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回想

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薄桃色に染まった山を見た瞬間…
私の瞳からさらに一筋の涙が流れ出た。
それは思いがけないことだった。
 私は、滅多なことでは泣いたりしない。
 自分でもクールなタイプだと思っていたのに、その後も、涙は止まることがなかった。
まるで、この世のものではないかのような美しい風景を目にしたからなのか、彼氏と親友を同時に失ったせいなのか、そんな自分自身が愚かで気の毒に思えたせいなのか…
そのどれなのか、それとも違う何かなのかはわからなかったけれど、胸がいっぱいになり、涙が止まらなかったのだ。



 私の空っぽの心に、しょっぱい涙が滲みて痛くてたまらない…



(どうしてこんなことに……)



その場にしゃがみ込み、私は声を上げて泣いた。
 誰もいない山に、私のすすり泣きが小さく響いた。



 悲しくて、悔しくて、情けなくて…



今まで押さえ込んでいた感情が、一気に噴き出したようだった。
 心の中のものをすべて涙に変え…
私はずっとずっとその場で泣き続けた。
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