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第一の依頼

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「すごい熱じゃないですか!
あ…!もしや、あなた、さっき、ズナールに噛まれたのではありませんか?」

 「……ズナー…ル?」

 「おじさん、その通りだ!
ここ!」



 何のことだかよくわからないまま、僕はぼやけた頭で皆の会話を聞いていた。



 「まずいな…早く毒を消さないと、このままじゃ、こいつ、お陀仏だぜ。」



なにやら、物騒な言葉が聞こえた気がしたけど……はは…聞き違いだよね…



「アンジュさん、あなた毒消しの呪文は使えますか?」

 「いえ…回復魔法だけです。」

 「そうですか……では、魔力回復の実はどこですか?」

 「それならもっと奥の……」



 「うぎゃぎゃぎゃぎゃあーーーーー!」



 「あっちだ!」



 耳をつんざく悲鳴…ざざざっという慌しい数人の足音がして…そして、静寂……



 ……まさかとは思うけど…
僕、放置されてないよね?
 魔物の出る森の中に、動けない僕を一人で置いて行くなんて…
そんなこと、ないよね……?



 力を振り絞り、懸命に開けた僕の瞳に映るのは、森の木々だけ……
そこにいるはずの人々の姿はどこにもなくて……



夢だ……そう、これは悪い夢なんだ……



放置された僕は、絶望にうちひしがれながらゆっくりと瞳を閉じた。
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