51 / 80
4章 求められる英雄、欲しない英雄
48話 不穏な空気を感じると男は耳を傾けた
しおりを挟む
女は怖い。
俺はベッドで目を覚まして最初に脳裏に過ったのはその言葉であった。
左右で寝ているターニャとパメラのお肌がツヤツヤでプルプルなのに比べて、俺はカリカリだクポーと叫びたいぐらいだ。
昨日、ラフィ達が満足するまで搾取された俺は、ふらつきながら家に帰るとターニャとパメラが俺の首筋にあったキスマークに気付き、据わった目になって裸にされて至るところにあったキスマークをチェックされた。
俺は頑張った。
ラフィは来るかもしれないと思っていたが、まさかミサとセアンまでやってくるとは思ってなかった事と3人を傷つけないように策を練ったが間に合わなかった事を必死に弁明した。
2人もラフィの事は分かっていたし、仕方がないと言いながらも俺のパンツを下ろそうとしてくるので俺も必死に抵抗した。
む、無理だから、代官様、これ以上持って行かれた今年の冬は越せねぇーだよ!
俺は手篭めにされる乙女のように涙目で「どちて?」とシナを作る。
「理解をするのと納得は別物」
「だから、ウチ達はその倍を要求する」
ターニャの恐ろしい言葉に絶望を感じているとパメラも恥ずかしそうに咳払いをして頷くが、本当に恥じらいがあるなら、せめてパンツから手を離してからにしてぇ!
遂にパンツを脱がされてベッドに転がされた俺をアヤシイ笑みを浮かべる2人がにじり寄る。
「大丈夫、私達に任せておけば問題ない」
「そう、シーナは天井の沁みの数を数えてたら、気付いたら終わってる」
それ強姦する男が女に言うセリフと定番だからっ!!
俺はそうして襲われた訳だが、任せておけばいいとか、寝てればいいみたいな事を言ってたのに「ぺろぺろして」だとか「もみもみして」だとか要求がふんだんにあったんですが?
結局のところ、倍ではなかった。3倍は固かったね!
確かに2倍とは言ってなかったかもしれないけど、あの場合、2倍って言う意味じゃねぇ?
プリットに来る前に調子にのって取った精力増大……あってマジで良かった。
女の子って普段澄ました顔をしてるけど、こんなに性欲あったのね。俺、ちょっと……かなり幻想見てたかも……
でも、求められて嬉しいし、気持ちもいいし、エッチな女の子は大好きです。もっと嫁さんも欲しいが、果たして俺の体は持つのか? と俺は悩んでいる。
ピコン
むむむ? この音は……
『性技』
おおお! そう言えばラフィ達が持ってたな……そうじゃないか、何も実弾勝負に拘らなくてもいいし、実弾勝負ばかりしてたらターニャ達にも飽きられるかもしれない。
うむ、これは良いスキルだ!
速攻でLv10振りして俺は満足して頷く。
やっぱり持つべきものは友、まさにスキル製造機君だよ!
