2 / 9
2
しおりを挟む
*
(何やってるんだろう…俺は…)
スマホの画面を見ながら、俺は軽い自己嫌悪に陥っていた。
馬鹿だ…
あんなメールを真に受けるなんて…
(え?)
俺はさっき見たばかりのメールがなくなっていることに気がついた。
(なぜだ?)
削除した覚えはないのに、あのメールは忽然と消えていた。
さらに、送信メールも見てみたがそこにもメールはなかった。
(……どういうことだ!?)
俺が今のネット事情に疎いだけなのか?
都合の悪いメールは、削除するような機能がすでに出来てるということなんだろうか??
訳が分からないまま、俺は、スマホをテーブルに投げ出した。
なんらかの詐欺にでも巻き込まれたのなら、きっとそのうち反応があるだろう。
金を払えだのなんだのって…
ソファに深く腰掛け、俺はついさっきのことに想いを馳せた。
『過去のあなたに伝えたいことはありませんか?
過去のあなたに10文字の言葉を送ります。』
テレビを見ていた時に届いたメール。
なにげなくそれを見た時、俺の頭の中に何十年も昔のことがリンクした。
そう、それはまるで昨日のことのように鮮明で、鼓動が急に速くなるのを感じた。
俺は、メールを読み進める一方で、早くも送る10文字のことを考えていた。
そして、その言葉はすぐに決まった。
『受験はやめろ後悔する』
メールには「返信」で10文字の言葉を送るように書かれていた。
頭に浮かんだ文字はちょうど10文字。
俺は、どこかぼんやりとしながら返信の画面に移行し、文字を打ち込む。
『受験はやめろ後悔する』
すっかり囚われていた…
あの時の記憶が鮮明によみがえり、俺はそのことで頭がいっぱいになっていた。
送信ボタンをタップする。
そして、ようやく我に返った…
俺は何をやってるんだろう?
過去の俺にメールを送るだって?
いくら現代のネット環境が進んだからって、そんなことが出来るはずがない。
俺は何をやってるんだ?
差出人についての記述はなかった。
ただ、簡潔に送信の仕方が書いてあっただけだった。
メアドもまるで覚えていない…
いや、そんなことを覚えていたところで、今更、何になるというのか…
(何やってるんだろう…俺は…)
スマホの画面を見ながら、俺は軽い自己嫌悪に陥っていた。
馬鹿だ…
あんなメールを真に受けるなんて…
(え?)
俺はさっき見たばかりのメールがなくなっていることに気がついた。
(なぜだ?)
削除した覚えはないのに、あのメールは忽然と消えていた。
さらに、送信メールも見てみたがそこにもメールはなかった。
(……どういうことだ!?)
俺が今のネット事情に疎いだけなのか?
都合の悪いメールは、削除するような機能がすでに出来てるということなんだろうか??
訳が分からないまま、俺は、スマホをテーブルに投げ出した。
なんらかの詐欺にでも巻き込まれたのなら、きっとそのうち反応があるだろう。
金を払えだのなんだのって…
ソファに深く腰掛け、俺はついさっきのことに想いを馳せた。
『過去のあなたに伝えたいことはありませんか?
過去のあなたに10文字の言葉を送ります。』
テレビを見ていた時に届いたメール。
なにげなくそれを見た時、俺の頭の中に何十年も昔のことがリンクした。
そう、それはまるで昨日のことのように鮮明で、鼓動が急に速くなるのを感じた。
俺は、メールを読み進める一方で、早くも送る10文字のことを考えていた。
そして、その言葉はすぐに決まった。
『受験はやめろ後悔する』
メールには「返信」で10文字の言葉を送るように書かれていた。
頭に浮かんだ文字はちょうど10文字。
俺は、どこかぼんやりとしながら返信の画面に移行し、文字を打ち込む。
『受験はやめろ後悔する』
すっかり囚われていた…
あの時の記憶が鮮明によみがえり、俺はそのことで頭がいっぱいになっていた。
送信ボタンをタップする。
そして、ようやく我に返った…
俺は何をやってるんだろう?
過去の俺にメールを送るだって?
