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side芳樹
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(落ち着け。紗羽はもう過去の人だ。
動揺する必要なんてない。)
何度もそう言い聞かせた。
だけど、どうしても心はざわめく。
なぜならば、今日は保護者会。
つまり、紗羽がここに来るからだ。
僕のことに気付くだろうか?
どんな態度を取られるだろうか?
何日も前から、僕はそんなことばかり考えては落ち着けない日々を過ごしていた。
(さぁ、行くぞ!)
もう教室には、保護者達が集まっているはずだ。
職員室から1年3組の教室まではすぐだ。
どれだけゆっくり歩こうともあっという間に着いてしまう。
入学式の時よりもさらに緊張していた。
扉の前で、僕は深呼吸をした。
それでも落ち着かないまま、扉を開く。
扉を開いた瞬間…僕には、紗羽がわかった。
まるで、白黒の世界の中に、紗羽だけがカラーでいるかのように、彼女の姿が目に飛び込んで来たのだ。
そして、それは紗羽も同じなのだとわかった。
彼女は眼を大きく見開き、僕のことをじっとみつめていたから。
時が止まったようだった。
けれど、椅子から立ち上がった保護者の動きで、僕の時間はまた動き出した。
「は、はじめまして。このクラスの担任をしている岡本芳樹と言います。」
これ程動揺しながらも、まともな話が出来たのは、今まで真面目に教員という仕事を続けて来たおかげだろうか?
ほとんど無意識に近い状態で、僕は話すべきことを話した。
おそらく失敗はなかったと思う。
「それでは、ここからは個人面談に移ります。
相葉さん以外の方は、廊下でお待ちください。」
一人一人と面談していく間も、僕はずっと紗羽のことを考えていた。
会うのが怖くて…それなのに、会いたくて…
複雑な想いに戸惑いながら、僕は面談をこなしていった。
動揺する必要なんてない。)
何度もそう言い聞かせた。
だけど、どうしても心はざわめく。
なぜならば、今日は保護者会。
つまり、紗羽がここに来るからだ。
僕のことに気付くだろうか?
どんな態度を取られるだろうか?
何日も前から、僕はそんなことばかり考えては落ち着けない日々を過ごしていた。
(さぁ、行くぞ!)
もう教室には、保護者達が集まっているはずだ。
職員室から1年3組の教室まではすぐだ。
どれだけゆっくり歩こうともあっという間に着いてしまう。
入学式の時よりもさらに緊張していた。
扉の前で、僕は深呼吸をした。
それでも落ち着かないまま、扉を開く。
扉を開いた瞬間…僕には、紗羽がわかった。
まるで、白黒の世界の中に、紗羽だけがカラーでいるかのように、彼女の姿が目に飛び込んで来たのだ。
そして、それは紗羽も同じなのだとわかった。
彼女は眼を大きく見開き、僕のことをじっとみつめていたから。
時が止まったようだった。
けれど、椅子から立ち上がった保護者の動きで、僕の時間はまた動き出した。
「は、はじめまして。このクラスの担任をしている岡本芳樹と言います。」
これ程動揺しながらも、まともな話が出来たのは、今まで真面目に教員という仕事を続けて来たおかげだろうか?
ほとんど無意識に近い状態で、僕は話すべきことを話した。
おそらく失敗はなかったと思う。
「それでは、ここからは個人面談に移ります。
相葉さん以外の方は、廊下でお待ちください。」
一人一人と面談していく間も、僕はずっと紗羽のことを考えていた。
会うのが怖くて…それなのに、会いたくて…
複雑な想いに戸惑いながら、僕は面談をこなしていった。
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