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フクロウじいさん

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「ここじゃないか!?」

それから一時間程歩いた時、俺達は、それらしき場所を発見した。
森の木々に囲まれた城跡らしきものがある。
建物の大半はもう完全に朽ち果てている。



「これのどこにお宝があるっていうんだ?」

「多分、地下があるんだ。」

城の宝物庫は地下にある場合が多い。
そうでなくとも、地表の建物はもうほとんど残っていない状況だ。
そうなりゃ、お宝は地下にあるとしか思えない。



「アラン、地下への入り口を探そう。」

俺達は、慎重にあたりを見ながら、地下への入り口を探した。



「あ、あれじゃないか!」

少し探しただけで、いとも簡単に地下への階段がみつかった。
あたりの草が踏みしだかれているところを見ると、最近誰かがここに来たようだ。
おそらく、酒場で出会ったあの二人組だろう。



「気をつけろよ。」

先に行くアランの足元ががらがらと崩れた。



「ああっ!」

「危ないっ!」

アランはなんとかバランスを保ち、階段から転げ落ちることはなかった。



「ずいぶんもろくなってるな。
気を付けないと…」

かび臭いにおいが鼻をつく。
俺達は、松明に火をつけた。
松明であたりの様子をうかがうと、四方に廊下が広がっていた。



「どっちだろう…」

「こっちだ。」

俺は、躊躇いもなく歩き始めた。
これは、長年のカンみたいなものだ。
俺の中のお宝探知機が、お宝はこっちだと教えてくれるんだ。
そりゃあまぁ、時には全く違うことだってあるにはあるが…



「俺が先に行く。」

アランが俺の前に回り込んだ。
さながら、姫を守る騎士のような気分なんだろう。
ちょっとおかしな気分になりながら、俺はアランの後を黙ってついていった。



「うわぁっ!」

アランの声が地下に響いた。
こうもりの群れがバタバタと騒がしい羽音を響かせ、飛び去って行ったんだ。



「ステファニー…大丈夫か?」

「私は大丈夫だ。」

長い廊下をゆっくりと歩いて行く…
まとわりつくようないやな感じの重苦しい空気が、俺達の侵入を拒んでいるかのようだった。


「あ!あれは…」

アランの松明が照らし出したものは、牢屋と思われる場所だった。
さび付いた鉄格子がいくつか並んでいる。



「先に進もう。」

俺達は、牢を行き過ぎ、さらに先に進んだ。
その間には、いくつかの小さな部屋があった。
物置のような部屋…そして、仮眠室のような部屋…貯蔵庫らしき部屋…
地下は思ったよりも広く、どうやらいつの間にか一周していたようで、元の階段のところに戻っていた。

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