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はじまりのはじまり

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「ロズウェルさん、なにか手伝いましょうか?」

 僕は台所のおじさんに声をかけた。



 「いえいえ、大丈夫ですよ。
 朝食はすぐに出来ますから待ってて下さい。」

おじさんは、野菜のようなものを刻みながらそう答えた。



ふと見ると、かまどには薪かなにかをくべるような穴が開いてて…
そうだよ…この世界にはまだガスもないんだ。
 僕はこんなかまどで調理なんてしたことないから使い方もわからないぞ。
いや、ガスがあったってせいぜいスパゲッティを茹でたり、焼き蕎麦をいためたりしかしたことはない。



 (僕って、何も出来ない奴…)



こんな所に突っ立ってたって、邪魔になるだけだ。
 僕は、軽い自己嫌悪に陥りながらすごすごとその場から離れた。




 *



あれから早くも一週間が過ぎた。



 結局の所…僕らの生活の面倒はすべておじさんが賄ってくれていると言っても過言ではない。

 朝早くから、おじさんは山や川に出掛けては、食べる物を調達してくれた。
それだけではなく、おじさんは近くの農家に手伝いに行って野菜をもらって来たり、町の商店で働いてはそのお金で日用品を買い揃えてくれた。
とはいえ、四人分のものを揃えるのはそう簡単なことではなく、ギリギリの生活だ。
エドガーは一週間経ってもあまり打ち解けることはなく…よくひとりでふらりとでかけたり、部屋にこもってることが多い。
リッチーは相変わらず肉が食べたいだの、酒がのみたいだの、煙草が吸いたいだのそんな愚痴ばかりをこぼしていた。




 ***




 「いーさん、今日も依頼はなさそうだな。」

 「……そうですね。」

 「私は別に構わないが…」

 「…………」



 *



 「あぁ~!なにか、うまいもの食べたい…!
チェッ!あの時、いーさんを誘ったりなんかしなきゃ良かった……」

 「な、なんだよ!
まるで、おいしいものが食べられないのは僕のせいみたいなこと言うなよ!」



 「……違うの?」

 「………」




 気まずい…実に気まずい…
この上なくいやな空気だ。
早く依頼が来てくれないと、このままじゃ、僕はどうにかなってしまいそうだ…
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