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第六章
五
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ふたばがホテルの最上階にあるスカイラウンジへ行くと、入り口付近にいたスタッフが気づき声をかけてくる。
「いらっしゃいませ」
暁史は仕事の電話が入ったと言って、店の外にいることを告げると、先にふたばだけを案内してくれた。
予約をしておいてくれたのか、今日はグランドピアノが置いてある近くの個室に案内された。奥側に窓があり、どうやら個室からでも絶景を眺めることができるらしい。
ゆったりとした、四人掛けソファーが二台向き合って置かれており、中央には磨き上げられた大理石のテーブルがある。窓から夜景を見渡しながら、感嘆の域を漏らした。
まるで自分が金持ちにでもなったような錯覚をしてしまいそうになる。
「こちら、ドリンクメニューとなっております」
「あ、ありがとうございます。じゃあ……フルーツティーを」
酒を飲むつもりはなかった。アルコールが入っているわけでもないのに、もう今の自分は酩酊状態に近い。頭がふわふわして思考力がなくなっているような気がする。
暁史のことを考えるだけで、本来の目的を見失いそうになってしまう。何度も何度も、わかばのことを聞くんだと自分自身に言い聞かせていないと、抗えない波に流されそうだ。
「かしこまりました」
スタッフが一礼して去っていった。
ぼんやりと夜景を眺めていると、しばらくしてたっぷりのフルーツが入ったグラスがテーブルに置かれる。
一口含むと、オレンジ、キウイ、パインなどの酸味と香りが口いっぱいに広がり、渇いた喉を潤してくれた。
「美味しい」
値段の載っていないメニュー。バーでもここでも同じだ。暁史はそういう世界の住人なんだと思うと、あれほど似合っていると思っていたわかばと暁史の関係でさえあやふやに思えてくる。
(あたしたちと、同じ世界の人じゃないよ……お姉ちゃん)
ホテルのスイートルームに泊まり、誰もが認める仕事に就いている。
わかばはアソシエイトとしてのキャリアも実績もある。美人なのを鼻にかけないし、ふたばから見ても魅力的な女性だ。そんな姉ならばとは思うが、やはり彼がふたばを好きだとは到底思えなかった。
平凡で、特筆すべきことのない自分などでは。
ただの気まぐれ、遊びだろう。願わくば、姉に対しては真剣だったと思いたい。
(電話……まだ終わらないのかな……)
座り心地のいいソファーに身体を埋めていると、溜まっていた疲れが下へ下へと沈んでいき、眠気が押し寄せる。
こんな場所で寝るわけにはいかないと思っていても、店内を流れるジャズのメロディーが抗えない吸引力でふたばを眠りに落とそうとしてくる。
(少しだけ……)
目を閉じると、数秒も経たずに意識が沈んでいった。
軽く頬を撫でられるような感触に、ぼんやりと目を開けると目の前に広がる景色に動揺が広がった。自分が一体どこにいるのかわからなくなり、軽くパニックを起こす。
「おはよう」
低く耳心地のいい男性の声に上を向くと、ふたばは暁史の肩に頭を預けるような格好で眠っていたことがわかる。
「あっ、ご……ごめんなさっ」
「謝らなくていい。役得だったから」
慌てて身体を起こすと、目の前の窓に映った自分のシャツのボタンが一つ外されていることに気づく。暁史を見上げると、彼はバツが悪そうに言葉を濁して言った。
「勝手に悪かった。首、苦しそうだったから」
仕事帰りにそのまま暁史に連れてこられてしまったため、ジャケットも着たまま、ブラウスに至っては一番上までキッチリとボタンを留めていた。
「い、いえ」
胸元が見えていたわけではないが、暁史にボタンを外されるところを想像してしまってどうにも居た堪れない。
キュッと胸の前をかき合わせるように手で押さえると、唇を耳に寄せられて、ふたばにだけ聞こえるような声で告げられる。声を潜めなくとも、個室のドアは閉められている。誰かに聞かれる心配などないのに。
「本当は、全部、外したかった」
一言一言区切るように告げられる。
カッと頬が赤らむ。互いの間に漂う空気が変わるのがはっきりと感じとれた。君に触れたくて仕方がない──そう告げられた時と同じ温度になる。
ベッドに誘われているのだと、鈍いふたばにもわかる。しかし、姉が好きだった人だ。ふたばと彼がどうこうなることは絶対にない。
暁史とキスをして感じてしまったことは思い出さないように、キッチリと心に蓋をした。
ふたばの想いを悟ったように、寄せていた顔を離して暁史はメニューを広げる。
「何か食べるか。メニューも豊富だから好きなものを頼むといい」
正直食欲はなかったので、偶然目についたサーモンのマリネ、と告げる。メニューが難しすぎて頭の中で想像できなかったのだ。やはり多少なりとも酒を入れておくべきだったかと早くも後悔し始める。
「じゃあ、適当に頼んでいいか?」
「お任せします」
安堵の息を漏らして、暁史がスタッフを呼ぶのを横目に景色へと視線を移した。
「タリスカー十八年、ロックで。あとビーフシチューと、キャビアとロブスターのコンソメゼリー、アトランティックサーモンのマリネと夏野菜のプレステリーヌ、黒毛和牛サーロインのグリル、あとは彼女の飲み物、同じものを」
「かしこまりました。料理は同時にお持ちしますか?」
「ああ、全部一緒に持ってきてくれ」
スタッフが一礼し、個室のドアが閉じられる。
「先週も、ビーフシチュー食べてませんでした?」
「ああ、実はメニューにはないんだが、特別に作ってもらっててね。気に入るとずっと同じものばかり食べ続けてしまうから、店には迷惑をかけてるよ」
ビーフシチューはこの店のメニューにはなかったのか。たしかにそれは迷惑だろうが、毎週同じものを食べるくらいだからよほど気に入っているのかもしれない。
「よく来るんですか?」
「ほとんど毎日食事はここだな。で、週に三、四回はビーフシチューを食べる」
「そんなにっ?」
さすがにそこまでは調べがつかなかった。知っているのは、先週会ったバー『night’s』以外に彼が頻繁に通う店はないということぐらいだ。彼がどこに住んでいるのかも、実は知らない。会社帰りには、大体このホテルへ入っていくため、やたらとホテルでの宿泊が多いという印象だ。
「ここに住んでるからな」
「住んでる? ホテルにですか?」
まさか、本当にあの部屋に住んでいるとは思ってもみなかった。あれほどの部屋に定住するとなると相当の金額になりそうなものだが。
「まぁ、いろいろあってな」
どうやら誤魔化されてしまったようだ。言いたくないのか、それともさしたる事情がないのかは判断がつかない。
「ご飯……ビーフシチューばっかりで、飽きないんですか?」
「飽きないね。執着心が強いのかな。以前にいた同僚に、野菜も食べないと身体を壊しますよ、って何度も言われてね。仕方なく、ランチだけは野菜も取るようにしてる」
もしかしたら、以前にいた同僚とはわかばのことだろうか。誰かを懐かしんでいる横顔は優しげで、ふたばが入り込めない世界に彼がいるような気がしてくる。置いていかれる気分だなんて、自分たちの間には何の関係性もないのに。
「食事の管理してくれる同僚がいるんですね」
ふたばの言葉を嫉妬と取ったのか、隣に座った暁史が距離を詰めてくる。
姉の話を聞きたいはずなのに、いざ彼の口から姉かどうかもわからない同僚の話が出るだけで、胸の中にモヤモヤが溜まっていくのはどうしてだろう。
以前からわかばは「先生って野菜食べないのよね~」などとよく言っていたではないか。今さら、驚くようなことでもないのに。
「もう、今はいないんだけどね。恋人ではなかったよ」
「そんなこと……聞いてないですけど……」
どうして恋人ではないなんて嘘をつくのだろう。
ふたばが嫉妬していると思っているから?
それとも、暁史の中では、わかばと恋人関係ではなかったということ?
好きだったのはわかばだけ?
「そう?」
飽きっぽいタイプではないのなら、どうしてわかばと別れたのだろう。飽きたからではないのか、と聞きたい思いをグッと堪える。
「嫉妬してくれたって、嬉しかったのにな」
「……っ」
まただ。またこの空気。
ジッと暁史に見つめられると、身体が硬直して動けなくなる。
室内のオレンジ色の間接照明や、夜景の光が映った黒い瞳に吸い込まれそうで、目が離せない。
唇が近づいてきて、彼の惹きつけられる美しい顔が眼前に広がる。
このままではキスされる、そう思っても金縛りにあったかのように声も出せず、指先一つ動かなかった。
ギュっと目を瞑った瞬間、軽くドアがノックされて、現実に引き戻される。
「いらっしゃいませ」
暁史は仕事の電話が入ったと言って、店の外にいることを告げると、先にふたばだけを案内してくれた。
予約をしておいてくれたのか、今日はグランドピアノが置いてある近くの個室に案内された。奥側に窓があり、どうやら個室からでも絶景を眺めることができるらしい。
ゆったりとした、四人掛けソファーが二台向き合って置かれており、中央には磨き上げられた大理石のテーブルがある。窓から夜景を見渡しながら、感嘆の域を漏らした。
まるで自分が金持ちにでもなったような錯覚をしてしまいそうになる。
「こちら、ドリンクメニューとなっております」
「あ、ありがとうございます。じゃあ……フルーツティーを」
酒を飲むつもりはなかった。アルコールが入っているわけでもないのに、もう今の自分は酩酊状態に近い。頭がふわふわして思考力がなくなっているような気がする。
暁史のことを考えるだけで、本来の目的を見失いそうになってしまう。何度も何度も、わかばのことを聞くんだと自分自身に言い聞かせていないと、抗えない波に流されそうだ。
「かしこまりました」
スタッフが一礼して去っていった。
ぼんやりと夜景を眺めていると、しばらくしてたっぷりのフルーツが入ったグラスがテーブルに置かれる。
一口含むと、オレンジ、キウイ、パインなどの酸味と香りが口いっぱいに広がり、渇いた喉を潤してくれた。
「美味しい」
値段の載っていないメニュー。バーでもここでも同じだ。暁史はそういう世界の住人なんだと思うと、あれほど似合っていると思っていたわかばと暁史の関係でさえあやふやに思えてくる。
(あたしたちと、同じ世界の人じゃないよ……お姉ちゃん)
ホテルのスイートルームに泊まり、誰もが認める仕事に就いている。
わかばはアソシエイトとしてのキャリアも実績もある。美人なのを鼻にかけないし、ふたばから見ても魅力的な女性だ。そんな姉ならばとは思うが、やはり彼がふたばを好きだとは到底思えなかった。
平凡で、特筆すべきことのない自分などでは。
ただの気まぐれ、遊びだろう。願わくば、姉に対しては真剣だったと思いたい。
(電話……まだ終わらないのかな……)
座り心地のいいソファーに身体を埋めていると、溜まっていた疲れが下へ下へと沈んでいき、眠気が押し寄せる。
こんな場所で寝るわけにはいかないと思っていても、店内を流れるジャズのメロディーが抗えない吸引力でふたばを眠りに落とそうとしてくる。
(少しだけ……)
目を閉じると、数秒も経たずに意識が沈んでいった。
軽く頬を撫でられるような感触に、ぼんやりと目を開けると目の前に広がる景色に動揺が広がった。自分が一体どこにいるのかわからなくなり、軽くパニックを起こす。
「おはよう」
低く耳心地のいい男性の声に上を向くと、ふたばは暁史の肩に頭を預けるような格好で眠っていたことがわかる。
「あっ、ご……ごめんなさっ」
「謝らなくていい。役得だったから」
慌てて身体を起こすと、目の前の窓に映った自分のシャツのボタンが一つ外されていることに気づく。暁史を見上げると、彼はバツが悪そうに言葉を濁して言った。
「勝手に悪かった。首、苦しそうだったから」
仕事帰りにそのまま暁史に連れてこられてしまったため、ジャケットも着たまま、ブラウスに至っては一番上までキッチリとボタンを留めていた。
「い、いえ」
胸元が見えていたわけではないが、暁史にボタンを外されるところを想像してしまってどうにも居た堪れない。
キュッと胸の前をかき合わせるように手で押さえると、唇を耳に寄せられて、ふたばにだけ聞こえるような声で告げられる。声を潜めなくとも、個室のドアは閉められている。誰かに聞かれる心配などないのに。
「本当は、全部、外したかった」
一言一言区切るように告げられる。