いくら現代のネット環境が進んだからって、そんなことが出来るはずがない。
俺は何をやってるんだ?
差出人についての記述はなかった。
ただ、簡潔に送信の仕方が書いてあっただけだった。
メアドもまるで覚えていない…
いや、そんなことを覚えていたところで、今更、何になるというのか…
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【完結】王太子妃の初恋
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
カテリーナは王太子妃。しかし、政略のための結婚でアレクサンドル王太子からは嫌われている。
王太子が側妃を娶ったため、カテリーナはお役御免とばかりに王宮の外れにある森の中の宮殿に追いやられてしまう。
しかし、カテリーナはちょうど良かったと思っていた。婚約者時代からの激務で目が悪くなっていて、これ以上は公務も社交も難しいと考えていたからだ。
そんなカテリーナが湖畔で一人の男に出会い、恋をするまでとその後。
★ざまぁはありません。
全話予約投稿済。
携帯投稿のため誤字脱字多くて申し訳ありません。
報告ありがとうございます。
悪役令嬢は処刑されました
菜花
ファンタジー
王家の命で王太子と婚約したペネロペ。しかしそれは不幸な婚約と言う他なく、最終的にペネロペは冤罪で処刑される。彼女の処刑後の話と、転生後の話。カクヨム様でも投稿しています。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った
五色ひわ
恋愛
辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。真実を確かめるため、アメリアは3年ぶりに王都へと旅立った。
※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話
(完結)お姉様を選んだことを今更後悔しても遅いです!
青空一夏
恋愛
私はブロッサム・ビアス。ビアス候爵家の次女で、私の婚約者はフロイド・ターナー伯爵令息だった。結婚式を一ヶ月後に控え、私は仕上がってきたドレスをお父様達に見せていた。
すると、お母様達は思いがけない言葉を口にする。
「まぁ、素敵! そのドレスはお腹周りをカバーできて良いわね。コーデリアにぴったりよ」
「まだ、コーデリアのお腹は目立たないが、それなら大丈夫だろう」
なぜ、お姉様の名前がでてくるの?
なんと、お姉様は私の婚約者の子供を妊娠していると言い出して、フロイドは私に婚約破棄をつきつけたのだった。
※タグの追加や変更あるかもしれません。
※因果応報的ざまぁのはず。
※作者独自の世界のゆるふわ設定。
※過去作のリメイク版です。過去作品は非公開にしました。
※表紙は作者作成AIイラスト。ブロッサムのイメージイラストです。
幼女からスタートした侯爵令嬢は騎士団参謀に溺愛される~神獣は私を選んだようです~
桜もふ
恋愛
家族を事故で亡くしたルルナ・エメルロ侯爵令嬢は男爵家である叔父家族に引き取られたが、何をするにも平手打ちやムチ打ち、物を投げつけられる暴力・暴言の【虐待】だ。衣服も与えて貰えず、食事は食べ残しの少ないスープと一欠片のパンだけだった。私の味方はお兄様の従魔であった女神様の眷属の【マロン】だけだが、そのマロンは私の従魔に。
そして5歳になり、スキル鑑定でゴミ以下のスキルだと判断された私は王宮の広間で大勢の貴族連中に笑われ罵倒の嵐の中、男爵家の叔父夫婦に【侯爵家】を乗っ取られ私は、縁切りされ平民へと堕とされた。
頭空っぽアホ第2王子には婚約破棄された挙句に、国王に【無一文】で国外追放を命じられ、放り出された後、頭を打った衝撃で前世(地球)の記憶が蘇り【賢者】【草集め】【特殊想像生成】のスキルを使い国境を目指すが、ある日たどり着いた街で、優しい人達に出会い。ギルマスの養女になり、私が3人組に誘拐された時に神獣のスオウに再開することに! そして、今日も周りのみんなから溺愛されながら、日銭を稼ぐ為に頑張ります!
エメルロ一族には重大な秘密があり……。
そして、隣国の騎士団参謀(元ローバル国の第1王子)との甘々な恋愛は至福のひとときなのです。ギルマス(パパ)に邪魔されながら楽しい日々を過ごします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる