神在琉葵(かみありるき)

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「酷い!あの女…まだ諦めてなかったなんて、なんてしつこいのかしら!…
トラブルも全部あいつの仕業よ、間違いないわ!
それに、トシもトシよ!なんであんな女に……あぁ、もう腹が立つったらないわ!」

 鏡の中の私は、拳を握り締め、怒りに身体を震わせた。



 「私…もうなんだか何もかもがいやになっちゃった…」

 「何を言ってるの!?
こんなことでくじけてどうするのよ!
 取り戻すのよ!
あんな女にいいようにされててどうするの?」

 「でも、私……」

 鏡の中の私に強い口調でけしかけられると、私は元気が出るどころかなおさら暗い気持ちに包みこまれ、こみあげる涙に声を詰まらせた。



 「……ごめんなさい、優香…
そうよね。あんな酷いことされたんだもの…あなたが傷付くのも当然だわ。
それに、このところずっと根をつめて働いてたし疲れてるのよ。
 優香…私にもう一度だけチャンスをちょうだい。
 今度こそ、麻美にはっきり言ってやるわ。
 寂しいかもしれないけど、あなたはここでのんびりしてて…
大丈夫…今度こそ必ずうまくやるから…」
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