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2章 危険を冒す者である事を知る
21話 作戦通りにいかないと男は嘆く
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俺はパメラを連れて、探査で引っ掛かったゴブリン神と思われるポイントに近づいた。
もうすぐ視認出来るという距離に来ると俺達は物影から覗き込む。
覗き込むと側近らしいゴブリンを間に挟むようにしてデカイ角を生やしたゴブリンがいるのを見たパメラが耳打ちしてくる。
「私が読んだ書物通りならあの角付きがゴブリン神だ」
「よし、予定通りにやるぞ」
そう、俺はここに来るまでにパメラと作戦と呼んでいいか分からないが一応、指針を考えていた。
ボス、この場合、ゴブリン神であるがそれの取り巻きが居た場合、俺が威圧をかけて早期決着を着ける。
その間、ゴブリン神の注意をパメラに取って貰おうという話をしていた。パメラには決してゴブリン神に攻勢に出てはいけないと、きつく念押しをした。
それでも危険な役目なのでどれだけ俺が取り巻きを倒せるか次第だ。
「作戦は分かるが、あの取り巻き、ゴブリンキングとゴブリンクィーンだぞ? 普通に戦ってもキツイ相手だが……それでもやらないと隊長達を救う術はないか」
「そう言う事だ。そこは俺を信じてくれとしか言えない」
打てる手が他にもあるなら打ちたい。だが、道具も時間も技術……スキル製造機、スタンバってないよな? 今はお前に突っ込み入れてるような精神状態じゃないからな。
逆転して楽勝になるようなスキルが貰えるなら助かるが、今、あれこれと引っかき回されるのは面白くない。本気で時間が惜しい。
探査で見れる前線の状況は刻一刻と悪くなっている。
「作戦開始だ」
「ああっ!」
俺達は物影から飛び出し、3匹の前に姿を現す。
出鼻は貰う!
予定通り、威圧をするとゴブリンキングとゴブリンクィーンが身を硬くして動きが止まる。しかし、ゴブリン神は苛立ったように吼えた。
「パメラ」
「分かっている」
そう言うとパメラはゴブリン神に拳大の石を顔面、目掛けて投げつける。見事に命中して怒りに濁った目をパメラに向ける。
パメラはゴブリンキングとゴブリンクィーンから離れるように動き、ゴブリン神を引き剥がしにかかった。
小刻みにステップを踏み、風魔法の初級のウィンドカッターを威力無視で放ち続けたり、篝火の燃えている木を掴んで投げつけたりと囮役を見事に果たすのを見て安堵する。
今度はこっちの番だ。
まずは近くの硬直状態のゴブリンクィーンに斬りかかる。
首を斬り落そうと剣を振るうが一発で斬り落とせない。しかし、深くは斬れたのでほっといても出血死もあるかもしれないが……
「念押しをさせて貰う」
心臓を一突きして剣を抜くとデカイ図体が倒れ、土煙が上がる。
しぶとく死ぬまで暴れられても困るしな。
ゴブリンクィーンは始末してゴブリンキングに向き合うと丁度、威圧の硬直から解放されたところであった。
もうちょっと硬直してたら可愛げが……ないか。
ゴブリンキングが大剣を振り下ろしてくるのを紙一重で避ける。避けたが地面を叩きつけた時に石つぶてが飛び、俺に襲いかかる。
いたたっ、ギリギリ避けても無事にすまないか!
石つぶてから顔を守っていた腕を下ろすと再び、ゴブリンキングが大剣を振り下ろそうとしているところであった。
「ちっ!」
受け止める事には成功したが予想以上の怪力に膝を着きそうになる。
やばっ、タロさんに黒鉄鋼で打った剣を貰ってたから助かった!
これが数打ち品の剣であればここで俺は終わってたかもしれない。
「きゃああああぁぁっ!」
女の声! まさか!
ゴブリンキングと鍔迫りをしてる場合じゃない! パメラの身に何かあったのかもしれないのに!
