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「いつの間に……
綺麗な虹だね……」

ニコールも同じように高い空を見上げました。



「……もし、あの時、虹のしずくが採れてたら……」

「……ねぇ、母さん…まだ教えてくれないの?
虹のしずくが採れてたら、僕には会えなかったって話の意味……」

マリオンはおかしそうに微笑みました。



「頭の良いあなたにもわからないことはあるのよ。
そう…虹のしずくが採れてたら、私達はあなたには会えなかった。
奇跡は起こらなかった。
だから……採れなくて本当に良かったの。」

マリオンはそう言ってくすくすと笑いました。
 子供の頃から何度も聞かされたその話に、ニコールはただただ頭をひねるばかりでした。




 (ありがとう…二コール…)




マリオンは、再び、空の虹を愛し気に見上げるのでした。




~fin.
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