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(大丈夫…絶対に、そんなことない!)
次の日の夜明け近く…馬鹿みたいだけど、私は一番お気に入りのワンピースを着込み、メイクもいつもより念入りにし…そして、片手にはお父さんのゴルフクラブを持って、勝手口の付近に身をひそめた。
もちろん、彼が泥棒かどうかを確かめるために…
扉をほんの少し開いて、その隙間から私は彼が来るのをいまかいまかと待ち続けた。
(き、来た……!)
緊張の高まる中、私の心臓は早鐘を打ち始め、額からは一筋の汗が流れる…
(ど、どうか、彼が泥棒じゃありませんように…)
悲壮なまでの願いを心の中で祈りながら、私は彼の動向を見守った。
彼はあたりをきょろきょろと用心深く見回している…どう見てもかなりあやしい雰囲気だ。
誰もいないことを確認すると、彼は足早にうちの敷地に入りこんで…
(信じたくない!)
私は、目を覆いたくなる気持ちをぐっと堪え、彼の行動をさらに見続けた。
こっちに来たらどうしよう!?
とにかく、ゴルフクラブで威嚇してすぐに大声を上げて…
私は最悪の事態のシミュレーションを頭の中に思い描く。
だけど…彼が走っていった先は、意外にもこちらではなく…
紫陽花の咲く一角だった。
彼は、ポケットから花ばさみを取り出し、紫陽花の花を素早くちょん切った。
「あ…あの…!」
「あ……」
思わず飛び出した私に、彼はとても決まりの悪い顔を浮かべた。
(大丈夫…絶対に、そんなことない!)
次の日の夜明け近く…馬鹿みたいだけど、私は一番お気に入りのワンピースを着込み、メイクもいつもより念入りにし…そして、片手にはお父さんのゴルフクラブを持って、勝手口の付近に身をひそめた。
もちろん、彼が泥棒かどうかを確かめるために…
扉をほんの少し開いて、その隙間から私は彼が来るのをいまかいまかと待ち続けた。
(き、来た……!)
緊張の高まる中、私の心臓は早鐘を打ち始め、額からは一筋の汗が流れる…
(ど、どうか、彼が泥棒じゃありませんように…)
悲壮なまでの願いを心の中で祈りながら、私は彼の動向を見守った。
彼はあたりをきょろきょろと用心深く見回している…どう見てもかなりあやしい雰囲気だ。
誰もいないことを確認すると、彼は足早にうちの敷地に入りこんで…
(信じたくない!)
私は、目を覆いたくなる気持ちをぐっと堪え、彼の行動をさらに見続けた。
こっちに来たらどうしよう!?
とにかく、ゴルフクラブで威嚇してすぐに大声を上げて…
私は最悪の事態のシミュレーションを頭の中に思い描く。
だけど…彼が走っていった先は、意外にもこちらではなく…
紫陽花の咲く一角だった。
彼は、ポケットから花ばさみを取り出し、紫陽花の花を素早くちょん切った。
「あ…あの…!」
「あ……」
思わず飛び出した私に、彼はとても決まりの悪い顔を浮かべた。
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