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本編 第三部 〜乙女はアカデミーにて〜
この学園は腐っています!
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「お兄様~!お待たせしました!」
全速力で教室から待ち合わせ場所である〝中庭〟まで走って来たものの・・・やはり先に待っていたお兄様に息を切らしながらそう伝えると、背中を摩られる。
「待っていないし・・・そんな走らなくても大丈夫だったのに。」
心優しいお兄様の言葉に申し訳無さが一層強まってしまった私は、明日からは絶対に遅刻しないぞ!と心に固く誓った。
「では、お兄様・・・参りましょうか?」
「ちょ・・・!フローラ?馬車の乗降広場は逆方向だよ・・・?」
「まだ屋敷になど帰りませんよ?今から生徒会室へ行くのですから!」
「あぁ・・・殿下にお会いして来るんだね?じゃあ、僕は先に馬車で待っていると」
馬車の乗降広場の方へと足を進めるお兄様の腕をがっしりと掴んだ私は、満面の笑みで告げた。
「駄目です。お兄様も一緒に来てください!!」
引っ張る形で半ば強制的にお兄様を連れて私は生徒会室へと歩き始めた。
「す、凄いね・・・フローラ。もう学園内を迷わずに移動出来るんだね・・・。そして、生徒会室知っていたんだね・・・。」
「え?えぇ!まぁ・・・場所を覚えるのは得意なもので・・・あはは。」
(いやあ・・・もう入学5回目ですからね!とは流石に言えないものね・・・。)
私の乾いた笑いに違和感を感じながらもお兄様は、生徒会室の扉を目前に身形を軽く整え始めた。
そんなお兄様の様子を見つつ・・・大丈夫そうなタイミングで大きくノックをする。
「はい。えーと、どちら様ですか・・・?」
見慣れない女性が扉を少し開けて問い掛ける。
「突然申し訳有りません。私、フローラ・アナスタシアと申しますわ。」
するとその女性が私の名前を聞くや否や、扉を生徒会室が奥まで見える様に大きく開いてくれる。
「大変失礼致しました・・・!会長の婚約者様でいらっしゃいましたか!どうぞ、どうぞ。」
普段、私の事をどう話しているのか知らないが・・・一先ず婚約者という事で入室を許可された私達二人は、案内されるがまま生徒会室へと足を進めた。
初めて入る生徒会室は最早・・・サロンと呼んで差し支えのない広さと絢爛豪華さだった。
そして、そんなお部屋の奥にある机で何か書き物をしている男性・・・は見慣れた顔をしている人だった。
「会長、婚約者のフローラ嬢がいらっしゃっておりますが・・・」
(そうか・・・なるほど。学園では〝殿下〟では無く、〝会長〟なのね・・・。)
女性の声掛けなど聞こえていない様子の〝会長〟は、黙々と仕事をしている。困り果てている彼女の代わりに、私自身が声を掛けるからと彼女の肩を引くと・・・あっさり退いてくれた。
「会長?あの~お話が有って来たんですけど・・・」
「え?!フローラ?!!」
私の声に反応したのか急に顔を上げた殿下、もとい会長と目が遭い思わず後退りしてしまう。
「び、びっくりするじゃないですか・・・!急に顔を上げないで下さい!」
「いや、こちらの台詞だぞ・・・!急にフローラの声が聞こえたものだから・・・幻聴かと思ったぞ、一瞬。」
