18 / 66
#side ルークフォン ~初恋の人を求めて~
初恋の人は、もう何処にも居ない
しおりを挟む
「ルークフォン、お前の婚約者は・・・此度の戦争の功労者である、アナスタシア公爵の娘に決めた。齢もお前の二つ下らしいからな・・・丁度良かろう?」
「・・・・・・え?」
父上に謁見の間に呼ばれた俺は、きっと碌でもない話だろうなと予想していたが・・・放たれた言葉は意外なものだった。
(てっきり、兄上が婚約するものだと思っていたのに・・・何故だ?)
我が国では、王位継承権を持つ者は16歳迄に婚約者を持たなくてはいけない。兄上は、もう17歳目前のギリギリ16歳で婚約者が居ない。方や僕は、16歳目前のギリギリ15歳だ。
てっきり、国民からの支持も王城からの支持も厚い、公爵位を与えた英雄の娘を口説いている最中だと思っていたのだが・・・
すると・・・俺の心を読み取ったのか?と錯覚を覚える程のタイミングで、父上が更に言葉を続けた。
「アンドレイには本当に好いている者と婚約させたいのだ・・・。だが、王族として地位や権力の有る者との婚約、そして後継者が必要な事もお前なら分かるな?」
(父上は・・・俺を人間だと思っていないらしい・・・少なくとも心の有る人間だとは・・・な。)
俺は最早、怒りとか悲しいとかそういう感情を父上相手に持ち合わせておらず、頭を垂れながら小さく嘲笑してしまった。
「勿論です。」
(嫌という程分かっているさ・・・自分こそが、その忌々しい慣例の一番の被害者なのだからな。)
思わず拳に力が入ってしまう・・・。頭に血が上がってしまわないように、必死で自分を律し続けた。
「顔合わせは、三日後にアナスタシア公爵の屋敷で執り行う事となった。準備をしておきなさい。」
「かしこまりました。」
謁見の間の扉を閉じた俺は・・・思わず本音が零れ出してしまった。
「下らない。愛の無い結婚などしてたまるか・・・」
俺の様な人間は必ず俺で最後にすると、孤独に押しつぶされそうな夜の度に自分に誓ったのだ。
俺は絶対に結婚などしない・・・。跡継ぎは、兄上が好いた女性との間に作れば良い。他に後継者が居ないとあれば、うるさいお貴族様方も従うであろう・・・。
アナスタシア公爵令嬢には申し訳ないが・・・俺の野望の為、何れ婚約破棄を受け入れて貰う事になるだろうな・・・。
「お初にお目にかかりますわ、殿下。フローラ・アナスタシアと申します。本日はお越し頂きまして、有難うございます。」
俺は元々無表情な方で、歳と共に面の皮だけは厚くなっていった為、驚いた表情をする事も、声を上げる事もしなかったが・・・時間が止まってしまったかの様な錯覚を覚える程に・・・驚き固まってしまった。
(フローラ・・・!本当に・・・?本当に、彼女なのか・・・?)
「こちらこそ・・・私はルークフォン・ヴェストリアです。これから宜しく頼みますね、フローラ嬢。」
平然を装い、いつもの様に笑みを浮かべて咄嗟に対応する。俺が手を差し出すと、彼女はおずおずと優しく握り、慎ましく笑った。
あんなに短かった髪は、腰あたりまで伸ばされており、毎日手入をしているのかサラサラだった。
赤茶色の瞳にミルクティブラウンの髪・・・輪郭や面影は追い求め続けた彼女そのものなのに、何故か素直に受け入れる事が出来ない・・・。
何より・・・この態度に、言葉遣いに、違和感しか無い。彼女が笑いかけてくれていると言うのに、全くときめかなかった・・・。何故だ・・・?
「殿下と婚約を結べるなど・・・身に余る光栄で・・・私、昨晩は緊張して眠れませんでしたわ。」
フローラが俯きながら上目遣いで頬をピンク色に染めて俺を見ると、恥ずかしげに呟いた・・・普通ならば、可愛いと庇護欲を掻き立てられるであろうその仕草を見た途端、ゾワゾワゾワッと背中に悪寒が走った。
そして、握ったままの手に視線を落とすと、少し手の皮は厚いが以前の様なマメは無くなっており、そこら辺に転がっている令嬢と同じ手になってしまっていた。
その事実が・・・とにかく悲しくて、苦しかった。
本当は泣き出してしまいそうな程に、心は悲鳴をあげていたが、俺はそれを表に出せる程・・・もう彼女を信頼する事が出来なかった。
「殿下、どうぞ屋敷へお入り下さいませ。フローラが殿下の為にと、特製ハーブティーを用意しておりますので・・・」
「もぅ、お父様ったら!そんな事、わざわざ殿下に仰らないで下さいませっ!恥ずかしいですわ~」
(やめろ・・・やめてくれ・・・)
「それは、とても楽しみですね。是非、頂きましょう。」
(これ以上、俺の思い出を壊さないでくれ・・・)
「殿下は・・・その、ハーブティーはお好きですか?」
(大切な・・・特別な・・・俺を支えて来てくれた・・・)
「飲んだ事無いのですが・・・きっと、好きになると思いますよ?」
(温かい・・・フローラとの思い出が・・・)
「殿下のお口に合うと宜しいのですが・・・」
(言いたくない・・・!言うな!言うな!言うな!)
「とてもーーー。美味しいですよ、ありがとう・・・・・・フローラ嬢。」
その言葉はーーー、
君と当たり前の様に過ごしていたあの時・・・俺が言いたかった言葉だったんだ。
『フローラ、これ美味しいよ。ありがとう。』
そしてーーー、
君と再会出来たら・・・俺は迷わずこう言おうと決めていたんだ。
『フローラ、ずっと前から好きだった』
でも、もうこの世界の何処にも・・・俺が好きだったフローラは存在しない。
もう・・・探す事すら・・・出来なくなってしまった。
ただ・・・このハーブティーだけは、凄く懐かしい味がしたーーー。
「・・・・・・え?」
父上に謁見の間に呼ばれた俺は、きっと碌でもない話だろうなと予想していたが・・・放たれた言葉は意外なものだった。
(てっきり、兄上が婚約するものだと思っていたのに・・・何故だ?)
我が国では、王位継承権を持つ者は16歳迄に婚約者を持たなくてはいけない。兄上は、もう17歳目前のギリギリ16歳で婚約者が居ない。方や僕は、16歳目前のギリギリ15歳だ。
てっきり、国民からの支持も王城からの支持も厚い、公爵位を与えた英雄の娘を口説いている最中だと思っていたのだが・・・
すると・・・俺の心を読み取ったのか?と錯覚を覚える程のタイミングで、父上が更に言葉を続けた。
「アンドレイには本当に好いている者と婚約させたいのだ・・・。だが、王族として地位や権力の有る者との婚約、そして後継者が必要な事もお前なら分かるな?」
(父上は・・・俺を人間だと思っていないらしい・・・少なくとも心の有る人間だとは・・・な。)
俺は最早、怒りとか悲しいとかそういう感情を父上相手に持ち合わせておらず、頭を垂れながら小さく嘲笑してしまった。
「勿論です。」
(嫌という程分かっているさ・・・自分こそが、その忌々しい慣例の一番の被害者なのだからな。)
思わず拳に力が入ってしまう・・・。頭に血が上がってしまわないように、必死で自分を律し続けた。
「顔合わせは、三日後にアナスタシア公爵の屋敷で執り行う事となった。準備をしておきなさい。」
「かしこまりました。」
謁見の間の扉を閉じた俺は・・・思わず本音が零れ出してしまった。
「下らない。愛の無い結婚などしてたまるか・・・」
俺の様な人間は必ず俺で最後にすると、孤独に押しつぶされそうな夜の度に自分に誓ったのだ。
俺は絶対に結婚などしない・・・。跡継ぎは、兄上が好いた女性との間に作れば良い。他に後継者が居ないとあれば、うるさいお貴族様方も従うであろう・・・。
アナスタシア公爵令嬢には申し訳ないが・・・俺の野望の為、何れ婚約破棄を受け入れて貰う事になるだろうな・・・。
「お初にお目にかかりますわ、殿下。フローラ・アナスタシアと申します。本日はお越し頂きまして、有難うございます。」
俺は元々無表情な方で、歳と共に面の皮だけは厚くなっていった為、驚いた表情をする事も、声を上げる事もしなかったが・・・時間が止まってしまったかの様な錯覚を覚える程に・・・驚き固まってしまった。
(フローラ・・・!本当に・・・?本当に、彼女なのか・・・?)
「こちらこそ・・・私はルークフォン・ヴェストリアです。これから宜しく頼みますね、フローラ嬢。」
平然を装い、いつもの様に笑みを浮かべて咄嗟に対応する。俺が手を差し出すと、彼女はおずおずと優しく握り、慎ましく笑った。
あんなに短かった髪は、腰あたりまで伸ばされており、毎日手入をしているのかサラサラだった。
赤茶色の瞳にミルクティブラウンの髪・・・輪郭や面影は追い求め続けた彼女そのものなのに、何故か素直に受け入れる事が出来ない・・・。
何より・・・この態度に、言葉遣いに、違和感しか無い。彼女が笑いかけてくれていると言うのに、全くときめかなかった・・・。何故だ・・・?
