迷える恋の大奔走！？～たい焼きはシッポまで甘く…

４２

凛子は一体、どういうつもりで、そんなことを森本君に言ったんだろう？
 凛子の気持ちがわからない。



 「……本当にごめんな。
びっくりしただろ？
でも…話せて良かった。
なんか、気持ちがすっきりした。」

 森本君は、顔をあげてにっこりと微笑んだ。
 目が合った瞬間、とても恥ずかしくなって、私は思わず俯いた。



 「今日のことは、もう忘れてくれ。
それで…もしも出来ることなら、これからも暇な時は一緒に出掛けないか？
 二人が嫌なら凛子と三人でも良いし…
あ…こんなこと聞かされて、気持ちが悪いってことなら、はっきり言ってくれ。
もう誘ったりしないから。」

 私は混乱し過ぎててなんて言えば良いのかもわからず、ただ黙って頷いた。



 「……今日は本当にありがとう。
じゃあ、俺、帰るから…」

 「う、うん。」



 森本君が去った後も、私はなかなかその場から立ち上がれないでいた。
 情けないことだけど、私にはショックが大き過ぎて…
心の中がぐちゃぐちゃになって、全然整理がつかなくて…



私はようやくベンチから立ち上がったのは、あたりが暗くなった頃だった。