(何故・・・そこで顔を赤らめるんだ・・・!相変わらず何を考えているか分からない人ね・・・。)
「今日は婚約者としてでは無く・・・一生徒として学園に対して思う所が有り、参った所存ですので・・・!顔を赤らめる様な事は何も起きませんよ?会長・・・。」
まるで、今までと同じ様な調子で接して来る殿下に思わず釘を刺すと・・・
隣にお兄様を連れている事に気付いた殿下が顔をキリリと引き締め、モードを切り替えたかの如く私達二人を丁重にソファへと案内した。
「それで・・・?言いたい事とは何でしょう?」
殿下が向かいのソファへと腰掛けると、先程の扉を開けてくれた女性が紅茶を3つ運んで来てくれた。
一通り段取りが済んだ所で・・・私を見つめるお兄様に目で合図を送ると質問に答えた。
「単刀直入に申し上げますけれど・・・この学園は、腐っています!!」
「な・・・?!ちょ、フローラ!」
私の物言いにかなり焦った様子のお兄様は、思わず手に取った紅茶溢してしまいそうな勢いで動揺している。
殿下に至っては、驚いた様子では有るが・・・とりあえず姿勢を崩さすに私の言葉の続きを待っていた。
「だって・・・こんなに優しくて美しくて優秀なお兄様が、陰でコソコソと悪口を言われているのですよ?!!おかしいですよ!」
「や、やめてくれ・・・フローラ・・・!そんな、殿下の前で・・・」
私と殿下の間で視線を往復させながら、恥ずかしそうに俯いているお兄様の助言になど耳を貸さず私は更に続ける。
「大体、この学園の人間の大半が性別や見た目、学園では関係無い筈の爵位で人の価値を決め付けている節が有ります!私はそんな事で人の価値を推し量るのは間違っていると思いますわ!そして・・・生徒会長として貴方には学園をより良くする義務が有ります!だから会長としてさっさとこの腐った学園を何とかして下さいませ!」
言いたい事を一通り言い放った私は、ソファにどカッと深く座り直すと腕を組んで会長を真っ直ぐ見据えた。
隣に居るお兄様はと言うと・・・顔面蒼白で何だったら小さく震えている様にすら見えた。
「はは!流石、フローラだな。入学早々、生徒会室に物申しに来るとは・・・本当に君は俺を飽きさせないな。」
いつもの様子で私を笑い飛ばす様子の殿下に思わず、むすっと膨れて見せると「ごめんごめん」と手で謝られた。
「それって褒めているのですか・・・?馬鹿にしているのですか・・・?」
「勿論、愛を囁いている。」
(・・・さぶっ!!!)
殿下の言葉に悪寒を感じた私は、自分の体を思わず抱きしめて後退りしてしまう。
「・・・婚約者に対して失礼だぞ。まぁ良い、ここは学園だしな。この話の続きは次の逢瀬の時まで取っておくとしよう・・・」
殿下の黒い笑みを見て、完全にやってしまった・・・!と後悔した様子の私をお兄様が心配そうに見つめているので、とりあえず切り替えて顔を上げた。
するとお兄様が、少し迷いながらも意を決した様に口を開く。
「殿下・・・いや会長は・・・どう思われているのでしょうか?私の様に・・・隣国生まれの人間が、近くに居ることについて・・・」
それは多分、お兄様がずっと聞きたくて堪らなかった質問なのかもしれない。
思い返してみれば・・・いつも婚約者である殿下を優先する様にと私に言って来ていたのは、お兄様だ。
(お兄様はずっと・・・ご自分の生まれを負い目に感じていらっしゃったのかしら・・・?)