「殿下と婚約を結べるなど・・・身に余る光栄で・・・私、昨晩は緊張して眠れませんでしたわ。」
フローラが俯きながら上目遣いで頬をピンク色に染めて俺を見ると、恥ずかしげに呟いた・・・普通ならば、可愛いと庇護欲を掻き立てられるであろうその仕草を見た途端、ゾワゾワゾワッと背中に悪寒が走った。
そして、握ったままの手に視線を落とすと、少し手の皮は厚いが以前の様なマメは無くなっており、そこら辺に転がっている令嬢と同じ手になってしまっていた。
その事実が・・・とにかく悲しくて、苦しかった。
本当は泣き出してしまいそうな程に、心は悲鳴をあげていたが、俺はそれを表に出せる程・・・もう彼女を信頼する事が出来なかった。
「殿下、どうぞ屋敷へお入り下さいませ。フローラが殿下の為にと、特製ハーブティーを用意しておりますので・・・」
「もぅ、お父様ったら!そんな事、わざわざ殿下に仰らないで下さいませっ!恥ずかしいですわ~」
(やめろ・・・やめてくれ・・・)
「それは、とても楽しみですね。是非、頂きましょう。」
(これ以上、俺の思い出を壊さないでくれ・・・)
「殿下は・・・その、ハーブティーはお好きですか?」
(大切な・・・特別な・・・俺を支えて来てくれた・・・)
「飲んだ事無いのですが・・・きっと、好きになると思いますよ?」
(温かい・・・フローラとの思い出が・・・)
「殿下のお口に合うと宜しいのですが・・・」
(言いたくない・・・!言うな!言うな!言うな!)
「とてもーーー。美味しいですよ、ありがとう・・・・・・フローラ嬢。」
その言葉はーーー、
君と当たり前の様に過ごしていたあの時・・・俺が言いたかった言葉だったんだ。
『フローラ、これ美味しいよ。ありがとう。』
そしてーーー、
君と再会出来たら・・・俺は迷わずこう言おうと決めていたんだ。
『フローラ、ずっと前から好きだった』
でも、もうこの世界の何処にも・・・俺が好きだったフローラは存在しない。
もう・・・探す事すら・・・出来なくなってしまった。
ただ・・・このハーブティーだけは、凄く懐かしい味がしたーーー。
17
お気に入りに追加
3,404
あなたにおすすめの小説
【完結】あなたに従う必要がないのに、命令なんて聞くわけないでしょう。当然でしょう?
チカフジ ユキ
恋愛
伯爵令嬢のアメルは、公爵令嬢である従姉のリディアに使用人のように扱われていた。
そんなアメルは、様々な理由から十五の頃に海を挟んだ大国アーバント帝国へ留学する。
約一年後、リディアから離れ友人にも恵まれ日々を暮らしていたそこに、従姉が留学してくると知る。
しかし、アメルは以前とは違いリディアに対して毅然と立ち向かう。
もう、リディアに従う必要がどこにもなかったから。
リディアは知らなかった。
自分の立場が自国でどうなっているのかを。
運命は、手に入れられなかったけれど
夕立悠理
恋愛
竜王の運命。……それは、アドルリア王国の王である竜王の唯一の妃を指す。
けれど、ラファリアは、運命に選ばれなかった。選ばれたのはラファリアの友人のマーガレットだった。
愛し合う竜王レガレスとマーガレットをこれ以上見ていられなくなったラファリアは、城を出ることにする。
すると、なぜか、王国に繁栄をもたらす聖花の一部が枯れてしまい、竜王レガレスにも不調が出始めーー。
一方、城をでて開放感でいっぱいのラファリアは、初めて酒場でお酒を飲み、そこで謎の青年と出会う。
運命を間違えてしまった竜王レガレスと、腕のいい花奏師のラファリアと、謎の青年(魔王)との、運命をめぐる恋の話。
※カクヨム様でも連載しています。
そちらが一番早いです。
未来の記憶を手に入れて~婚約破棄された瞬間に未来を知った私は、受け入れて逃げ出したのだが~
キョウキョウ
恋愛
リムピンゼル公爵家の令嬢であるコルネリアはある日突然、ヘルベルト王子から婚約を破棄すると告げられた。
その瞬間にコルネリアは、処刑されてしまった数々の未来を見る。
絶対に死にたくないと思った彼女は、婚約破棄を快く受け入れた。
今後は彼らに目をつけられないよう、田舎に引きこもって地味に暮らすことを決意する。
それなのに、王子の周りに居た人達が次々と私に求婚してきた!?
