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そんな馬鹿な…
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「ローレンツ・E・モリスン14世、カード、カード!」
見た所、そこにいる人達は皆真面目そうな人ばかりだ。
レベルも1なんだし、まぁ僧侶だからどの人でもそんなに問題はなさそうだ。
僕は安心してカードを一枚差し出した。
「ロズウェル、仲間のお誘いだぜ!」
「えっ!本当ですか!?」
黒い修道服の間から顔をのぞかせたのは、僕のお父さんくらいの中年男だった。
いや、問題なのは年齢じゃなくてその服装だ。
ち、違う…!
その男が着てるのは、黒は黒でも…なんていうのか、体操服のような寝巻きにも見えるような…なんとも言い難いありきたりな服だ。
「ま…」
僕は、待って下さいと言いたかったんだ。
僕が仲間になってほしいのは僧侶なんだと…
だけど、僕が「ま」と言った瞬間に、おじさんはカードを手にしてしまった。
「ローレンツ・E・モリスン14世さん、初めまして!
私を仲間にして下さって本当にどうもありがとうございます。」
「は…はぁ…」
僕の力の抜けた手をおじさんが握り締めた。
「ローレンツ・E・モリスン14世、このおじさんは『善人』なんだぜ!
この町にももちろん一人しかいないし、この世界にも一人しかいないなんて噂まであるレアな職業なんだ。」
「リッチー、それは大袈裟ですよ。
善人なんてよその町に行けば、きっとごろごろいますって。」
だよな…
善人なんてきっとどこにでもいる…レアなわけがない。
って、どう考えても強くなさそうだ…
そりゃあ「悪人」じゃなかっただけマシかもしれないけど、善人なんて役に立つはずがない!
僕は激しく落胆し、その場を駆け出した。
見た所、そこにいる人達は皆真面目そうな人ばかりだ。
レベルも1なんだし、まぁ僧侶だからどの人でもそんなに問題はなさそうだ。
僕は安心してカードを一枚差し出した。
「ロズウェル、仲間のお誘いだぜ!」
「えっ!本当ですか!?」
黒い修道服の間から顔をのぞかせたのは、僕のお父さんくらいの中年男だった。
いや、問題なのは年齢じゃなくてその服装だ。
ち、違う…!
その男が着てるのは、黒は黒でも…なんていうのか、体操服のような寝巻きにも見えるような…なんとも言い難いありきたりな服だ。
「ま…」
僕は、待って下さいと言いたかったんだ。
僕が仲間になってほしいのは僧侶なんだと…
だけど、僕が「ま」と言った瞬間に、おじさんはカードを手にしてしまった。
「ローレンツ・E・モリスン14世さん、初めまして!
私を仲間にして下さって本当にどうもありがとうございます。」
「は…はぁ…」
僕の力の抜けた手をおじさんが握り締めた。
「ローレンツ・E・モリスン14世、このおじさんは『善人』なんだぜ!
この町にももちろん一人しかいないし、この世界にも一人しかいないなんて噂まであるレアな職業なんだ。」
「リッチー、それは大袈裟ですよ。
善人なんてよその町に行けば、きっとごろごろいますって。」
だよな…
善人なんてきっとどこにでもいる…レアなわけがない。
って、どう考えても強くなさそうだ…
そりゃあ「悪人」じゃなかっただけマシかもしれないけど、善人なんて役に立つはずがない!
僕は激しく落胆し、その場を駆け出した。
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