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第 三 章 将 臣

第八話 幕間 No title!

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 あの祭り以来、二人は本当に寝る暇を惜しんで、試験勉強に励んでいた。無論俺もだからな。二人に気付かれない様にするには相当骨が折れたけど・・・、二〇一一年九月三日、土曜日。俺は翠と弥生を早く試験会場へ向かわせるため、強引に二人を追い立てていた。
「将臣、付いてきてくれないの?」
「弥生達にもう少し気遣って欲しい物です」
「そんな、他力本願じゃ、駄目だぜ。こんな試練、翠も弥生も何度も越えてきただろうが、もう少し、お前ら自身を信じてやれよ」
 小賢しい笑みを浮かべ、俺は翠と弥生の胸をつついていた。
「朝っぱらから、なにすんのよ、ばかまさっ!」
 憤慨した表情を見せてくれながら、翠は竹のようにしなる蹴りを繰り出してきたけど、それを俺はバック・ステップで余裕に躱していた。
「はしたないぜ、翠。丸見えだ」
「もうしらないっ!バカマサに期待した私が恥ずかしいよっ!!こんな奴ほっといて弥生、行こっ」
 妹の弥生は何も言わず、俺をにらんでいるだけだった。まあ、これで暫らくは二人の頭の中から俺の事が除外されただろう・・・。
 それから、暫らくして、二人が試験会場に到着して建物に入った頃だろうと予想して、俺も同じ場所へと向かった。試験教室が同じにならない様に根回しは完璧。
 午後の日程の試験を誰よりも早く書きあげ、外に出ていた。二人を迎えに来たというそぶりを見せるためにね。外で待っていると笑顔で出てくる二人を拝む事が出来た。出来は向こうも上々のようだと判る。
「朝、あんなことしてくれたのに、迎えに来てくれたんだ、将臣?」
 口調と表情が俺を攻める風ではなかった。笑顔でそう口にする翠、機嫌が良くなっているみたいで朝の事は簡単に許してくれた。
 二日目は朝トレで暫らく帰ってこないぞとか言って、二人よりも先に試験会場に行くけど、弥生が俺に疑いの眼差しを向けていたけど、飄々と受け流した。やっぱり、その日も午後の試験を誰よりも早く片付け、外に出ていた。
「翠も弥生も、二日間とそれまでの勉強よく頑張ったな。結果ちゃんと出るはずだぜ」
「うんそうだね、駄目だったら将臣の事八つ裂きにしてやるから」
「そんなんじゃ、足りないよ、みぃ~~~ちゃん。お兄ちゃんミンチだよ」
「何笑顔で、物騒な事言うかね、お前ら・・・」
 全てが上手く行っていると思った矢先、俺は・・・、俺達はとんでもない事実を耳にした。それは・・・、俺の妹、弥生編をチョコとだけ語ってから続くぜ。
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