同じ日に生まれて

１３

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 「またこれっぽっちしかないのか。
おまえ、ちゃんと働いてるのか？
サボってるんじゃないだろうな！」 

 「当たり前だろ！だけど、支払いだっていろいろあるんだ。」

 「いちいち口答えしやがって……全く、おまえなんて引き取らなけりゃ良かった。」

 「あぁ、こっちだってそう思ってるさ！
あんたになんて引き取られなけりゃ、僕は、こんな苦労をすることなんてなかったんだ！」

 「なら、出ていけ！一人で暮らせば良いだろう！」

 僕は、乱暴に扉を締め、そのまま家を飛び出した。

いつもなら、そこまではしない。
だけど、今日は無性に気持ちが苛々して、感情的に外に飛び出してしまった。

 暗い夜道をあてもなく歩いているうちに、僕はいつの間にか別荘の近くに辿り着いていた。
まるで、明るい光に引き寄せられる虫みたいだ。
 別荘は明々と灯りが灯り、賑やかな笑い声が遠くからでも聞こえた。



 （ミッシェルさんの言う通りだ。
こんなに夜遅くまで浮かれてる人達がいるっていうのに、僕は、毎日、父さんのために働いて、その上、文句ばかり言われて……
どうしてなんだ？
 僕は、そんなに悪いことをしてきたわけじゃない。
なのに、どうして……）



 情けなくて、やるせなくて……気が付けば僕の頬には熱い涙が流れていた。