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初めての依頼

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 「で、では、行きますよ!」



 滅多に開くことのない町の門の前では門番さんが門を開く準備を整え、その周りにはまたまた大勢の人々が集まって、僕達に温かい拍手を送ってくれた。



 「頑張ってねーー!」

 「やられるなよ!」

 「ファイトーー!」



こんなにも僕達は期待されてるのかと思うと、なんだか胸が熱くなると共に、責任感や不安も同時に大きくなった。
でも、もうここまで来たら引き返すことも立ち止まることも出来ない!



 「皆さん、お見送りどうもありがとうございます。
では、行って参ります!」



おじさんがそう言うと、町の人の間から大きな歓声が上がった。
 気持ち良い…なんて良い気分なんだ!
こんなの初めてだ…!
 今まで、人より目立ったことなんて一度もなかった僕が、花束はもらう、さらにこんな大歓声と拍手に見送られるなんて…
今のこのシーンを録画しておけないのがとても残念だ。
こんなことは、この先、きっともう二度とないだろうに…



せめて、僕の心のアルバムにしっかりと記憶しておこう…!
この人生初の輝かしい光景を…!



スターにでもなった気分で僕はみんなに手を振った。



ありがとう!…ありがとう、皆!



 門番さん達の手によって、ゆっくりと門が左右に開いていく…



町の人達の姿が感激の涙でゆらゆら揺らいで見えて……僕達はついに町の外へ足を踏み出した。




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