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「そんなことより……
凛子に、瀬名とのこと、聞いてるか?」

 「……ううん。」

 「何も?」

 「……遼ちゃんからはちょっと聞いたよ。」

 「そっか、やっぱりな。
 元はといえば、今回のことは全部瀬名のせいなんだ。
 瀬名が、凛子に寂しい想いをさせたから。」

 遼ちゃんが言ってた通りだ。



 「そりゃあ、男同士の付き合いも大切だとは思う。
だけど、凛子って者がいながら、合コンはないだろ。
 俺、瀬名のこと、見損なった。」

 「えっ!遼ちゃんが合コン!?」



それは、信じられない言葉だった。
 信じられないし、もしもそれが本当だったら、すごく腹立たしい。



 「そうなんだ。
 凛子…俺の前で泣くくらい、ショックを受けてたんだ。」

 「えっ!?」



じゃあ、もしかしたら、ぞうさん公園で凛子が泣いてたのは…
あの時の光景が、まざまざと頭に浮かんだ。



 「森本君、それって、もしかしてぞうさん公園で…」

 「ぞうさん公園?」

 「う、うん。うちの近所の公園で、ぞうさんの形の置物がある…」

 「うん、そういえば象の置物、あった、あった。」



じゃあ、あの時泣いてたのは、遼ちゃんが合コンに行ったから?
 酷い!遼ちゃん、それは酷いよ!

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