かといってゴブリンキングを連れて行く訳にはいかない。
さっさと勝負を決めたいが……ゴブリンクィーンですら首を一発で斬り落とせないのに、おそらくゴブリンキングにはもっと無理だろう。
どうしたらいい、どうしたらいい……くそう、でっかい腹して殿様ガエルか……
昔、酔った親戚のおじさんが自慢げ、なんであんな事をと思える話を思い出した。
しかし、それならなんとかなるかも……若干、捨て身だが。
俺は鍔迫りしてたのを流して体勢を崩したゴブリンキングに突進して飛び上がる。飛び上がりながら剣を鞘に仕舞い、右拳を振り上げると嘲笑するように口を大きく開けて気味の悪い声を洩らす。
振り上げた右拳をゴブリンキングの顔へと振り下ろすが避ける素振りも見せない。
だろうな、剣ですら即死させる事が出来ない俺の拳など脅威にすら感じないんだろうしな。
嘲笑うゴブリンキングに俺も馬鹿にする笑みを浮かべて、真っ直ぐにゴブリンキングの口へと拳を突き入れる。
ゴブリンキングの歯に当たって裂傷から血が噴き出すが構わず押し込む。
噛もうとするゴブリンキングの目を睨みつけて威圧をかけ、喉ちんこを掴む。
ライオンに噛まれた時のヤケッパチの方法が上手くいって良かった。
俺は大きく息を吸うと叫ぶように魔法を唱える。
「サンダーボール、サンダーボール、サンダ―アロー!!」
俺の魔法を腹の中に受けて血の涙を流し始めるがまだ生きているゴブリンキングが負けじと腕を噛み切ろうとするのに耐えて気合いで叫ぶ。
「サンダーボルト!!!」
すると、ゴブリンキングがの目から光が放たれ、カエルのようなデカイ腹が弾ける。
ふぅ……なんとかなった……助かったけど、あの趣味の悪いおじさんのおかげだとは正直、思いたくはない。
何せ、子供の頃、爆竹をカエルに飲ませて破裂させて遊んだという話。子供だからってそれはどうだろうと思わせる品性を感じない話だったからだ。
それでもこんな作戦が取れたのは魔力制御と全状態異常耐性を取得出来たからだ。
スキル製造機、説教し辛くなったじゃないか……そんな事を考えている場合じゃない。
「ハイヒール!」
血だらけになっていた右腕だったが綺麗に治る。
今いく、パメラっ!
俺はパメラが去った方向へと走り出した。
走って向かった先では想像と違った光景があった。
正直、パメラが怪我を負っているビジョンがあったがそこにあったのは血も流れ、打撲痕も目立つ銀髪の獣人の少女がゴブリン神に挑み続けている姿であった。
その傍に苛立った様子のパメラがいたので近寄る。
「どういう事なんだ? あの子は俺が助けた子の……」
「そうだ、銀狼族のティテールだ。邪魔だから離れろと言ってもいう事を聞かない」
今も棍棒、というには凶悪な丸太というべきものを振り回すゴブリン神に叩きつけられて吹き飛ばされていた。
更に酷い状態になったティテールに駆けより、パメラに囮役を再び頼む。
了承されたところで近寄ると威嚇してくるティテールを無視してハイヒールを唱える。
癒された事に少し驚いたが、礼も言わずに飛びだそうとしたのを足払いして頭を掴んで地面に叩きつける。
「何をする、離せ!」
「なんか必死だから事情があるんだろうが、これは人の命がかかってる。邪魔するな」
「邪魔してるのはそっちだ。アレは私のえも……」
反論しようとしてくるティテールの頭を掴んでさっきより強く地面に叩きつける。
躊躇を見せなかった俺に恐怖を覚えた視線を向けてくるティテールの頭を持ち上げて瞳を覗き込むようにする。
「普段の俺なら君みたいな美人なら譲歩しようと思う。だがな、今、ここじゃない場所で戦っている奴等に気心知れたオッサンに尊敬出来る先輩達、そして、何より俺が愛する嫁にする女がいる。交渉の余地なしだ」
後方に投げ捨て「終わった後なら出来る限りの相談には乗るから帰れ」と言うが目を離した瞬間に飛びだす。
