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15(早乙女side)
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雨男さんが、私がぽかんとしてることに気付いたのか、何事かをバーバラさんに耳打ちした。
「あ、私はね、自分の魔力を宝石の中に封じ込めて、それをロッドに付けてたんだ。
そうすると、長ったらしい呪文を唱えなくても、ロッドの指示だけで魔法が使えるからね。」
今のバーバラさんの言葉は理解できる。
だけど、呪文だの魔力だの魔法だのって…どうして、今、そんなファンタジーな話をされるのかは皆目わからない。
「それだけじゃないよ。
あの女は、あたしを醜いヒキガエルに変えようとまでしたんだ。
ヒキガエルに変えるなんて、一体どんだけ昔の魔女なんだって話だよ。
本当にセンスがない…
ちょうど、その日、あたしの家には友達が遊びに来ることになっててさ。
その子のおかげで、なんとかヒキガエルにはされなくてすんだんだけど…
それからも大変だった。
間に入ってくれた友達のおかげで、まぁ、一応の和解っていうか…イザベラもあたしにはこれ以上、何も手出しはしないってことになったんだけどね。
とにかく、済んだことを悔やんでも仕方ないってことで、アンガス爺さんに新しいワンドを作ってもらうように頼んで、そのワンドが出来るまでの間、気晴らしに旅行でもしてくれば?って友達が言うから、それなら日本に行ったっきり会ってない昔の友達にでも会おうかなぁ?なんて思って、友達の箒でこの近くまで送ってもらって来たんだよ。
今のあたしには魔力はないからね。
箒にさえ乗れないなんて、全く情けない話だよ。
だけど、その友達の住んでた家はなくなっていて、それでどうしたもんかなぁ?と思って、困ってたところ、河童に出逢って……」
どう答えれば良いんだろう?
バーバラさんは今の突拍子もない話にどういう答えを期待してるんだろう?
ここは、私もファンタジーの住人となって同じように答えるべきなのか、それとも……
「あ、私はね、自分の魔力を宝石の中に封じ込めて、それをロッドに付けてたんだ。
そうすると、長ったらしい呪文を唱えなくても、ロッドの指示だけで魔法が使えるからね。」
今のバーバラさんの言葉は理解できる。
だけど、呪文だの魔力だの魔法だのって…どうして、今、そんなファンタジーな話をされるのかは皆目わからない。
「それだけじゃないよ。
あの女は、あたしを醜いヒキガエルに変えようとまでしたんだ。
ヒキガエルに変えるなんて、一体どんだけ昔の魔女なんだって話だよ。
本当にセンスがない…
ちょうど、その日、あたしの家には友達が遊びに来ることになっててさ。
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とにかく、済んだことを悔やんでも仕方ないってことで、アンガス爺さんに新しいワンドを作ってもらうように頼んで、そのワンドが出来るまでの間、気晴らしに旅行でもしてくれば?って友達が言うから、それなら日本に行ったっきり会ってない昔の友達にでも会おうかなぁ?なんて思って、友達の箒でこの近くまで送ってもらって来たんだよ。
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だけど、その友達の住んでた家はなくなっていて、それでどうしたもんかなぁ?と思って、困ってたところ、河童に出逢って……」
どう答えれば良いんだろう?
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