竜の里

１２

＊



 「……ここは…？」

 「シュミット…ここはディーフォースだ。」

 「ディーフォース！？」

シュミットとライアは目を丸くしました。 



 「……間違いない。」



フリードは、あたりを見渡しました。
そこは、色鮮やかな花と緑の木々と高くて青い空に恵まれたとても美しい世界でした。 



 「確かにそうよね。
 洞窟の向こう側にこんな広大な世界があるなんておかしいわ。
ここはあの世とこの世の境目の世界なのね…
そうだわ！レイナ…！レイナを探さないと…！
レイナ！レイナー！」

ライアは駆け出しました。
フリードとシュミットもライアの後を追いました。



 「あ、あれは…！」



 森の向こうに一筋の煙が見えました。 
 三人は、森を駆け抜けます。 
 小鳥たちが、三人に驚いて羽ばたいて行きます。



 森の向こう側には小さな家がありました。 
ちょうどその時、その家の扉が開き、女性が出て来ました。



 「レイナ…？レイナなの？レイナー！」

ライアの大きな声に、女性が振り向き、駆け出しました。



 「レイナ！」

 「ライア！」



 二人はお互いの体をきつく抱き締めました。
 二人とも、熱い涙が止まりません。