はぁ……無駄なのに分かってくれないな、今、パメラの状況を確認する為に探査と危険感知を作動させてるから視線をそっちに向けてなくても丸分かりだ。
横っ跳びして今度は額を鷲掴みにして仰向けに倒してマウントを取る。
額を鷲掴みしながら、瞳を覗きこんで凄む。
「どうしたら言う事を聞いてくれる。生きてる限り、無理か? 今の俺ならそれしかないならしかねないぞ?」
「……アレはどうしても必要……邪魔するな」
「だから、後で相談に乗ってやるって言ってるのに……無理そうだな。スタンっ!!」
スタンガンの強力なヤツを食らわせる。
体の弱い人なら間違いなく死んでるだろうが、無駄に暴れられるぐらいの元気なティテールなら大丈夫だろうとヤケクソでやった。
案の定、あががが、と言語を話せない状態ではあるが生きている。
とはいえ、放置しておく訳にはいかないか……とほほ
「パメラっ!!」
そう叫ぶとパメラが奥の方からゴブリン神から逃げるようにやってくる。
やってくるゴブリン神にサンダ―レインを放ち、足止めするとパメラにティテールを放る。
「邪魔だから、そいつ連れて逃げてくれ」
「し、シーナはどうするんだ!?」
「俺か?」
スラリと剣を抜いて肩に置き、トントンとしながらティテールを抱えるパメラに笑みを浮かべる。
「コイツを倒さないと本末転倒だからな、当然、残るさ」
「無理だ、アレを1人でなんて死んでしまう!」
「死なないさ。俺は沢山の嫁を貰う予定だ。前線にも1人いる。そしてパメラもだ、言っただろ? 俺の嫁になるって? あの場限りの勢いだったなんて言わせないからな」
情事の時に叫んだ自分のセリフを思い出したのか赤面するパメラに少し意地の悪い笑みを浮かべる。
パメラを見つめたまま、俺は更にゴブリン神にサンダーボールを叩き込みながら言う。
「俺を信じろ」
俺の言葉に頷くとパメラはティテールを抱えてこの場から離れて行こうとするのを見送る。
痺れて動けなかったゴブリン神が叫ぶ事で痺れを気合いで吹き飛ばしたようだ。
更に叫んで威嚇してくるゴブリン神に向き合い、俺も戦う体勢、剣を構えて目を細める。
探査でパメラが離れて行くのを確認して口の端を上げる。
「さあ、やろうか。ゴブリンの神様よ」
うがががぁぁぁぁぁぁ!!!!
その叫び声に負けてたまるかと俺も吼えながらゴブリン神に向かって跳んだ。
もうすぐ視認出来るという距離に来ると俺達は物影から覗き込む。
覗き込むと側近らしいゴブリンを間に挟むようにしてデカイ角を生やしたゴブリンがいるのを見たパメラが耳打ちしてくる。
「私が読んだ書物通りならあの角付きがゴブリン神だ」
「よし、予定通りにやるぞ」
そう、俺はここに来るまでにパメラと作戦と呼んでいいか分からないが一応、指針を考えていた。
ボス、この場合、ゴブリン神であるがそれの取り巻きが居た場合、俺が威圧をかけて早期決着を着ける。
その間、ゴブリン神の注意をパメラに取って貰おうという話をしていた。パメラには決してゴブリン神に攻勢に出てはいけないと、きつく念押しをした。
それでも危険な役目なのでどれだけ俺が取り巻きを倒せるか次第だ。
「作戦は分かるが、あの取り巻き、ゴブリンキングとゴブリンクィーンだぞ? 普通に戦ってもキツイ相手だが……それでもやらないと隊長達を救う術はないか」
「そう言う事だ。そこは俺を信じてくれとしか言えない」
打てる手が他にもあるなら打ちたい。だが、道具も時間も技術……スキル製造機、スタンバってないよな? 今はお前に突っ込み入れてるような精神状態じゃないからな。
逆転して楽勝になるようなスキルが貰えるなら助かるが、今、あれこれと引っかき回されるのは面白くない。本気で時間が惜しい。
探査で見れる前線の状況は刻一刻と悪くなっている。
「作戦開始だ」
「ああっ!」
俺達は物影から飛び出し、3匹の前に姿を現す。
出鼻は貰う!