俺とスキル製造機君との友情は永遠だねっ、キラッ
しかもエロ魔法のように調整が利かせるのが難しいという事はないはずだ。これで女の子、ターニャ達に翻弄されずに主導権を取れるはずである。
ふっふふ、と色々と失いかけていた自信とエロパワーの復活がグングンと感じる。
まだ陽も上がってないが、ターニャ達との一戦? で汗などで汚れたので井戸で体を洗いに行く為に2人を起こさないようにベッドから抜け出す。
まだ暗い中、濡らしたタオルで体を拭いながら、最近、ステータスチェックをしてなかったので確認して見る事にした。
椎名 (シーナ) Lv87
HP:456000/456000
MP:1075000/1075000
ちから:49600 みのまもり:28300
きようさ:350 すばやさ:60100
かしこさ:40 うん:3
スキルポイント:360
スキル:剣術Lv5 盾術Lv5 身体強化Lv5
雷魔法Lv3 回復魔法Lv5 探査Lv3
威圧Lv5 魔力制御Lv10 全状態異常耐性Lv10
薬品調合Lv4 風魔法Lv1 結界術Lv10
土魔法Lv10 火魔法Lv4
共通語 解体 危険探知
HP自動回復 MP自動回復 挑発
御者Lv3 性技Lv10
魔法剣 エロ魔法
巨根 精力増大 スキルポイント取得倍増
成長促進 鑑定 スキルポイント管理
血の盟約者:スイ
ふむ、やっぱりレベルは上がってないか。それなりに戦ってはいるが雑魚ばかりだし、いくら成長促進があってもそんな簡単には上がらないよな。
そこそこスキルは取得したのは自覚してたし……薬品調合が密かに上がってる。これはスキル製造機の力を借りずに努力して上げたので1しか上がってないが嬉しさが違う。
ポーション作りに勤しんでるのがいいんだろうな……
覚えたスキルもスキルポイントに頼らないで、なるべく頑張ってみようかな……成長促進があるんだから、普通の人より上がり易いんだし、緊急の場合以外、あまり頼らない方がいい気がしてきた。
頑張るぞぉ! と気合いを入れているとトイレから出てきたスイと鉢合わせする。
上半身裸の俺を見て、真っ赤になって声を上げようとするが両手を振って告げる。
「待て待て、パンツは履いてるからっ!」
「あ、そ、そう……ですね」
確認するように足下から頭まで見るスイであったが、目を細めて瞳を赤く輝かし、風が吹いてないのに長い白髪が揺れる。
「キスマーク、さすが先輩、おモテになられますね?」
「ちょ、ちょっと話をしようじゃないか、スイさん」
一歩前に行くと二歩下がられる。
あかん、これじゃ全裸を見られたほうがマシだった気がする。このままでは先輩としての威厳がぁぁ!
「す、スイさん?」
「先輩のえっち、すけべ、おたんこなす!」
手を伸ばしかけたところでスイに言い放たれた言葉で俺は真っ白になる。
終わったやん……先輩としての威厳も、僅かに期待してたお兄ちゃんと呼ばれる夢も……
俺はその場で膝を付いてシクシクと嗚咽を漏らした。
そして、早朝訓練中もスイの機嫌は悪いままで話しかけようとするとソッポ向かれて俺は心で号泣した。
それから数日が経った。
マロン達もおとなしく薬草採取を昼までこなし、それを俺がポーションなどを作ってたりしていた。
時折、ラフィ、ミサ、セアンの3人に明るい内に俺の態度を都合良く解釈して物影に連れ込まれそうになったりと楽しくも毎日を過ごしていた。
3人の好感度もグングンと上がっており、こんな感じだ。
ラフィ Lv3
HP:21 MP:5
ちから:7 みのまもり:9
きようさ:6 すばやさ:5
かしこさ:7 うん:16
スキル:生活魔法Lv1 性技Lv2
好感度:301
ミサ Lv2
HP:18 MP:6
ちから:6 みのまもり:4
きようさ:4 すばやさ:5
かしこさ:9 うん:36
スキル:生活魔法Lv1 性技Lv1
好感度:211
セアン Lv3
HP:24 MP:4
ちから:10 みのまもり:6
きようさ:6 すばやさ:7
かしこさ:6 うん:16
スキル:性技Lv2
好感度:187
愛されてるのは悪い気はしないが、毎日、俺が風呂に入ってる時にやってくるのはどうだろうとは思う。
結局、俺は風呂にゆっくり浸かった事がない。
えっ? ターニャとパメラの好感度はって?
