さなくっちゃ。」
そう言って、アイリンさんは引き出しの中からカラフルな石のブレスレットを取り出して、僕の前に差し出した。
三人も僕の傍に集まって来て、そのブレスレットを興味深気にみつめた。
「アイリンさん、これは……?」
「このブレスレットは、普段、魔法を使えない者でも魔法を発動させることが出来るものなの。」
「えっ!これにそんな力が!?」
「魔法ってどんな魔法が使えるんだ?」
僕の肩越しに顔を出したリッチーが、アイリンさんに質問した。
「残念ながら、それはわからないの。
でも、その効果はけっこうすごいものだって話よ。
あなた達、おしまいの町を目指してるそうだけど、それまでにはいろんな魔物にも出会うでしょうし、戦闘の時に使って役に立ててちょうだい。」
「あ…アイリンさん、どうもありがとうございます。」
「お礼を言うのは私の方よ。
本当にどうもありがとう。
あなた達も忙しいかもしれないけど、町を離れる前に私のショーを見に来て!
この魔法の羽衣があれば、今までよりもっとすごいダンスが踊れるわ!」
アイリンさんは魔法の羽衣を肩にかけ、嬉しそうににっこりと微笑んだ。
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