自分探しクエスト

そんな馬鹿な…

１４

＊



 僕は薄暗い部屋のベッドで目を覚ました。 
そうだ…
僕はあのカワイ子ちゃんの魔法使いが男だったと知って、あまりの衝撃で気を失ったんだ。
……いや、それだけじゃない。
 今日はあまりに衝撃的なことがありすぎた。
あのことは、きっかけに過ぎない。

 僕はゆっくりと身体を起こす。
どこかぼーっとした感じはあるけれど、体調が悪いということはなさそうだ。



 「あ、気が付いた？」

 部屋を出ると、そこは僕に与えられた家の居間で、長椅子には戦士のリッチーがいた。 
 倒れた僕を誰かが担いで連れて来てくれたんだな。
それはありがたいけど、彼はあんまり心配はしてなさそうだ。



 「あんたの部屋はそこな。
 隣の部屋がロズウェル、俺がこっちで、エドガーがここだ。」

どうやら僕が気を失ってる間に、部屋の割り振りが決まったようだ。



 「えっと…後の二人は…？」

 「エドガーは、一人が好きみたいでさっきふらっと出て行ったぜ。
ロズウェルは夕食を調達にった。
 早く帰って来ないかなぁ…
あぁ、腹減った。」

リッチーは、腹をさすりながら大袈裟に眉尻を下げた。
リーチーの顔を見ていると、なんだか僕も急にお腹が減って来た。
いろいろありすぎて忘れてた食欲を思い出したってことか…
そういえば、今日はお昼にハンバーガーショップで軽く食べただけだもんなぁ。
ふと見上げた柱時計には１５の刻みが付いていた。
ここは僕のいた世界とは時間の感覚も多少違うみたいで、何時かはわからなかったけど、きっと今は夕方だ。
 僕のお腹の空き具合からの推測だけど。