殿下の方をチラリと見ると、先程までのふざけた感じは一切なく真剣な表情でお兄様と向き合っていた。
「ヴァンス殿の事は・・・最愛のフローラの兄君で、頼もしいアナスタシア卿の跡取りで、我が国に欠かせない人間だと・・・思っています。それ以上でも以下でも有りませんよ?」
殿下の言葉に涙を浮かべているお兄様が感謝の言葉を伝えるよりも先に、殿下の100点満点な答えに興奮してしまっていた私は、思わず殿下の手を取りぎゅうっと握り締めてしまった。
「会長!いえ、殿下!!私の大好きなお兄様をきちんと評価して頂けて・・・嬉しいです!有難うございます!」
キラキラした瞳の私は、そこまで言ってしまった後にようやく気付いた。
殿下の顳顬がピクピクと動いていることにーーー。
全速力で教室から待ち合わせ場所である〝中庭〟まで走って来たものの・・・やはり先に待っていたお兄様に息を切らしながらそう伝えると、背中を摩られる。
「待っていないし・・・そんな走らなくても大丈夫だったのに。」
心優しいお兄様の言葉に申し訳無さが一層強まってしまった私は、明日からは絶対に遅刻しないぞ!と心に固く誓った。
「では、お兄様・・・参りましょうか?」
「ちょ・・・!フローラ?馬車の乗降広場は逆方向だよ・・・?」
「まだ屋敷になど帰りませんよ?今から生徒会室へ行くのですから!」
「あぁ・・・殿下にお会いして来るんだね?じゃあ、僕は先に馬車で待っていると」
馬車の乗降広場の方へと足を進めるお兄様の腕をがっしりと掴んだ私は、満面の笑みで告げた。
「駄目です。お兄様も一緒に来てください!!」
引っ張る形で半ば強制的にお兄様を連れて私は生徒会室へと歩き始めた。
「す、凄いね・・・フローラ。もう学園内を迷わずに移動出来るんだね・・・。そして、生徒会室知っていたんだね・・・。」
「え?えぇ!まぁ・・・場所を覚えるのは得意なもので・・・あはは。」
(いやあ・・・もう入学5回目ですからね!とは流石に言えないものね・・・。)
私の乾いた笑いに違和感を感じながらもお兄様は、生徒会室の扉を目前に身形を軽く整え始めた。
そんなお兄様の様子を見つつ・・・大丈夫そうなタイミングで大きくノックをする。
「はい。えーと、どちら様ですか・・・?」
見慣れない女性が扉を少し開けて問い掛ける。
「突然申し訳有りません。私、フローラ・アナスタシアと申しますわ。」
するとその女性が私の名前を聞くや否や、扉を生徒会室が奥まで見える様に大きく開いてくれる。
「大変失礼致しました・・・!会長の婚約者様でいらっしゃいましたか!どうぞ、どうぞ。」
普段、私の事をどう話しているのか知らないが・・・一先ず婚約者という事で入室を許可された私達二人は、案内されるがまま生徒会室へと足を進めた。
初めて入る生徒会室は最早・・・サロンと呼んで差し支えのない広さと絢爛豪華さだった。
そして、そんなお部屋の奥にある机で何か書き物をしている男性・・・は見慣れた顔をしている人だった。
「会長、婚約者のフローラ嬢がいらっしゃっておりますが・・・」
(そうか・・・なるほど。学園では〝殿下〟では無く、〝会長〟なのね・・・。)
女性の声掛けなど聞こえていない様子の〝会長〟は、黙々と仕事をしている。困り果てている彼女の代わりに、私自身が声を掛けるからと彼女の肩を引くと・・・あっさり退いてくれた。
「会長?あの~お話が有って来たんですけど・・・」
「え?!フローラ?!!」
私の声に反応したのか急に顔を上げた殿下、もとい会長と目が遭い思わず後退りしてしまう。
「び、びっくりするじゃないですか・・・!急に顔を上げないで下さい!」
「いや、こちらの台詞だぞ・・・!急にフローラの声が聞こえたものだから・・・幻聴かと思ったぞ、一瞬。」
(何故・・・そこで顔を赤らめるんだ・・・!相変わらず何を考えているか分からない人ね・・・。)
「今日は婚約者としてでは無く・・・一生徒として学園に対して思う所が有り、参った所存ですので・・・!顔を赤らめる様な事は何も起きませんよ?会長・・・。」
