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side アラステア

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「そう、じゃあ、私とその人と、どっちが好き?」

「そんなこと、選べるわけないじゃないか。
彼は僕にとってかけがえのない友人で、そして君は……」

「私は何なの?」

「……誰よりも大切な人だよ。」

「スコットよりも大切…?」

「またそんなことを……」



僕とフィリスは、すぐに打ち解け仲良くなった。
フィリスという名前は、僕からの贈り物だ。
彼女はそれをとても喜んでくれた。



一日中でも彼女と一緒にいたいと思うようになった。
だけど、そんなことをしたら使用人達に怪しまれる。
先日も時間を忘れて話してたら、僕がいないって大騒ぎになってしまった。

だから、僕は、鏡にはもう飽きたふりをして、だんだんと昼間には地下に行かなくなった。
高価な鏡だからということで、念入りに部屋に鍵をつけてもらって……
そして、毎晩、みんなが寝静まったのを見計らって、僕は地下でフィリスとの逢瀬を繰り返した。

彼女が、何者なのかはわからない。
確かなのは、人間ではないということだけ。
会う度に彼女のことが好きになるのに、僕と彼女の間にはどうしても越えられない境がある。
そのことを考え始めると、僕は苦しくてたまらなくなってしまう。



何日か考えて……僕は、スコットを近くの湖に誘った。
勝手なのはわかってる……だけど、やっぱりどうしても、彼女のことを話したくなったんだ。

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