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(でも……)



そうなると、今の状況に説明がつかなくなる。



 遼ちゃんが…あの遼ちゃんが、私に告白すること自体、ありえないことだもん。



こんなに長い間片想いしてて何だけど…
遼ちゃんに告白された時…
私……嬉しさを感じなかった。



 (でも……)



それは、おかしな状況だったからかもしれない。
 遼ちゃんが凛子と付き合い始めたって聞いた後だったからかもしれない。



 (それに……)



ずっとずっと片想いだったけど…
でも、遼ちゃんと両想いになれることなんて、一度たりとも考えたことがなかった。



それって、きっとおかしいことだよね。
たいていは、両想いになりたいって思うだろうし、両想いになった時のことを想像したりするはず。



そういえば、私…両想いになりたいとも考えたことなかったかも…



だって、私は凛子みたいに可愛くないし。
その上、地味だし、センスないし、特に人より優れてることなんて、ひとつもないし。
そんな私が遼ちゃんと両想いになんてなれるはずないって、私には最初からわかってたからだね。



 私はただ遼ちゃんとたまに喋ったり、たまに会ったり出来ることだけで幸せだったんだ。




 (……いや、違う。)



もし本当にそうだったら、遼ちゃんと凛子が付き合い始めたって聞いた時、あんなにショックを受けるはずない。



 (じゃあ、一体何なのよ!)



どうにもまとまりがつかない自分自身の気持ちに、苛々して、涙が零れた。


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