まるで、今までと同じ様な調子で接して来る殿下に思わず釘を刺すと・・・
隣にお兄様を連れている事に気付いた殿下が顔をキリリと引き締め、モードを切り替えたかの如く私達二人を丁重にソファへと案内した。
「それで・・・?言いたい事とは何でしょう?」
殿下が向かいのソファへと腰掛けると、先程の扉を開けてくれた女性が紅茶を3つ運んで来てくれた。
一通り段取りが済んだ所で・・・私を見つめるお兄様に目で合図を送ると質問に答えた。
「単刀直入に申し上げますけれど・・・この学園は、腐っています!!」
「な・・・?!ちょ、フローラ!」
私の物言いにかなり焦った様子のお兄様は、思わず手に取った紅茶溢してしまいそうな勢いで動揺している。
殿下に至っては、驚いた様子では有るが・・・とりあえず姿勢を崩さすに私の言葉の続きを待っていた。
「だって・・・こんなに優しくて美しくて優秀なお兄様が、陰でコソコソと悪口を言われているのですよ?!!おかしいですよ!」
「や、やめてくれ・・・フローラ・・・!そんな、殿下の前で・・・」
私と殿下の間で視線を往復させながら、恥ずかしそうに俯いているお兄様の助言になど耳を貸さず私は更に続ける。
「大体、この学園の人間の大半が性別や見た目、学園では関係無い筈の爵位で人の価値を決め付けている節が有ります!私はそんな事で人の価値を推し量るのは間違っていると思いますわ!そして・・・生徒会長として貴方には学園をより良くする義務が有ります!だから会長としてさっさとこの腐った学園を何とかして下さいませ!」
言いたい事を一通り言い放った私は、ソファにどカッと深く座り直すと腕を組んで会長を真っ直ぐ見据えた。
隣に居るお兄様はと言うと・・・顔面蒼白で何だったら小さく震えている様にすら見えた。
「はは!流石、フローラだな。入学早々、生徒会室に物申しに来るとは・・・本当に君は俺を飽きさせないな。」
いつもの様子で私を笑い飛ばす様子の殿下に思わず、むすっと膨れて見せると「ごめんごめん」と手で謝られた。
「それって褒めているのですか・・・?馬鹿にしているのですか・・・?」
「勿論、愛を囁いている。」
(・・・さぶっ!!!)
殿下の言葉に悪寒を感じた私は、自分の体を思わず抱きしめて後退りしてしまう。
「・・・婚約者に対して失礼だぞ。まぁ良い、ここは学園だしな。この話の続きは次の逢瀬の時まで取っておくとしよう・・・」
殿下の黒い笑みを見て、完全にやってしまった・・・!と後悔した様子の私をお兄様が心配そうに見つめているので、とりあえず切り替えて顔を上げた。
するとお兄様が、少し迷いながらも意を決した様に口を開く。
「殿下・・・いや会長は・・・どう思われているのでしょうか?私の様に・・・隣国生まれの人間が、近くに居ることについて・・・」
それは多分、お兄様がずっと聞きたくて堪らなかった質問なのかもしれない。
思い返してみれば・・・いつも婚約者である殿下を優先する様にと私に言って来ていたのは、お兄様だ。
(お兄様はずっと・・・ご自分の生まれを負い目に感じていらっしゃったのかしら・・・?)
殿下の方をチラリと見ると、先程までのふざけた感じは一切なく真剣な表情でお兄様と向き合っていた。
「ヴァンス殿の事は・・・最愛のフローラの兄君で、頼もしいアナスタシア卿の跡取りで、我が国に欠かせない人間だと・・・思っています。それ以上でも以下でも有りませんよ?」
殿下の言葉に涙を浮かべているお兄様が感謝の言葉を伝えるよりも先に、殿下の100点満点な答えに興奮してしまっていた私は、思わず殿下の手を取りぎゅうっと握り締めてしまった。
「会長!いえ、殿下!!私の大好きなお兄様をきちんと評価して頂けて・・・嬉しいです!有難うございます!」
キラキラした瞳の私は、そこまで言ってしまった後にようやく気付いた。
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