※カクヨムにも掲載中の作品です。
婚約破棄をされ、父に追放まで言われた私は、むしろ喜んで出て行きます! ~家を出る時に一緒に来てくれた執事の溺愛が始まりました~
ゆうき@初書籍化作品発売中
恋愛
男爵家の次女として生まれたシエルは、姉と妹に比べて平凡だからという理由で、父親や姉妹からバカにされ、虐げられる生活を送っていた。
そんな生活に嫌気がさしたシエルは、とある計画を考えつく。それは、婚約者に社交界で婚約を破棄してもらい、その責任を取って家を出て、自由を手に入れるというものだった。
シエルの専属の執事であるラルフや、幼い頃から実の兄のように親しくしてくれていた婚約者の協力の元、シエルは無事に婚約を破棄され、父親に見捨てられて家を出ることになった。
ラルフも一緒に来てくれることとなり、これで念願の自由を手に入れたシエル。しかし、シエルにはどこにも行くあてはなかった。
それをラルフに伝えると、隣の国にあるラルフの故郷に行こうと提案される。
それを承諾したシエルは、これからの自由で幸せな日々を手に入れられると胸を躍らせていたが、その幸せは家族によって邪魔をされてしまう。
なんと、家族はシエルとラルフを広大な湖に捨て、自らの手を汚さずに二人を亡き者にしようとしていた――
☆誤字脱字が多いですが、見つけ次第直しますのでご了承ください☆
☆全文字はだいたい14万文字になっています☆
☆完結まで予約済みなので、エタることはありません!☆
【完結】「冤罪で処刑された公爵令嬢はタイムリープする〜二度目の人生は殺(や)られる前に殺(や)ってやりますわ!」
まほりろ
恋愛
【完結しました】
アリシア・フォスターは第一王子の婚約者だった。
だが卒業パーティで第一王子とその仲間たちに冤罪をかけられ、弁解することも許されず、その場で斬り殺されてしまう。
気がつけば、アリシアは十歳の誕生日までタイムリープしていた。
「二度目の人生は|殺《や》られる前に|殺《や》ってやりますわ!」
アリシアはやり直す前の人生で、自分を殺した者たちへの復讐を誓う。
敵は第一王子のスタン、男爵令嬢のゲレ、義弟(いとこ)のルーウィー、騎士団長の息子のジェイ、宰相の息子のカスパーの五人。
アリシアは父親と信頼のおけるメイドを仲間につけ、一人づつ確実に報復していく。
前回の人生では出会うことのなかった隣国の第三皇子に好意を持たれ……。
☆
※ざまぁ有り(死ネタ有り)
※虫を潰すように、さくさく敵を抹殺していきます。
※ヒロインのパパは味方です。
※他サイトにも投稿しています。
「Copyright(C)2021-九頭竜坂まほろん」
表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
※本編1〜14話。タイムリープしたヒロインが、タイムリープする前の人生で自分を殺した相手を、ぷちぷちと潰していく話です。
※番外編15〜26話。タイムリープする前の時間軸で、娘を殺された公爵が、娘を殺した相手を捻り潰していく話です。
2022年3月8日HOTランキング7位! ありがとうございます!
【完結】妹が旦那様とキスしていたのを見たのが十日前
地鶏
恋愛
私、アリシア・ブルームは順風満帆な人生を送っていた。
あの日、私の婚約者であるライア様と私の妹が濃厚なキスを交わすあの場面をみるまでは……。
私の気持ちを裏切り、弄んだ二人を、私は許さない。
アリシア・ブルームの復讐が始まる。
誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。
幼馴染が熱を出した? どうせいつもの仮病でしょう?【完結】
小平ニコ
恋愛
「パメラが熱を出したから、今日は約束の場所に行けなくなった。今度埋め合わせするから許してくれ」
ジョセフはそう言って、婚約者である私とのデートをキャンセルした。……いったいこれで、何度目のドタキャンだろう。彼はいつも、体の弱い幼馴染――パメラを優先し、私をないがしろにする。『埋め合わせするから』というのも、口だけだ。
きっと私のことを、適当に謝っておけば何でも許してくれる、甘い女だと思っているのだろう。
いい加減うんざりした私は、ジョセフとの婚約関係を終わらせることにした。パメラは嬉しそうに笑っていたが、ジョセフは大いにショックを受けている。……それはそうでしょうね。私のお父様からの援助がなければ、ジョセフの家は、貴族らしい、ぜいたくな暮らしを続けることはできないのだから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる