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診療所や宿屋に連れて行かなかったのは、子供達の身体にあった無数の痣を見たからだった。
神父は、全面的に僕に協力してくれた。
教会の小部屋を貸してくれて、必要なものをすぐに準備してくれた。
二人は町はずれに住むルリとリタという姉弟だということがわかった。
数年前に二人の両親が事故で亡くなり、その後、遠縁の者だという夫婦がやってきて二人の面倒をみると言い出し、町の者達も最初はそれで安心した。
ところが、それからしばらくして二人は一切姿を見せることがなくなり、誰が訪ねても二人は今眠っていると言って会わせてはもらえず、二人の消息は知れぬまま、殺されたんじゃないかという噂までが立っていたということだった。
「この子の遠縁の者だと言う夫婦はミサにも一度も来られませんし、私が訪ねてもお話さえしてはもらえませんでした。
奥さんはしょっちゅう服を仕立てておられ買い物三昧、旦那さんは朝から酒場で飲んだくれておられますよ。
町の者達はみなこの子達のことを心配していたのですが、まさか、こんなことになっていようとは……」
今にもその浅い息が止まってしまいそうな子供達を見おろして、神父は声を詰まらせた。
助かってくれ…!
どうか、死なないでくれ!
僕にはその想いしかなかった。
それは贖罪でもなんでもなく、何の偽りもない僕の率直な気持ちだった。
僕はそれ以外にはなにも考えることが出来ず、ただ、それだけを考え治療に専念した。
診療所や宿屋に連れて行かなかったのは、子供達の身体にあった無数の痣を見たからだった。
神父は、全面的に僕に協力してくれた。
教会の小部屋を貸してくれて、必要なものをすぐに準備してくれた。
二人は町はずれに住むルリとリタという姉弟だということがわかった。
数年前に二人の両親が事故で亡くなり、その後、遠縁の者だという夫婦がやってきて二人の面倒をみると言い出し、町の者達も最初はそれで安心した。
ところが、それからしばらくして二人は一切姿を見せることがなくなり、誰が訪ねても二人は今眠っていると言って会わせてはもらえず、二人の消息は知れぬまま、殺されたんじゃないかという噂までが立っていたということだった。
「この子の遠縁の者だと言う夫婦はミサにも一度も来られませんし、私が訪ねてもお話さえしてはもらえませんでした。
奥さんはしょっちゅう服を仕立てておられ買い物三昧、旦那さんは朝から酒場で飲んだくれておられますよ。
町の者達はみなこの子達のことを心配していたのですが、まさか、こんなことになっていようとは……」
今にもその浅い息が止まってしまいそうな子供達を見おろして、神父は声を詰まらせた。
助かってくれ…!
どうか、死なないでくれ!
僕にはその想いしかなかった。
それは贖罪でもなんでもなく、何の偽りもない僕の率直な気持ちだった。
僕はそれ以外にはなにも考えることが出来ず、ただ、それだけを考え治療に専念した。
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