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第二の依頼

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 「こ、こらっ!勝手に入るなっ!あっっ!」

 「ご、ごめんなさい!」

 劇場の関係者を振りきり、僕達はアイリンさんの楽屋を目指して走り続けた。
すぐ後ろには、カメババやクマババ、そして、マックが続いている。



 「きゃっ!」

 不意に扉を開けて傾れこんだ僕達に、アイリンさんは短い叫び声を上げる。



 「ア、アイリンさん!こ、これをっっ!」

 僕は、アイリンさんに魔法の羽衣を差し出した。



 「ま、まぁ!あなた達……」

 「あっ!それは……!」

アイリンさんが喜びに浸る間もなく、マック達がついに僕達に追いついた。
マックは羽衣を見て、とても驚いた顔を浮かべ……



「……おまえら~~~!!」

 普段は温厚なマックの顔が鬼のような形相に変わった。
 僕らが羽衣を盗み出したことを瞬時に理解したようだ。
ヤバイ!どうしようもなくヤバイ!
 元々強いマックが本気で怒ったら、どんな奇跡が起こったところで僕らに勝ち目はない。
しかも、この部屋には出入り口は一つしかなく、追い詰められた僕らに逃げ場はない……!
そんな時、僕の頭の中に宿ったのは黒い柩に横たわる自分の姿……

もし、仲間の中の誰か一人でも逃げることが出来たなら、時間はかかってもいつか生き返らせてもらえる可能性はある。
でも、全員がやられてしまったら………


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