22 / 39
閑話:クラスメイト達(2)
しおりを挟むアンディ達が深森のダンジョンに挑んでいる一方。彼のクラスメイト達もまた、ダンジョンに挑もうとしていた。
「良いか!お前たちはこの10日でレベルも十分に上がった!これからこの街にあるFランクダンジョンに挑んでもらう!心して掛かるように!!」
全身鎧の騎士が、学生たちの前に立ち声を張った。
「十分にって……俺、まだレベル7なんだけど…」
「私も7」
「僕は9。でも十分って言ってるってことはそれだけあればクリア出来るって事じゃないかな?今あの騎士はFランクダンジョンって言ってたろ?初心者用のダンジョンなんだよ、きっと」
【経験値増加】のスキルの恩恵で、一人周囲のクラスメイト達よりレベルが高い男子学生が余裕の表情を浮かべる。
「勘違いしているヤツもいるようだから言っておくが、お前たちの目標はこのダンジョンの踏破ではない。1~5階層でレベル上げをすることだ。間違っても5階層にいるフロアボスに挑もうなどと思うなよ。全員がレベル12に以上になった時に挑んでもらう。ちなみにボス部屋に入れるのは最大で6人までだ。その時までに誰と組むか決めておけ」
騎士の言葉に、最初文句を言っていた男子生徒が、安心したような態度を見せる。
「なんだ、クリアが目的じゃないのか。それにしてもまたレベル上げかよ」
「レベル12以上が6人でボスが倒せるって感じみたいだね。念の為レベル15ぐらいは欲しいけど……」
「ゲームと違って死んだらそこで終わりだからね。まぁ、他の人たちがレベル12になる事には、俺はレベル15になってるかもね」
「じゃあお前タンクな」
「ちょ!それは酷くないか?!」
「冗談だよ」
学生たちが談笑していると、騎士が続けて言った。
「なお、ダンジョン内で魔物がアイテムをドロップした場合、また宝箱を見つけた場合、アイテムは見つけた者の所有物にして良いとのことだ。とは言っても、このダンジョンには日々多くの冒険者が出入りしているから、取り残しの宝箱など、そう無いだろうがな」
騎士の言葉を聞いて学生たちが色めきだつ。
「おい!聞いたかよ!ドロップに宝箱だって!マジでゲームだな」
「どんな物が手に入るんだろう」
「ゲームの定番だと、武具とかアイテムとか?」
「分かりやすくお金とかだったりして」
「それも有るかもな!よーし俄然やる気出て来た!」
学生たちは浮かれつつ、ダンジョンに足を踏み入れた。
この日、ダンジョンから戻ったのは31人中26名だった――
1
お気に入りに追加
80
あなたにおすすめの小説
転生したら神だった。どうすんの?
埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの?
人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。
その幼女、最強にして最恐なり~転生したら幼女な俺は異世界で生きてく~
たま(恥晒)
ファンタジー
※作者都合により打ち切りとさせて頂きました。新作12/1より!!
猫刄 紅羽
年齢:18
性別:男
身長:146cm
容姿:幼女
声変わり:まだ
利き手:左
死因:神のミス
神のミス(うっかり)で死んだ紅羽は、チートを携えてファンタジー世界に転生する事に。
しかしながら、またもや今度は違う神のミス(ミス?)で転生後は正真正銘の幼女(超絶可愛い ※見た目はほぼ変わってない)になる。
更に転生した世界は1度国々が発展し過ぎて滅んだ世界で!?
そんな世界で紅羽はどう過ごして行くのか...
的な感じです。
[完結:1話 1分読書]幼馴染を勇者に寝取られた不遇職の躍進
無責任
ファンタジー
<毎日更新 1分読書> 愛する幼馴染を失った不遇職の少年の物語
ユキムラは神託により不遇職となってしまう。
愛するエリスは、聖女となり、勇者のもとに行く事に・・・。
引き裂かれた関係をもがき苦しむ少年、少女の物語である。
アルファポリス版は、各ページに人物紹介などはありません。
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
この物語の世界は、15歳が成年となる世界観の為、現実の日本社会とは異なる部分もあります。
異世界でのんきに冒険始めました!
おむす微
ファンタジー
色々とこじらせた、平凡な三十路を過ぎたオッサンの主人公が(専門知識とか無いです)異世界のお転婆?女神様に拉致されてしまい……勘違いしたあげく何とか頼み込んで異世界に…?。
基本お気楽で、欲望全快?でお届けする。異世界でお気楽ライフ始めるコメディー風のお話しを書いてみます(あくまで、"風"なので期待しないで気軽に読んでネ!)一応15R にしときます。誤字多々ありますが初めてで、学も無いためご勘弁下さい。
ただその場の勢いで妄想を書き込めるだけ詰め込みますので完全にご都合主義でつじつまがとか気にしたら敗けです。チートはあるけど、主人公は一般人になりすましている(つもり)なので、人前で殆んど無双とかしません!思慮が足りないと言うか色々と垂れ流して、バレバレですが気にしません。徐々にハーレムを増やしつつお気楽な冒険を楽しんで行くゆる~い話です。それでも宜しければ暇潰しにどうぞ。
転生したら赤ん坊だった 奴隷だったお母さんと何とか幸せになっていきます
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
転生したら奴隷の赤ん坊だった
お母さんと離れ離れになりそうだったけど、何とか強くなって帰ってくることができました。
全力でお母さんと幸せを手に入れます
ーーー
カムイイムカです
今製作中の話ではないのですが前に作った話を投稿いたします
少しいいことがありましたので投稿したくなってしまいました^^
最後まで行かないシリーズですのでご了承ください
23話でおしまいになります
魔力吸収体質が厄介すぎて追放されたけど、創造スキルに進化したので、もふもふライフを送ることにしました
うみ
ファンタジー
魔力吸収能力を持つリヒトは、魔力が枯渇して「魔法が使えなくなる」という理由で街はずれでひっそりと暮らしていた。
そんな折、どす黒い魔力である魔素溢れる魔境が拡大してきていたため、領主から魔境へ向かえと追い出されてしまう。
魔境の入り口に差し掛かった時、全ての魔素が主人公に向けて流れ込み、魔力吸収能力がオーバーフローし覚醒する。
その結果、リヒトは有り余る魔力を使って妄想を形にする力「創造スキル」を手に入れたのだった。
魔素の無くなった魔境は元の大自然に戻り、街に戻れない彼はここでノンビリ生きていく決意をする。
手に入れた力で高さ333メートルもある建物を作りご満悦の彼の元へ、邪神と名乗る白猫にのった小動物や、獣人の少女が訪れ、更には豊富な食糧を嗅ぎつけたゴブリンの大軍が迫って来て……。
いつしかリヒトは魔物たちから魔王と呼ばるようになる。それに伴い、333メートルの建物は魔王城として畏怖されるようになっていく。
~クラス召喚~ 経験豊富な俺は1人で歩みます
無味無臭
ファンタジー
久しぶりに異世界転生を体験した。だけど周りはビギナーばかり。これでは俺が巻き込まれて死んでしまう。自称プロフェッショナルな俺はそれがイヤで他の奴と離れて生活を送る事にした。天使には魔王を討伐しろ言われたけど、それは面倒なので止めておきます。私はゆっくりのんびり異世界生活を送りたいのです。たまには自分の好きな人生をお願いします。
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる