沼地の精霊

２６

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 「明日は仕事が早く終わりそうなんだ。
どこかに出掛けようか？」

 『そうね。どこに行く？』

あれ以来、アルバはダリルの家にいました。
ダリルは、アルバを近くの沼に連れて行こうとしたのですが、ひとりで沼にいるのは寂しいからと、ダリルの家にいることにしたのです。
ダリルも一人暮らしでしたから、アルバがいることで寂しさを紛らせ、そのうちにお互い、好意を抱くようになりました。
ですが、アルバは妖精…悲しいことに、二人が結ばれることはありません。



 「こんばんは！こんばんは！」



 突然、響いた大きな声に、アルバとダリルは顔を見合わせました。 
こんな夜更けに家を訪ねて来る者なんて滅多にいないからです。 



 「誰だろうね？」

ダリルは玄関に向かいました。 



 「どなたですか？」

 「夜分遅くに申し訳ありません。
 私はデイジーという者です。」

 「デイジー…？」

ダリルが扉を開けると、そこには火のように赤い髪をした若い女性が立っていました。