予定通り、威圧をするとゴブリンキングとゴブリンクィーンが身を硬くして動きが止まる。しかし、ゴブリン神は苛立ったように吼えた。
「パメラ」
「分かっている」
そう言うとパメラはゴブリン神に拳大の石を顔面、目掛けて投げつける。見事に命中して怒りに濁った目をパメラに向ける。
パメラはゴブリンキングとゴブリンクィーンから離れるように動き、ゴブリン神を引き剥がしにかかった。
小刻みにステップを踏み、風魔法の初級のウィンドカッターを威力無視で放ち続けたり、篝火の燃えている木を掴んで投げつけたりと囮役を見事に果たすのを見て安堵する。
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これが数打ち品の剣であればここで俺は終わってたかもしれない。
「きゃああああぁぁっ!」
女の声! まさか!
ゴブリンキングと鍔迫りをしてる場合じゃない! パメラの身に何かあったのかもしれないのに!
かといってゴブリンキングを連れて行く訳にはいかない。
さっさと勝負を決めたいが……ゴブリンクィーンですら首を一発で斬り落とせないのに、おそらくゴブリンキングにはもっと無理だろう。
どうしたらいい、どうしたらいい……くそう、でっかい腹して殿様ガエルか……
昔、酔った親戚のおじさんが自慢げ、なんであんな事をと思える話を思い出した。
しかし、それならなんとかなるかも……若干、捨て身だが。
俺は鍔迫りしてたのを流して体勢を崩したゴブリンキングに突進して飛び上がる。飛び上がりながら剣を鞘に仕舞い、右拳を振り上げると嘲笑するように口を大きく開けて気味の悪い声を洩らす。
振り上げた右拳をゴブリンキングの顔へと振り下ろすが避ける素振りも見せない。
だろうな、剣ですら即死させる事が出来ない俺の拳など脅威にすら感じないんだろうしな。
嘲笑うゴブリンキングに俺も馬鹿にする笑みを浮かべて、真っ直ぐにゴブリンキングの口へと拳を突き入れる。
ゴブリンキングの歯に当たって裂傷から血が噴き出すが構わず押し込む。
噛もうとするゴブリンキングの目を睨みつけて威圧をかけ、喉ちんこを掴む。
ライオンに噛まれた時のヤケッパチの方法が上手くいって良かった。
俺は大きく息を吸うと叫ぶように魔法を唱える。
「サンダーボール、サンダーボール、サンダ―アロー!!」
俺の魔法を腹の中に受けて血の涙を流し始めるがまだ生きているゴブリンキングが負けじと腕を噛み切ろうとするのに耐えて気合いで叫ぶ。
「サンダーボルト!!!」
すると、ゴブリンキングがの目から光が放たれ、カエルのようなデカイ腹が弾ける。
ふぅ……なんとかなった……助かったけど、あの趣味の悪いおじさんのおかげだとは正直、思いたくはない。
何せ、子供の頃、爆竹をカエルに飲ませて破裂させて遊んだという話。子供だからってそれはどうだろうと思わせる品性を感じない話だったからだ。
それでもこんな作戦が取れたのは魔力制御と全状態異常耐性を取得出来たからだ。
スキル製造機、説教し辛くなったじゃないか……そんな事を考えている場合じゃない。
「ハイヒール!」
血だらけになっていた右腕だったが綺麗に治る。
今いく、パメラっ!