500を超えたらしく、表記が『計測不能』になってたよ。
正直、徹底的に好かれるとデレデレに愛されると思ってたけど、人それぞれだとだと思わされた。
デレデレになるタイプはどうやらラフィとミサのようだ。暇があれば俺にひっついている。
セアンはちょっと意地悪されてキスされるような対応が嬉しいらしい。
ターニャは俺が傍にいると感じて思えるだけで満たされると最近良く言うようになったし、パメラは俺を愛している事を受け止められてるだけで女として満足だと言っていた。
ハーレムの内側の子と仲良くしてても混ぜて欲しいとは思っても怒りは沸かないらしい。
ターニャもだいぶ落ち着いたようだが、おそらく外側が相手の場合はヤバいかもしれない。
だが、えっちだけは別物のようで、しっかりと要求されていたりする。
そして、家で受け入れていた病人の最後の肺炎になりかけだった女性の完治が確認された。
最後の触診の時にわざと胸のポッチに指を掠らせて、アンという声を頂いた。30歳を過ぎているようだが、まだまだ女のとして魅力はあったのでちょっと悪戯心に火が点いた。
「おばさんをからかわないの!」
「いえいえ、まだまだお美しいですよ。また体調がおかしいと感じたらいつでも来てください」
手を振って見送り終わって家に戻ると絶対零度の視線を向ける少女が2人いた。
スイとキャウである。
ターニャが落ち着いたかと思えば、女の子に悪戯した時のターニャのような視線をぶつけるようになってきたような気がする。
プイっと怒ってます、という態度をして去っていく2人を見つめながら俺は思い付く。
あっ、そう言えばスイとはキスしたから好感度が分かるんじゃ?
スイの好感度でキャウの俺に対する好感度が大まかに分かるはずだ。
スイ Lv2 ハーフヴァンパイア
HP:250 MP:490
ちから:40 みのまもり:50
きようさ:50 すばやさ:120
かしこさ:60 うん:15
スキル:剣術Lv1 盾術Lv1 身体強化Lv0
氷魔法Lv1
御者Lv1
礼儀作法 吸血
(覚醒時)
魔眼 再生 飛行
血の盟約者:シーナ
好感度:148
ぐは、もう男として意識を完全にされてるレベルだ……
ちょっと待て、スイは流れでキスとかはしたから分かるが、どうしてキャウも?
何か変化があるのかもしれない、見てみるか。
キャウ Lv2
HP:11 MP:44
ちから:3 みのまもり:9
きようさ:5 すばやさ:4
かしこさ:27 うん:136
スキル:杖術Lv1 回復魔法Lv1 身体強化Lv0
天運 結界介入 五分五分
むむむ、レベルが上がってるな、成長促進とかない割にMPの伸びがいいぞ?
なんだありゃ、見慣れないスキルが2つ増えてる。
それに意識を向ける。
『結界介入』
どんな結界でも僅かなりと影響を及ぼす事が出来る。しかし、成功率は1%未満。
なんだこりゃ、微妙に使えないスキルを取得したんだな……何の為に? 努力しないと発現しないはずなんだがな。
『五分五分』
どんなに分の悪い確率でも50%の成功率に引き上げる。
……待てよ? 1%しか成功しない結界介入に五分五分で50%に引き上げ、天運が絡んだら?
まさか!
俺は寝室の結界の状態を調べると僅かに歪みがあるのを発見する。
去って行こうとするキャウを追いかけて肩を掴まえる。
「なんですかぁ~えっちな先輩なんか相手にしてられませんよぉ」
「キャウ、俺達の部屋の盗み聞きはどれくらいのペースでしてるんだ?」
そう言われた瞬間、効果てきめんで顔を真っ赤にして口を両手で隠すキャウ。
その隣にいたスイも同じ顔をしている。
お前も共犯か!