カッと頬が赤らむ。互いの間に漂う空気が変わるのがはっきりと感じとれた。君に触れたくて仕方がない──そう告げられた時と同じ温度になる。
ベッドに誘われているのだと、鈍いふたばにもわかる。しかし、姉が好きだった人だ。ふたばと彼がどうこうなることは絶対にない。
暁史とキスをして感じてしまったことは思い出さないように、キッチリと心に蓋をした。
ふたばの想いを悟ったように、寄せていた顔を離して暁史はメニューを広げる。
「何か食べるか。メニューも豊富だから好きなものを頼むといい」
正直食欲はなかったので、偶然目についたサーモンのマリネ、と告げる。メニューが難しすぎて頭の中で想像できなかったのだ。やはり多少なりとも酒を入れておくべきだったかと早くも後悔し始める。
「じゃあ、適当に頼んでいいか?」
「お任せします」
安堵の息を漏らして、暁史がスタッフを呼ぶのを横目に景色へと視線を移した。
「タリスカー十八年、ロックで。あとビーフシチューと、キャビアとロブスターのコンソメゼリー、アトランティックサーモンのマリネと夏野菜のプレステリーヌ、黒毛和牛サーロインのグリル、あとは彼女の飲み物、同じものを」
「かしこまりました。料理は同時にお持ちしますか?」
「ああ、全部一緒に持ってきてくれ」
スタッフが一礼し、個室のドアが閉じられる。
「先週も、ビーフシチュー食べてませんでした?」
「ああ、実はメニューにはないんだが、特別に作ってもらっててね。気に入るとずっと同じものばかり食べ続けてしまうから、店には迷惑をかけてるよ」
ビーフシチューはこの店のメニューにはなかったのか。たしかにそれは迷惑だろうが、毎週同じものを食べるくらいだからよほど気に入っているのかもしれない。
「よく来るんですか?」
「ほとんど毎日食事はここだな。で、週に三、四回はビーフシチューを食べる」
「そんなにっ?」
さすがにそこまでは調べがつかなかった。知っているのは、先週会ったバー『night’s』以外に彼が頻繁に通う店はないということぐらいだ。彼がどこに住んでいるのかも、実は知らない。会社帰りには、大体このホテルへ入っていくため、やたらとホテルでの宿泊が多いという印象だ。
「ここに住んでるからな」
「住んでる? ホテルにですか?」
まさか、本当にあの部屋に住んでいるとは思ってもみなかった。あれほどの部屋に定住するとなると相当の金額になりそうなものだが。
「まぁ、いろいろあってな」
どうやら誤魔化されてしまったようだ。言いたくないのか、それともさしたる事情がないのかは判断がつかない。
「ご飯……ビーフシチューばっかりで、飽きないんですか?」
「飽きないね。執着心が強いのかな。以前にいた同僚に、野菜も食べないと身体を壊しますよ、って何度も言われてね。仕方なく、ランチだけは野菜も取るようにしてる」
もしかしたら、以前にいた同僚とはわかばのことだろうか。誰かを懐かしんでいる横顔は優しげで、ふたばが入り込めない世界に彼がいるような気がしてくる。置いていかれる気分だなんて、自分たちの間には何の関係性もないのに。
「食事の管理してくれる同僚がいるんですね」
ふたばの言葉を嫉妬と取ったのか、隣に座った暁史が距離を詰めてくる。
姉の話を聞きたいはずなのに、いざ彼の口から姉かどうかもわからない同僚の話が出るだけで、胸の中にモヤモヤが溜まっていくのはどうしてだろう。
以前からわかばは「先生って野菜食べないのよね~」などとよく言っていたではないか。今さら、驚くようなことでもないのに。
「もう、今はいないんだけどね。恋人ではなかったよ」
「そんなこと……聞いてないですけど……」
どうして恋人ではないなんて嘘をつくのだろう。
ふたばが嫉妬していると思っているから?
それとも、暁史の中では、わかばと恋人関係ではなかったということ?
好きだったのはわかばだけ?
「そう?」
飽きっぽいタイプではないのなら、どうしてわかばと別れたのだろう。飽きたからではないのか、と聞きたい思いをグッと堪える。
「嫉妬してくれたって、嬉しかったのにな」
「……っ」
まただ。またこの空気。
ジッと暁史に見つめられると、身体が硬直して動けなくなる。
室内のオレンジ色の間接照明や、夜景の光が映った黒い瞳に吸い込まれそうで、目が離せない。
唇が近づいてきて、彼の惹きつけられる美しい顔が眼前に広がる。
このままではキスされる、そう思っても金縛りにあったかのように声も出せず、指先一つ動かなかった。
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