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(よ)横笛
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(月のない夜は好きよ…星々の煌めきがいつもより良く見えるから…)
バルコニーに立ち、夜空を見上げるマイヤの耳に、風に乗った美しい調べが届きました。
(綺麗な笛の音…誰が吹いているのかしら?)
マイヤは、あたりを見渡しましたが、奏者の姿をみつけることは出来ませんでした。
マイヤは、美しい音色にうっとりと聞き入りました。
それからも、決まって新月の晩になると
笛の音が聞こえました。
マイヤはそのうちに笛を吹く者のことがたまらなく気になり、ある夜、城を抜け出し、笛の音を辿って行きました。
笛の音は城下町へと続く森の中から聞こえました。
マイヤは遂に音色の主をみつけました。
岩に腰掛け、横笛を吹いていたのは、醜いせむしの青年でした。
マイヤはちょっぴりびっくりしましたが、いつも笛の音に癒されている事を伝え、青年に名前を訊ねました。
ところが、青年は記憶を失い、自分の名前さえ知りませんでした。
青年は自分の容姿が醜いため、真っ暗な新月にのみ、笛を吹きに来ていると言いました。
それからも、新月の度に、マイヤは城を抜け出し、青年の演奏を聞き、他愛ないおしゃべりをしました。
それはマイヤにとって、とても楽しい時間でした。
「私、あなたのことが好きです。」
マイヤがそう言うと、彼は急に頭を押え込んで呻きました。
そして、彼の背中のこぶがだんだんと小さくなって行き、背が伸びていったのです。
「あ、その顔は…!」
青年が顔を上げると、今までとは別人の端正な顔に変わっていました。
「思い出した。私はランダシアの王子・レイトです。
悪い魔女を討伐しようとして、反対に呪いをかけられたのです。
きっと、あなたが醜い私を好きだとおっしゃって下さったことで、呪いが解けたのでしょう。」
「レイト王子…」
やがて、レイト王子は故郷に戻り、二人はめでたく結婚し、幸せに暮らしました。
バルコニーに立ち、夜空を見上げるマイヤの耳に、風に乗った美しい調べが届きました。
(綺麗な笛の音…誰が吹いているのかしら?)
マイヤは、あたりを見渡しましたが、奏者の姿をみつけることは出来ませんでした。
マイヤは、美しい音色にうっとりと聞き入りました。
それからも、決まって新月の晩になると
笛の音が聞こえました。
マイヤはそのうちに笛を吹く者のことがたまらなく気になり、ある夜、城を抜け出し、笛の音を辿って行きました。
笛の音は城下町へと続く森の中から聞こえました。
マイヤは遂に音色の主をみつけました。
岩に腰掛け、横笛を吹いていたのは、醜いせむしの青年でした。
マイヤはちょっぴりびっくりしましたが、いつも笛の音に癒されている事を伝え、青年に名前を訊ねました。
ところが、青年は記憶を失い、自分の名前さえ知りませんでした。
青年は自分の容姿が醜いため、真っ暗な新月にのみ、笛を吹きに来ていると言いました。
それからも、新月の度に、マイヤは城を抜け出し、青年の演奏を聞き、他愛ないおしゃべりをしました。
それはマイヤにとって、とても楽しい時間でした。
「私、あなたのことが好きです。」
マイヤがそう言うと、彼は急に頭を押え込んで呻きました。
そして、彼の背中のこぶがだんだんと小さくなって行き、背が伸びていったのです。
「あ、その顔は…!」
青年が顔を上げると、今までとは別人の端正な顔に変わっていました。
「思い出した。私はランダシアの王子・レイトです。
悪い魔女を討伐しようとして、反対に呪いをかけられたのです。
きっと、あなたが醜い私を好きだとおっしゃって下さったことで、呪いが解けたのでしょう。」
「レイト王子…」
やがて、レイト王子は故郷に戻り、二人はめでたく結婚し、幸せに暮らしました。
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