スイとキャウが向かう先にいたマロン、エル、レティアの3人も同じように驚いていた。
「お前等、全員で盗み聞きしてたんかい!」
5人はピューと音が聞こえそうな逃げっぷりで俺の前から消える。
まったくヤレヤレであった。
スラムの子達の寮の建設もそれなりに進み、農場も順調に作付も進んでいた。
寮が終わったら、味噌などを作る建物の建設も始まるな~と思う俺は在庫に余裕が出来たポーションを持って、チロの店へと向かっていた。
チロが店の置き場の一部を解放して置いてくれると言ってくれたからだ。
メインストリートを歩いてチロの店に向かっている最中に露店してる者と客らしい2人の会話が耳に入る。
「なぁ、面白い話はないかい?」
「そうだな、噂話でいいならちょっと怖い話ならあるぜ?」
どんなのどんなの? と急かす客に勿体ぶるように露店の店主が話をするのを気になって足を止めに俺も聞き耳を立てる。
「プリットから数キロ先にあるダワンダ山脈があるのは知ってるかい?」
「そりゃ、ここからでも見える山脈を知らないってのはないだろ?」
馬鹿にするな、と言いたげに言う客に笑って誤魔化す露店の店主。
ごめん、俺、知らなかった、と心の中で詫びる。
「そのダワンダ山脈なんだが、実はワイバーンの群れの住処があるんだが」
「ワイバーンの話は知らなかったね、前からあるんだろ? それがどう怖いんだ?」
今度は客も知らなかったようで、露店の店主は、まあ待てと言いたげに客に両手を広げて落ち着かせる。
「そのワイバーンの群れの住処に王国がちょっかいをかけるって噂があるのよ」
「マジかよ……王国にワイバーンの群れを倒せる軍事力あるのかよ?」
「ないんじゃないか? さすがに全兵力をぶつければ問題ないだろうが、そんな事したら隣国に侵略されて終わる事は国が馬鹿でも分かってるだろ?」
だよな~と客が言うと露店の店主も「どうせ酔客の噂話だろうさ」と笑う。
話が終わったのを見計らってチロの店へと足を進めながら考えていた。
もしもだ、中途半端の戦力でワイバーンの群れに手を出したらどうなる?
怒り狂ったワイバーンが手を出した首都に飛びだって王様をヤる? いや、その可能性より、近くにあるここが危ないんじゃないだろうか。
王国で思い出したがここ2~3日、トリルヴィの姿が見てない事を思い出す。
どうにも嫌な予感がする。
「ちょっと調べてみるか……」
自分でも調べるが、ティテールの事を調べている情報屋に会って進捗状況を聞くついでに調べて貰うか……
まずは人の出入りが多くて、情報が入り易い冒険者ギルドとチロの店に行ってみよう。
俺はチロの店に急ぎ足で向かった。
俺はベッドで目を覚まして最初に脳裏に過ったのはその言葉であった。
左右で寝ているターニャとパメラのお肌がツヤツヤでプルプルなのに比べて、俺はカリカリだクポーと叫びたいぐらいだ。
昨日、ラフィ達が満足するまで搾取された俺は、ふらつきながら家に帰るとターニャとパメラが俺の首筋にあったキスマークに気付き、据わった目になって裸にされて至るところにあったキスマークをチェックされた。
俺は頑張った。
ラフィは来るかもしれないと思っていたが、まさかミサとセアンまでやってくるとは思ってなかった事と3人を傷つけないように策を練ったが間に合わなかった事を必死に弁明した。
2人もラフィの事は分かっていたし、仕方がないと言いながらも俺のパンツを下ろそうとしてくるので俺も必死に抵抗した。
む、無理だから、代官様、これ以上持って行かれた今年の冬は越せねぇーだよ!
俺は手篭めにされる乙女のように涙目で「どちて?」とシナを作る。
「理解をするのと納得は別物」
「だから、ウチ達はその倍を要求する」
ターニャの恐ろしい言葉に絶望を感じているとパメラも恥ずかしそうに咳払いをして頷くが、本当に恥じらいがあるなら、せめてパンツから手を離してからにしてぇ!
遂にパンツを脱がされてベッドに転がされた俺をアヤシイ笑みを浮かべる2人がにじり寄る。
「大丈夫、私達に任せておけば問題ない」
「そう、シーナは天井の沁みの数を数えてたら、気付いたら終わってる」
それ強姦する男が女に言うセリフと定番だからっ!!
俺はそうして襲われた訳だが、任せておけばいいとか、寝てればいいみたいな事を言ってたのに「ぺろぺろして」だとか「もみもみして」だとか要求がふんだんにあったんですが?
結局のところ、倍ではなかった。3倍は固かったね!
確かに2倍とは言ってなかったかもしれないけど、あの場合、2倍って言う意味じゃねぇ?
プリットに来る前に調子にのって取った精力増大……あってマジで良かった。
女の子って普段澄ました顔をしてるけど、こんなに性欲あったのね。俺、ちょっと……かなり幻想見てたかも……
でも、求められて嬉しいし、気持ちもいいし、エッチな女の子は大好きです。もっと嫁さんも欲しいが、果たして俺の体は持つのか? と俺は悩んでいる。
ピコン
むむむ? この音は……
『性技』
おおお! そう言えばラフィ達が持ってたな……そうじゃないか、何も実弾勝負に拘らなくてもいいし、実弾勝負ばかりしてたらターニャ達にも飽きられるかもしれない。
うむ、これは良いスキルだ!
速攻でLv10振りして俺は満足して頷く。
やっぱり持つべきものは友、まさにスキル製造機君だよ!
俺とスキル製造機君との友情は永遠だねっ、キラッ
しかもエロ魔法のように調整が利かせるのが難しいという事はないはずだ。これで女の子、ターニャ達に翻弄されずに主導権を取れるはずである。
ふっふふ、と色々と失いかけていた自信とエロパワーの復活がグングンと感じる。
まだ陽も上がってないが、ターニャ達との一戦? で汗などで汚れたので井戸で体を洗いに行く為に2人を起こさないようにベッドから抜け出す。
まだ暗い中、濡らしたタオルで体を拭いながら、最近、ステータスチェックをしてなかったので確認して見る事にした。
椎名 (シーナ) Lv87
HP:456000/456000
MP:1075000/1075000
ちから:49600 みのまもり:28300
きようさ:350 すばやさ:60100
かしこさ:40 うん:3
スキルポイント:360
スキル:剣術Lv5 盾術Lv5 身体強化Lv5
雷魔法Lv3 回復魔法Lv5 探査Lv3
威圧Lv5 魔力制御Lv10 全状態異常耐性Lv10
薬品調合Lv4 風魔法Lv1 結界術Lv10
土魔法Lv10 火魔法Lv4
共通語 解体 危険探知
HP自動回復 MP自動回復 挑発
御者Lv3 性技Lv10
魔法剣 エロ魔法
巨根 精力増大 スキルポイント取得倍増
成長促進 鑑定 スキルポイント管理
血の盟約者:スイ
ふむ、やっぱりレベルは上がってないか。それなりに戦ってはいるが雑魚ばかりだし、いくら成長促進があってもそんな簡単には上がらないよな。
そこそこスキルは取得したのは自覚してたし……薬品調合が密かに上がってる。これはスキル製造機の力を借りずに努力して上げたので1しか上がってないが嬉しさが違う。
ポーション作りに勤しんでるのがいいんだろうな……
覚えたスキルもスキルポイントに頼らないで、なるべく頑張ってみようかな……成長促進があるんだから、普通の人より上がり易いんだし、緊急の場合以外、あまり頼らない方がいい気がしてきた。
頑張るぞぉ! と気合いを入れているとトイレから出てきたスイと鉢合わせする。
上半身裸の俺を見て、真っ赤になって声を上げようとするが両手を振って告げる。
「待て待て、パンツは履いてるからっ!」
「あ、そ、そう……ですね」
確認するように足下から頭まで見るスイであったが、目を細めて瞳を赤く輝かし、風が吹いてないのに長い白髪が揺れる。
「キスマーク、さすが先輩、おモテになられますね?」
「ちょ、ちょっと話をしようじゃないか、スイさん」
一歩前に行くと二歩下がられる。
あかん、これじゃ全裸を見られたほうがマシだった気がする。このままでは先輩としての威厳がぁぁ!
「す、スイさん?」
「先輩のえっち、すけべ、おたんこなす!」
手を伸ばしかけたところでスイに言い放たれた言葉で俺は真っ白になる。
終わったやん……先輩としての威厳も、僅かに期待してたお兄ちゃんと呼ばれる夢も……
俺はその場で膝を付いてシクシクと嗚咽を漏らした。
そして、早朝訓練中もスイの機嫌は悪いままで話しかけようとするとソッポ向かれて俺は心で号泣した。
それから数日が経った。
マロン達もおとなしく薬草採取を昼までこなし、それを俺がポーションなどを作ってたりしていた。
時折、ラフィ、ミサ、セアンの3人に明るい内に俺の態度を都合良く解釈して物影に連れ込まれそうになったりと楽しくも毎日を過ごしていた。
3人の好感度もグングンと上がっており、こんな感じだ。
ラフィ Lv3
HP:21 MP:5
ちから:7 みのまもり:9
きようさ:6 すばやさ:5
かしこさ:7 うん:16
スキル:生活魔法Lv1 性技Lv2
好感度:301
ミサ Lv2
HP:18 MP:6
ちから:6 みのまもり:4
きようさ:4 すばやさ:5
かしこさ:9 うん:36
スキル:生活魔法Lv1 性技Lv1
好感度:211
セアン Lv3
HP:24 MP:4
ちから:10 みのまもり:6
きようさ:6 すばやさ:7
かしこさ:6 うん:16
スキル:性技Lv2
好感度:187
愛されてるのは悪い気はしないが、毎日、俺が風呂に入ってる時にやってくるのはどうだろうとは思う。
結局、俺は風呂にゆっくり浸かった事がない。
えっ? ターニャとパメラの好感度はって?
500を超えたらしく、表記が『計測不能』になってたよ。
正直、徹底的に好かれるとデレデレに愛されると思ってたけど、人それぞれだとだと思わされた。
デレデレになるタイプはどうやらラフィとミサのようだ。暇があれば俺にひっついている。
セアンはちょっと意地悪されてキスされるような対応が嬉しいらしい。
ターニャは俺が傍にいると感じて思えるだけで満たされると最近良く言うようになったし、パメラは俺を愛している事を受け止められてるだけで女として満足だと言っていた。
ハーレムの内側の子と仲良くしてても混ぜて欲しいとは思っても怒りは沸かないらしい。
ターニャもだいぶ落ち着いたようだが、おそらく外側が相手の場合はヤバいかもしれない。
だが、えっちだけは別物のようで、しっかりと要求されていたりする。
そして、家で受け入れていた病人の最後の肺炎になりかけだった女性の完治が確認された。
最後の触診の時にわざと胸のポッチに指を掠らせて、アンという声を頂いた。30歳を過ぎているようだが、まだまだ女のとして魅力はあったのでちょっと悪戯心に火が点いた。
「おばさんをからかわないの!」
「いえいえ、まだまだお美しいですよ。また体調がおかしいと感じたらいつでも来てください」
手を振って見送り終わって家に戻ると絶対零度の視線を向ける少女が2人いた。
スイとキャウである。
ターニャが落ち着いたかと思えば、女の子に悪戯した時のターニャのような視線をぶつけるようになってきたような気がする。
プイっと怒ってます、という態度をして去っていく2人を見つめながら俺は思い付く。
あっ、そう言えばスイとはキスしたから好感度が分かるんじゃ?
スイの好感度でキャウの俺に対する好感度が大まかに分かるはずだ。
スイ Lv2 ハーフヴァンパイア
HP:250 MP:490
ちから:40 みのまもり:50
きようさ:50 すばやさ:120
かしこさ:60 うん:15
スキル:剣術Lv1 盾術Lv1 身体強化Lv0
氷魔法Lv1
御者Lv1
礼儀作法 吸血
(覚醒時)
魔眼 再生 飛行
血の盟約者:シーナ
好感度:148
ぐは、もう男として意識を完全にされてるレベルだ……
ちょっと待て、スイは流れでキスとかはしたから分かるが、どうしてキャウも?
何か変化があるのかもしれない、見てみるか。
キャウ Lv2
HP:11 MP:44
ちから:3 みのまもり:9
きようさ:5 すばやさ:4
かしこさ:27 うん:136
スキル:杖術Lv1 回復魔法Lv1 身体強化Lv0
天運 結界介入 五分五分
むむむ、レベルが上がってるな、成長促進とかない割にMPの伸びがいいぞ?
なんだありゃ、見慣れないスキルが2つ増えてる。
それに意識を向ける。
『結界介入』
どんな結界でも僅かなりと影響を及ぼす事が出来る。しかし、成功率は1%未満。
なんだこりゃ、微妙に使えないスキルを取得したんだな……何の為に? 努力しないと発現しないはずなんだがな。
『五分五分』
どんなに分の悪い確率でも50%の成功率に引き上げる。
……待てよ? 1%しか成功しない結界介入に五分五分で50%に引き上げ、天運が絡んだら?
まさか!
俺は寝室の結界の状態を調べると僅かに歪みがあるのを発見する。
去って行こうとするキャウを追いかけて肩を掴まえる。
「なんですかぁ~えっちな先輩なんか相手にしてられませんよぉ」
「キャウ、俺達の部屋の盗み聞きはどれくらいのペースでしてるんだ?」
そう言われた瞬間、効果てきめんで顔を真っ赤にして口を両手で隠すキャウ。
その隣にいたスイも同じ顔をしている。
お前も共犯か!
スイとキャウが向かう先にいたマロン、エル、レティアの3人も同じように驚いていた。
「お前等、全員で盗み聞きしてたんかい!」
5人はピューと音が聞こえそうな逃げっぷりで俺の前から消える。
まったくヤレヤレであった。
スラムの子達の寮の建設もそれなりに進み、農場も順調に作付も進んでいた。
寮が終わったら、味噌などを作る建物の建設も始まるな~と思う俺は在庫に余裕が出来たポーションを持って、チロの店へと向かっていた。
チロが店の置き場の一部を解放して置いてくれると言ってくれたからだ。
メインストリートを歩いてチロの店に向かっている最中に露店してる者と客らしい2人の会話が耳に入る。
「なぁ、面白い話はないかい?」
「そうだな、噂話でいいならちょっと怖い話ならあるぜ?」
どんなのどんなの? と急かす客に勿体ぶるように露店の店主が話をするのを気になって足を止めに俺も聞き耳を立てる。
「プリットから数キロ先にあるダワンダ山脈があるのは知ってるかい?」
「そりゃ、ここからでも見える山脈を知らないってのはないだろ?」
馬鹿にするな、と言いたげに言う客に笑って誤魔化す露店の店主。
ごめん、俺、知らなかった、と心の中で詫びる。
「そのダワンダ山脈なんだが、実はワイバーンの群れの住処があるんだが」
「ワイバーンの話は知らなかったね、前からあるんだろ? それがどう怖いんだ?」
今度は客も知らなかったようで、露店の店主は、まあ待てと言いたげに客に両手を広げて落ち着かせる。
「そのワイバーンの群れの住処に王国がちょっかいをかけるって噂があるのよ」
「マジかよ……王国にワイバーンの群れを倒せる軍事力あるのかよ?」
「ないんじゃないか? さすがに全兵力をぶつければ問題ないだろうが、そんな事したら隣国に侵略されて終わる事は国が馬鹿でも分かってるだろ?」
だよな~と客が言うと露店の店主も「どうせ酔客の噂話だろうさ」と笑う。
話が終わったのを見計らってチロの店へと足を進めながら考えていた。
もしもだ、中途半端の戦力でワイバーンの群れに手を出したらどうなる?
怒り狂ったワイバーンが手を出した首都に飛びだって王様をヤる? いや、その可能性より、近くにあるここが危ないんじゃないだろうか。
王国で思い出したがここ2~3日、トリルヴィの姿が見てない事を思い出す。
どうにも嫌な予感がする。
「ちょっと調べてみるか……」
自分でも調べるが、ティテールの事を調べている情報屋に会って進捗状況を聞くついでに調べて貰うか……
まずは人の出入りが多くて、情報が入り易い冒険者ギルドとチロの店に行ってみよう。
俺はチロの店に急ぎ足で向かった。
11
お気に入りに追加
2,739
あなたにおすすめの小説
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
俺のスキル『性行為』がセクハラ扱いで追放されたけど、実は最強の魔王対策でした
宮富タマジ
ファンタジー
アレンのスキルはたった一つ、『性行為』。職業は『愛の剣士』で、勇者パーティの中で唯一の男性だった。
聖都ラヴィリス王国から新たな魔王討伐任務を受けたパーティは、女勇者イリスを中心に数々の魔物を倒してきたが、突如アレンのスキル名が原因で不穏な空気が漂い始める。
「アレン、あなたのスキル『性行為』について、少し話したいことがあるの」
イリスが深刻な顔で切り出した。イリスはラベンダー色の髪を少し掻き上げ、他の女性メンバーに視線を向ける。彼女たちは皆、少なからず戸惑った表情を浮かべていた。
「……どうしたんだ、イリス?」
アレンのスキル『性行為』は、女性の愛の力を取り込み、戦闘中の力として変えることができるものだった。
だがその名の通り、スキル発動には女性の『愛』、それもかなりの性的な刺激が必要で、アレンのスキルをフルに発揮するためには、女性たちとの特別な愛の共有が必要だった。
そんなアレンが周りから違和感を抱かれることは、本人も薄々感じてはいた。
「あなたのスキル、なんだか、少し不快感を覚えるようになってきたのよ」
女勇者イリスが口にした言葉に、アレンの眉がぴくりと動く。
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
死んで全ての凶運を使い果たした俺は異世界では強運しか残ってなかったみたいです。〜最強スキルと強運で異世界を無双します!〜
猫パンチ
ファンタジー
主人公、音峰 蓮(おとみね れん)はとてつもなく不幸な男だった。
ある日、とんでもない死に方をしたレンは気づくと神の世界にいた。
そこには創造神がいて、レンの余りの不運な死に方に同情し、異世界転生を提案する。
それを大いに喜び、快諾したレンは創造神にスキルをもらうことになる。
ただし、スキルは選べず運のみが頼り。
しかし、死んだ時に凶運を使い果たしたレンは強運の力で次々と最強スキルを引いてしまう。
それは創造神ですら引くほどのスキルだらけで・・・
そして、レンは最強スキルと強運で異世界を無双してゆく・・・。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ヒューマンテイム ~人間を奴隷化するスキルを使って、俺は王妃の体を手に入れる~
三浦裕
ファンタジー
【ヒューマンテイム】
人間を洗脳し、意のままに操るスキル。
非常に希少なスキルで、使い手は史上3人程度しか存在しない。
「ヒューマンテイムの力を使えば、俺はどんな人間だって意のままに操れる。あの美しい王妃に、ベッドで腰を振らせる事だって」
禁断のスキル【ヒューマンテイム】の力に目覚めた少年リュートは、その力を立身出世のために悪用する。
商人を操って富を得たり、
領主を操って権力を手にしたり、
貴族の女を操って、次々子を産ませたり。
リュートの最終目標は『王妃の胎に子種を仕込み、自らの子孫を王にする事』
王家に近づくためには、出世を重ねて国の英雄にまで上り詰める必要がある。
邪悪なスキルで王家乗っ取りを目指すリュートの、ダーク成り上がり譚!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる