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そんな馬鹿な…
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「では、頑張って……
あ、そうじゃ!大切なことを忘れておった。
そこでの名前は、本名でええな?
本名は……ん?井上正春?
やけに昭和な名前じゃのう…」
今、笑ったな。
悪かったな、昭和で!
「だ、だめだ!
本名は、個人情報とかいろいろあるし…悪用されたらまずいし…」
意味不明なことを言ってることも、そんなことを言ってる場合じゃないこともわかってる。
「じゃ、どうするんじゃ?
まーくんにでもするか?」
「だ、だめだって、そういうのは…!」
「じゃ、どういうのが良いんじゃ?」
「えっと……
ロ…ローレンツ…」
「なんじゃと?」
「だ、だから、ローレンツ!
文字数長くても良いのなら、ローレンツ・E・モリスン14世にしてほしい。」
「……ローレンツ・E・モリスン14世?」
老人の声が不意に途絶えた。
どうせ笑ってるんだ。
本名と違いすぎるとか、思いっきり日本人的なこの顔に合ってないとか思ってるに違いない。
別に良いじゃないか!
ゲームの中でくらい、好きな名前にしたって。
僕はいつもこの名前でやってるんだから!
「わかった。ではそのように登録しておこう。
それじゃあ、達者でな!
ローレンツ・E・モリスン14世…」
反射的に空に向かって僕は手を振り、すぐに気付いてその手を停めた。
あ、そうじゃ!大切なことを忘れておった。
そこでの名前は、本名でええな?
本名は……ん?井上正春?
やけに昭和な名前じゃのう…」
今、笑ったな。
悪かったな、昭和で!
「だ、だめだ!
本名は、個人情報とかいろいろあるし…悪用されたらまずいし…」
意味不明なことを言ってることも、そんなことを言ってる場合じゃないこともわかってる。
「じゃ、どうするんじゃ?
まーくんにでもするか?」
「だ、だめだって、そういうのは…!」
「じゃ、どういうのが良いんじゃ?」
「えっと……
ロ…ローレンツ…」
「なんじゃと?」
「だ、だから、ローレンツ!
文字数長くても良いのなら、ローレンツ・E・モリスン14世にしてほしい。」
「……ローレンツ・E・モリスン14世?」
老人の声が不意に途絶えた。
どうせ笑ってるんだ。
本名と違いすぎるとか、思いっきり日本人的なこの顔に合ってないとか思ってるに違いない。
別に良いじゃないか!
ゲームの中でくらい、好きな名前にしたって。
僕はいつもこの名前でやってるんだから!
「わかった。ではそのように登録しておこう。
それじゃあ、達者でな!
ローレンツ・E・モリスン14世…」
反射的に空に向かって僕は手を振り、すぐに気付いてその手を停めた。
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