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第二の依頼
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「今更、泣いた所でどうにもなりゃしねぇ!」
「後生だ……お頭……
どうか、許してくれ!」
「うるせぇ!」
足元にすがりつく二人に、マックが手を振り上げたその時……
「お止しよ!」
アイリンさんが、マックのその手をすんでの所で引き停めた。
「アイリン……」
「こいつらも十分反省してるようだし、もう許しておやりよ。」
アイリンさんは穏やかな声でそう言って、マックの手をゆっくりと下ろした。
「だけど……」
「私はこの羽衣さえ戻って来たら、それで良いんだ。」
「それじゃあ、俺の気が済まない…!」
「あんたも意固地だね。
だったら……そうだ、劇場の修理を手伝ってもらえないかい?
見ての通り、ここもずいぶんガタが来ててね。
楽屋の半分は雨漏りがするんだよ。」
「アイリン!俺達、力仕事はけっこう得意なんだ!
ぜひ、やらせてくれ!」
涙に濡れた顔を上げて、カメババが横から口をはさんだ。
「……決まりだね。
マック、こいつらの罪はそれでチャラだ。
もうぐだぐだ言いっこなしだよ!……良いね!?」
アイリンさんのきっぱりとした口調に、マックはついに苦笑した。
「……わかったよ。
ここの修理は、俺達に任せてくれ。
うちにはこういうことが得意な奴が何人もいるんだ。
明日から早速取りかかるよ。」
「そうかい…それじゃあ、頼んだよ。」
予想外の展開を僕達はただ呆然としながら見ていた。
怖い想いはしたけれど、この分だと僕達が柩に横たわることはなさそうだ。
「後生だ……お頭……
どうか、許してくれ!」
「うるせぇ!」
足元にすがりつく二人に、マックが手を振り上げたその時……
「お止しよ!」
アイリンさんが、マックのその手をすんでの所で引き停めた。
「アイリン……」
「こいつらも十分反省してるようだし、もう許しておやりよ。」
アイリンさんは穏やかな声でそう言って、マックの手をゆっくりと下ろした。
「だけど……」
「私はこの羽衣さえ戻って来たら、それで良いんだ。」
「それじゃあ、俺の気が済まない…!」
「あんたも意固地だね。
だったら……そうだ、劇場の修理を手伝ってもらえないかい?
見ての通り、ここもずいぶんガタが来ててね。
楽屋の半分は雨漏りがするんだよ。」
「アイリン!俺達、力仕事はけっこう得意なんだ!
ぜひ、やらせてくれ!」
涙に濡れた顔を上げて、カメババが横から口をはさんだ。
「……決まりだね。
マック、こいつらの罪はそれでチャラだ。
もうぐだぐだ言いっこなしだよ!……良いね!?」
アイリンさんのきっぱりとした口調に、マックはついに苦笑した。
「……わかったよ。
ここの修理は、俺達に任せてくれ。
うちにはこういうことが得意な奴が何人もいるんだ。
明日から早速取りかかるよ。」
「そうかい…それじゃあ、頼んだよ。」
予想外の展開を僕達はただ呆然としながら見ていた。
怖い想いはしたけれど、この分だと僕達が柩に横たわることはなさそうだ。
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