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*
「今日、帰りに甘いもの食べに行かないか?」
「え?あ…ご、ごめん。
今日は、お母さんに用事頼まれてて…」
「……そっか、わかった。」
昨日、凛子にあんなことを言われたせいか、私は、咄嗟に嘘を吐いてしまった。
お母さんの用事なんて、何もないのに。
やっぱり、嘘を吐くのは嫌な気分だ。
私は、後ろめたさからそそくさと教室を後にした。
私って、けっこう見栄っ張りだな。
しかも、冷たいし、自分勝手だ。
凛子にあんなことを言われたからって、森本君の誘いを断るなんて…
そんなことを想ったら、自己嫌悪に陥った。
そりゃあ、森本君は私の彼氏でもなければ、森本君のことを好きだってわけでもないけど、それでも、私を誘ってくれる人なんて、森本君しかいないのに…
私のようにモテない者には、本来、断るような事は出来ないはずなのに…
(私って最低……)
恥ずかしくて、情けなくて…
熱い涙が込み上げた。
*
それからは、森本君に申し訳ない気持ちがどんどん大きくなって…
それなのに、また森本君からの誘いを嘘を吐いて断って…
自己嫌悪も酷くなり、もはや「おはよう!」の挨拶さえ、まともに出来なくなっていた。
「今日、帰りに甘いもの食べに行かないか?」
「え?あ…ご、ごめん。
今日は、お母さんに用事頼まれてて…」
「……そっか、わかった。」
昨日、凛子にあんなことを言われたせいか、私は、咄嗟に嘘を吐いてしまった。
お母さんの用事なんて、何もないのに。
やっぱり、嘘を吐くのは嫌な気分だ。
私は、後ろめたさからそそくさと教室を後にした。
私って、けっこう見栄っ張りだな。
しかも、冷たいし、自分勝手だ。
凛子にあんなことを言われたからって、森本君の誘いを断るなんて…
そんなことを想ったら、自己嫌悪に陥った。
そりゃあ、森本君は私の彼氏でもなければ、森本君のことを好きだってわけでもないけど、それでも、私を誘ってくれる人なんて、森本君しかいないのに…
私のようにモテない者には、本来、断るような事は出来ないはずなのに…
(私って最低……)
恥ずかしくて、情けなくて…
熱い涙が込み上げた。
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それからは、森本君に申し訳ない気持ちがどんどん大きくなって…
それなのに、また森本君からの誘いを嘘を吐いて断って…
自己嫌悪も酷くなり、もはや「おはよう!」の挨拶さえ、まともに出来なくなっていた。
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