上 下
9 / 192
そんな馬鹿な…

しおりを挟む




 「ちと長かったが、今の話はちゃんとわかったのか?」

 「僕はそれ程馬鹿じゃないぞ!」



 老人の話はこうだった。
 周りには魚の採れる川や山菜や木の実の採れる山がある。
 自分の家だから家賃はいらないし、水も井戸水があるから間違っても飢えて死ぬようなことはない。
ただ、他の細々したものは雑貨屋等で買い揃えるしかなく、そういうものにかかる経費は自分達でなんとかしろと…



今の僕の気持ちを一言で表すなら「は?」だ。
なんだ?このルール…
っていうか、ここはどこなんだ?
 僕は一体どうなったんだ!?



 「あの……僕、意味がわかんないんだけど……」

 僕がそう言うと、老人は聞えよがしの溜め息を漏らした。



 「良く聞くんじゃ。
 食べるものは近くの……」

 「そうじゃなくて…
ここは一体どこで、なんで僕がこんな所にいて、あんたの声はどこから聞こえてるのかってこと!」



 「……なんじゃ、そんなことか。
 全くおかしな奴じゃのう。
 自分の意志でそこに行ったくせに…」



は…?
またも僕の気持ちは「は?」だった。



 「ねぇ…まず、最初にここがどこか教えてもらえないかな?」

 「そこか…名前はないといえばないんじゃが、それでは都合が悪いか…
そうじゃのう…それでは『はじまりの町』でどうじゃ?」



は?
……この老人、僕に何度この言葉を言わせるつもりだ…



「……なんじゃ、まだわからんのか?
おまえさんは、そこで仲間と力を合わせながら、自分探しの旅をするんじゃ…
『おしまいの町』には、そこからこっちの世界に戻れる門があるから、そこを目指しながらせいぜい自分探しをするんじゃな。」




えーーーっと…
今の老人の話の中には確か気になるワードがあったぞ。



 「こっちの世界に戻れる門」って言わなかったか?



こっちっていうのは…



「そう、おまえさんがつい先程まで暮らしておった世界じゃ。」



また思考を読まれた。



っていうか…
それって…
まさか…



えええーーーーーーーーっっ!?


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

【R18】もう一度セックスに溺れて

ちゅー
恋愛
-------------------------------------- 「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」 過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。 -------------------------------------- 結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。

RUBBER LADY 屈辱の性奴隷調教

RUBBER LADY
ファンタジー
RUBBER LADYが活躍するストーリーの続編です

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

処理中です...