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第二の依頼

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「あ……」

めでたしめでたしと思って、気が緩んだ時……僕達の前から立ち去ろうとしたマックが不意に振り返った。
その瞬間、いやな緊張感がその場を包み込み、マックがつかつかと僕達の所に近寄って来るのを固唾を飲んで見守った。



 「……ちょっと聞きたいんだが、どうやってあの羽衣を俺の部屋から盗み出したんだ?」

 「そ、それはいーさんが、部屋の鍵を開けて……」

お、お、おじさん!な、なにを言うんですか!!



 「おまえが俺の部屋の鍵を…!?」

マックの鋭い視線に僕の身体ががたがたと震え出す。
 笑えない…どんなに愛想笑いをしようとしても、顔がひきつって笑えないよ。



 「本当か?たった数日習っただけで、あの部屋の鍵を開けたっていうのか?」

 「は、は、は、はい……」

 止まらないよ…怖くて身体が震えが止まらないよ……
返事をするのが精一杯だ。
あぁ、このまま気を失ってしまえたらどんなに楽だろう…
僕は微笑むことも何かを言うことも、視線を逸らすことさえも出来ずに、ただがたがたと震えるだけで…
マックは押し黙ったまま、そんな僕の顔を見つめ続けた。



 「……信じられない。おまえにそんな才能があったなんてな。
どうだ?おまえら…本気で俺の盗賊団に入らないか?」

 「え……?
お、お、お誘いはとてもあり難いんですが……僕達、ちょっとおしまいの町に行かないとならなくて……はははは……」

もつれる口を無理に動かし、強張った顔ではははと言ってみた。
 笑ってるように見えたかどうかはわからないけど……



「なんだって!?おしまいの町に?
……すげぇ。おまえら、すげぇ奴だったんだな!」

なにがどうすごいのかわからないけど、マックはえらく感動した様子で……



「じゃあ、頑張れよな!」

マックはそう言って、僕の背中を叩き、カメババ達を連れてその場を後にした。
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