俺はパメラが去った方向へと走り出した。
走って向かった先では想像と違った光景があった。
正直、パメラが怪我を負っているビジョンがあったがそこにあったのは血も流れ、打撲痕も目立つ銀髪の獣人の少女がゴブリン神に挑み続けている姿であった。
その傍に苛立った様子のパメラがいたので近寄る。
「どういう事なんだ? あの子は俺が助けた子の……」
「そうだ、銀狼族のティテールだ。邪魔だから離れろと言ってもいう事を聞かない」
今も棍棒、というには凶悪な丸太というべきものを振り回すゴブリン神に叩きつけられて吹き飛ばされていた。
更に酷い状態になったティテールに駆けより、パメラに囮役を再び頼む。
了承されたところで近寄ると威嚇してくるティテールを無視してハイヒールを唱える。
癒された事に少し驚いたが、礼も言わずに飛びだそうとしたのを足払いして頭を掴んで地面に叩きつける。
「何をする、離せ!」
「なんか必死だから事情があるんだろうが、これは人の命がかかってる。邪魔するな」
「邪魔してるのはそっちだ。アレは私のえも……」
反論しようとしてくるティテールの頭を掴んでさっきより強く地面に叩きつける。
躊躇を見せなかった俺に恐怖を覚えた視線を向けてくるティテールの頭を持ち上げて瞳を覗き込むようにする。
「普段の俺なら君みたいな美人なら譲歩しようと思う。だがな、今、ここじゃない場所で戦っている奴等に気心知れたオッサンに尊敬出来る先輩達、そして、何より俺が愛する嫁にする女がいる。交渉の余地なしだ」
後方に投げ捨て「終わった後なら出来る限りの相談には乗るから帰れ」と言うが目を離した瞬間に飛びだす。
はぁ……無駄なのに分かってくれないな、今、パメラの状況を確認する為に探査と危険感知を作動させてるから視線をそっちに向けてなくても丸分かりだ。
横っ跳びして今度は額を鷲掴みにして仰向けに倒してマウントを取る。
額を鷲掴みしながら、瞳を覗きこんで凄む。
「どうしたら言う事を聞いてくれる。生きてる限り、無理か? 今の俺ならそれしかないならしかねないぞ?」
「……アレはどうしても必要……邪魔するな」
「だから、後で相談に乗ってやるって言ってるのに……無理そうだな。スタンっ!!」
スタンガンの強力なヤツを食らわせる。
体の弱い人なら間違いなく死んでるだろうが、無駄に暴れられるぐらいの元気なティテールなら大丈夫だろうとヤケクソでやった。
案の定、あががが、と言語を話せない状態ではあるが生きている。
とはいえ、放置しておく訳にはいかないか……とほほ
「パメラっ!!」
そう叫ぶとパメラが奥の方からゴブリン神から逃げるようにやってくる。
やってくるゴブリン神にサンダ―レインを放ち、足止めするとパメラにティテールを放る。
「邪魔だから、そいつ連れて逃げてくれ」
「し、シーナはどうするんだ!?」
「俺か?」
スラリと剣を抜いて肩に置き、トントンとしながらティテールを抱えるパメラに笑みを浮かべる。
「コイツを倒さないと本末転倒だからな、当然、残るさ」
「無理だ、アレを1人でなんて死んでしまう!」
「死なないさ。俺は沢山の嫁を貰う予定だ。前線にも1人いる。そしてパメラもだ、言っただろ? 俺の嫁になるって? あの場限りの勢いだったなんて言わせないからな」
情事の時に叫んだ自分のセリフを思い出したのか赤面するパメラに少し意地の悪い笑みを浮かべる。
パメラを見つめたまま、俺は更にゴブリン神にサンダーボールを叩き込みながら言う。
「俺を信じろ」
俺の言葉に頷くとパメラはティテールを抱えてこの場から離れて行こうとするのを見送る。
痺れて動けなかったゴブリン神が叫ぶ事で痺れを気合いで吹き飛ばしたようだ。
更に叫んで威嚇してくるゴブリン神に向き合い、俺も戦う体勢、剣を構えて目を細める。
探査でパメラが離れて行くのを確認して口の端を上げる。
「さあ、やろうか。ゴブリンの神様よ」
うがががぁぁぁぁぁぁ!!!!
その叫び声に負けてたまるかと俺も吼えながらゴブリン神に向かって跳んだ。
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