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愛彩

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 「そう。良かったじゃない。」

 「うん、ほっとしたよ。
なんかね、熱が出てたらしいんだ。」

 「そう…最近は寒かったしインフルも流行ってるからね。」

 告白後、学さんから返信がなかったらしく、落ち込んでいたら、やっと彼からの返信が来たとのことで、瑞穂はとても嬉しそうだった。



 「それでね、近々、食事に行こうって話になったんだけど…愛彩、来れないかな?」

 「えっ!?私??
でも、いつも同僚の人が行ってるんじゃないの?」

 「うん、そうなんだけど、学さんの友達の三木君って人…最初は良いかなって思ったらしいんだけど、最近、どうも趣味じゃないって感じたらしくって…」

 「そうなの?」

 「あ、あんたに三木君を押し付けようっていうんじゃないよ。
そりゃあ、気が合いそうだったら良いとは思うけど、とにかく学さんを見て欲しくって…」

 私には好きな人がいるから、その三木君って人に惹かれることはまずないだろう。



 「そっか。良いよ。
 仕事の都合さえ付いたら行くよ。」

 「やった!ありがとう!」



 食事会は、それから二日後に決まった。
ちょうど、早番の日だったので、私も行けることになり、瑞穂は喜んでくれた。



 私もちょっと楽しみな気分だ。
 瑞穂の彼氏がどんな人なのか、興味があるし、結婚してから、身内以外と出掛けたことがなかったからか、なんだか気持ちが浮かれていた。



デートでもないのに、お化粧にも気合いが入り、そんな自分自身に笑いが込み上げた。


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