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第二の依頼
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「……あれ?
おまえらもアイリンを知ってるのか?」
「し、知ってるという程ではありません。
人気のある踊り子さんとしてお名前は知ってましたが…なるほど…この方がアイリンさんなんですか。
なんと、まぁ、お美しい…!」
おじさんがそう言うと、マックは嬉しそうに微笑んだ。
「実は、俺、アイリンの大ファンなんだ。
誰よりも綺麗だし、ダンスはうまいし、あいつはまるで女神みたいな女だ!」
はにかみながら……でも、熱い口調でマックは言葉を続けた。
「これは、アイリンが実際に使ってた羽衣なんだぜ。
俺の一番の宝物だ。」
好きなのはわかるけど、だからって好きな人のものを盗んじゃいけないよ。
……なんて、盗賊に話した所で聞きいれてくれるはずもないし、そんなこと言えるはずもない。
「す、すごいですねぇ……」
「まぁな……
……ところで、今日はおまえ達に頼みがあるんだ。
実はな、うちの食事のことなんだが……
あいつら見境なく飲み食いするだろう?
だから、うちの家計はいつも火の車なんだ。
それだけじゃない。
最近、みんな太り過ぎてやがる。
あんなに太ったら仕事にも支障を来たす。
だから、明日からはおまえ達が買い物に行って、出来るだけ低予算で健康に良いものを作ってやってほしいんだ。」
おまえらもアイリンを知ってるのか?」
「し、知ってるという程ではありません。
人気のある踊り子さんとしてお名前は知ってましたが…なるほど…この方がアイリンさんなんですか。
なんと、まぁ、お美しい…!」
おじさんがそう言うと、マックは嬉しそうに微笑んだ。
「実は、俺、アイリンの大ファンなんだ。
誰よりも綺麗だし、ダンスはうまいし、あいつはまるで女神みたいな女だ!」
はにかみながら……でも、熱い口調でマックは言葉を続けた。
「これは、アイリンが実際に使ってた羽衣なんだぜ。
俺の一番の宝物だ。」
好きなのはわかるけど、だからって好きな人のものを盗んじゃいけないよ。
……なんて、盗賊に話した所で聞きいれてくれるはずもないし、そんなこと言えるはずもない。
「す、すごいですねぇ……」
「まぁな……
……ところで、今日はおまえ達に頼みがあるんだ。
実はな、うちの食事のことなんだが……
あいつら見境なく飲み食いするだろう?
だから、うちの家計はいつも火の車なんだ。
それだけじゃない。
最近、みんな太り過ぎてやがる。
あんなに太ったら仕事にも支障を来たす。
だから、明日からはおまえ達が買い物に行って、出来るだけ低予算で健康に良いものを作ってやってほしいんだ。」
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