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(ちょっと早かったかな?)



 時計の針は、待ち合わせの25分前を指していた。 



 「いらっしゃいませ。」

 私はコーヒーを注文した。 
コーヒーを飲み終える頃には大樹君も来るだろう。 

 三毛猫は今日は棚の上にいた。 
 毛繕いをしながら、まったりとしている。 



 大樹君の実家では、今も猫を飼ってるって言ってた。 
もちろん、三毛猫もいるとのこと。 

 結婚したら、きっと大樹君は猫を飼いたいって言うだろうな。 
 私は猫は飼ったことないけど、犬はずっと飼ってたし、ま、なんとかなるだろう。 
 猫はお散歩に連れて行かなくて良いし、却って、犬よりも楽かもしれない。



 陽当たりの良いリビングで、大樹君が三毛猫を抱いてほっこりしている様子が目に浮かぶ。 
そして、その大樹君にお茶を持って行くのは、花柄のエプロンをかけた私…



(や、やだ!私ったら…何、考えてんの?)



おかしな妄想に顔が熱を帯びる。
 残ったコーヒーを飲み干した時、ドアベルの音が響いて、大樹君が入って来た。 



 「美玖ちゃん、早いね!」

 大樹君はいつもと変わらずとても明るい。 
でも…入って来たのは大樹君ひとりだけで、なぜだかご両親の姿はなかった。 
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