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隣町を目指して

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「さ、とにかく急ごうぜ!
 町まで走ればなんとかなるさ。」

 「う、うん。」

 僕とリッチーが、おじさん達の待つ所まで走り、そして町に向かってあとひとっ走りしようとした時……



「ぎゃあああああーーーー!」

 「ぐぇーーーーー!」



 「な、なんだ!?」

ただならぬ絶叫が森の中から響き渡った。
 今の声は明らかに異常事態だ。
 僕達はその場に立ち止まり、森の方をみつめた。



 「お、おい、今の……」



 「ふっふっふっ……」



 背中の方から突如聞こえた低い笑い声……
僕らが一斉に振り返ると、そこには小柄な女性が立っていた。



 「ずいぶん遅かったじゃないですか……」

 「遅かったって……
あんた、一体…?」

 女性は謎めいた笑みを浮かべ、そしてキラキラ光るペンダントを片手に差し出した。



 「それは、雫石のペンダントですね。
あ…もしや、あなたは第一の依頼人のアンジュさん?」

 「その通りです。
スマイル0円は今先払いしましたが、このペンダントは私の依頼が叶えられた時ということで……」

アンジュさんはそう言うと、ペンダントを自分のポケットにしまいこんだ。
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