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番外編
就職先は貧乏伯爵 後編(ジョエルの両親)
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「僕の家は名ばかりの貴族で、そんなに裕福では無いんだ。あんまり民に税を課すのが申し訳無くてね。君のお父様は大商人だから高い生活水準だったと思うが、僕と結婚したら贅沢はさせてあげられない」
それを聞いてドリアーヌは内心そんなことはないと思う。
私の方が貧乏暮らしだったと思うわ。
このお菓子だって高級そうだし。
しかし、そんなことは知らないジェラールはドリアーヌを心配して話を進める。
「先程、君のお父様が話している時の君を見ていると、この結婚話の蚊帳の外にいるようだった。それが気になっていてね。それで聞いてみたら僕が貧乏伯爵ってことを知らなくて、やっぱりねって思ったんだ」
先程の顔合わせで見られていたことに気付いていなかったドリアーヌは、少し恥ずかしくなった。
そんな細かいことに気付くなんて気配り上手な方ね。
話についていくだけで精一杯だった自分が恥ずかしいわ。
自分の結婚相手のことを何も知らず、その無関心な態度が気分を悪くしたのではないかと思ったドリアーヌは謝罪する。
「無知で申し訳ありません」
「いや、謝らなくて大丈夫だよ。もしかして君のお父様が君に良いように説明して真実を隠しているんじゃないかと心配になっただけだから。騙されて結婚したら君が可哀想だ。もし、今の話を聞いて嫌になったら遠慮せずに言ってくれ」
そのジェラールの気遣いにドリアーヌの胸が苦しくなっていく。
むしろ騙しているのは私の方だわ。
私はお嬢様なんかじゃないのに……。
人の良いジェラールに隠し事をするのが心苦しくなったドリアーヌは、ついに自分の本当の姿を打ち明けることを決意する。
お父さんの顔に泥を塗ったら悪いと思って黙っていたけど、やっぱりよくないわ。
それにお見合いだけって言ったのに、勝手に結婚話を進めているお父さん達が信用出来ないし、これで破談になってももういいわ。
「騙しているのは私の方なんです。ごめんなさい」
突然のドリアーヌの発言の意味が分からず、ジェラールは聞き返す。
「一体どういうことなんだい?」
それを聞いてドリアーヌは自分の育ちについて説明する。
「……だから、私はお嬢様じゃないんです。ただの庶民なのに隠していて申し訳ありません」
全ての説明を終え、真実を知ったジェラールに罵られると思ったドリアーヌは俯いた。
しかし、ジェラールから返ってきた言葉は予想とは違うものであった。
「なるほど、言いにくいことを正直に話してくれてありがとう。僕もそんなに貴族らしい生活をしていないから親近感が湧いたよ」
その言葉を聞いて不安そうな顔をしてドリアーヌは話をする。
「隠していたことを怒らないのですか?それにこんな私じゃ今回のお見合いは破談ですよね……」
ドリアーヌが今にも泣きそうな顔をしているため、ジェラールは怖がらせないように優しい声色で話し掛ける。
「君は悪い大人の思惑に巻き込まれただけだから、怒るなんてそんな事は思わないから安心して。それに今回の縁談を破談にしても君のお父様は別の相手を用意するだろうから、悪い大人に捕まらないようにこのまま結婚して守ってあげたい気持ちでいっぱいだよ」
純粋なドリアーヌは大人達の裏の顔に気付いていないようなので、ジェラールが代わりに説明する。
「僕の主観だけど、僕の両親は君の持参金を期待しているから後で離婚しても何も言わないと思う。君のご両親は中央の貴族との繋がりを期待しているが、実際に辺境貴族の我が家にはそんなパイプは無いんだ。だから、君の育ちを隠すご両親と名ばかりの貴族であることを隠す僕の両親はおあいこさ」
たった3歳しか違わないのに、物事を深く考えられるジェラールにドリアーヌは感心していた。
結婚なんてお互いに好きだからするものとしか思っていなかったけど、家同士の結婚となるとそんな駆け引きがあるのね。
それに気付ける程、ジェラール様は大人に揉まれて今まで苦労してきたんだわ。
ドリアーヌが素直に話を聞いてくれるため、ジェラールは自分が考えている作戦も伝えることにする。
「だから、親同士は自分の利益が確保出来れば満足するから、とりあえず今回は結婚して後で離婚するのでもいいと僕は思うんだ。勿論そもそも結婚が嫌なら僕から断るように言うから遠慮せずに言ってくれ。もし君の本当のお母様のことが心配ならこちらで一緒に住んでくれても構わない。そういう結婚はどうかな?」
どうかと聞かれてもまだ自分の置かれている状況にいまいち実感が無いドリアーヌはすぐに答えが浮かばない。
「……うーん、どうしたらいいかまだ自分でもよく分からないんです。お母さんに相談したいなあ」
「急なことで難しいよね。結婚は人生の一大事だからよく考えた方がいいし、お母さんに相談するのもいいと思う。僕もいつでも相談に乗るから、困ったら手紙を書いてね」
今日のお見合いの場では誰も信頼出来なくて不安だったが、ジェラールなら信じられるかもしれないとドリアーヌは思い始めていた。
「ありがとうございます。何も知らずに今日はただ顔を見るだけだと思って、軽い気持ちで参加して申し訳ありませんでした」
「ううん、気にしないで。そろそろ両親達の話も終わっているだろうし、戻ろうか」
ジェラールの誘いにドリアーヌが頷くと、ジェラールが机の上の茶菓子を袋に詰め始めた。
そして、その袋をドリアーヌに手渡す。
「はい、お土産。こんな形でごめんね。さっき、美味しいって言ってくれたのが嬉しかったからよかったら食べて」
全部食べたいくらいと思っていたドリアーヌはそのジェラールの気遣いに喜ぶ。
「とても嬉しいです。大事に頂きます」
あれだけ緊張していたはずなのに、ジェラールといると自然と緊張が緩んでドリアーヌの顔に笑顔が戻ってきていた。
その後、両親達が待つ応接室に2人で戻り、今日はお開きとなって馬車でドリアーヌは帰宅した。
次回は1ヵ月後にまた会いに行くと父に言われたドリアーヌは、心の中でそれまでに答えを決めようと考えていた。
「今日のお見合いはどうだった?お相手の方は良さそうな人だった?」
帰宅したドリアーヌは母に感想を尋ねられ、今日の出来事を説明する。
お見合いのはずが既に結婚話が進んでいる事実を知った母は怒りに満ちていた。
「本人の意向を確認せずに勝手に話を進めるなんて信じられないわ。やっぱりあなた1人で送り出すんじゃ無かった。嫌な思いをさせてごめんね。お母さんからちゃんと断りの連絡を入れておくからね」
母の気持ちも分かるが、断りの連絡を入れると聞いてドリアーヌは慌てて止める。
「あっ、ちょっと待って。実はお相手のジェラール様は良い人でね、結婚してもいいかなとちょっと思っているの」
ジェラールと2人で過ごした時の様子も母に説明し、彼なら信用出来ることを伝える。
「……ジェラール様が取り繕わずに自然体で居てくれたから、私も本当のことを言う勇気が持てたの。私の育ちを聞いても否定せずに受け入れてくれて、ジェラール様なら信用出来るかなと思っているわ」
だが、その説明だけでは母はまだ首を縦に振れない。
「それはあなたを騙そうとして良い人の振りをしているだけかもしれないわ。やっぱり環境の違う人との結婚は苦労するから止めた方が良いわ」
母の心配も分かるが、ジェラールを信じたい気持ちもあって、板挟みのドリアーヌはなかなか答えを出せない。
「うーん、お母さんの言っていることもよく分かるの。でも、もう1度ジェラール様に会ってみたい気持ちもあって……。もうちょっと考えてもいい?」
「……あなたがそう言うなら仕方ないわね。うん、分かったわ。最後に決めるのはあなた自身だから、納得するまでよく考えなさい」
もうしばらく母が見守ってくれることになり、ドリアーヌは安堵する。
やっぱり悩んでいて母を説得出来なかったことをジェラールに手紙で相談すると、後日ジェラールがドリアーヌの家まで来ることになった。
「わざわざ来ていただいてすみません」
「ううん、君のお母様が会ったこともない人間に嫁がせるのを心配する気持ちはよく分かるから気にしないで。こちらこそ挨拶をする時間をくれてありがとう」
ジェラールはドリアーヌの母に結婚するならドリアーヌを大切にするし、もし断りたいならジェラールから破談の話をするから安心するように伝えた。
その誠意のある態度を見て、母はようやく安心する。
「今回は娘のためにいろいろとありがとうございました。あなた様なら娘を安心して送り出せます。もし娘が結婚を決めたら、よろしくお願い致します」
その言葉を聞いてジェラールもドリアーヌも安堵する。
「こちらこそこんな辺境貴族との結婚を後押しして下さり、ありがとうございます。最後に決めるのはドリアーヌさんですので、僕はどんな答えでも受け入れます」
そして、ドリアーヌの方へ振り向き、ジェラールは優しく声を掛ける。
「僕はいつまでも待っているからね。ゆっくり考えてね」
「ありがとうございます」
ジェラールの優しさが嬉しくて、笑顔でドリアーヌはお礼を述べた。
ドリアーヌはしばらく悩んだ末、最終的にジェラールとの結婚を決意し、2人は結ばれることとなった。
ジェラールはドリアーヌの母も一緒に暮らすよう誘ったが、娘夫婦の邪魔をするのは悪いと思った母は住み慣れた地を離れるのが不安だからと言ってそのまま残ることにした。
その後1人息子のジョエルが誕生し、やがて2人はブランシール領で1番のおしどり夫婦と呼ばれるようになる。
それを聞いてドリアーヌは内心そんなことはないと思う。
私の方が貧乏暮らしだったと思うわ。
このお菓子だって高級そうだし。
しかし、そんなことは知らないジェラールはドリアーヌを心配して話を進める。
「先程、君のお父様が話している時の君を見ていると、この結婚話の蚊帳の外にいるようだった。それが気になっていてね。それで聞いてみたら僕が貧乏伯爵ってことを知らなくて、やっぱりねって思ったんだ」
先程の顔合わせで見られていたことに気付いていなかったドリアーヌは、少し恥ずかしくなった。
そんな細かいことに気付くなんて気配り上手な方ね。
話についていくだけで精一杯だった自分が恥ずかしいわ。
自分の結婚相手のことを何も知らず、その無関心な態度が気分を悪くしたのではないかと思ったドリアーヌは謝罪する。
「無知で申し訳ありません」
「いや、謝らなくて大丈夫だよ。もしかして君のお父様が君に良いように説明して真実を隠しているんじゃないかと心配になっただけだから。騙されて結婚したら君が可哀想だ。もし、今の話を聞いて嫌になったら遠慮せずに言ってくれ」
そのジェラールの気遣いにドリアーヌの胸が苦しくなっていく。
むしろ騙しているのは私の方だわ。
私はお嬢様なんかじゃないのに……。
人の良いジェラールに隠し事をするのが心苦しくなったドリアーヌは、ついに自分の本当の姿を打ち明けることを決意する。
お父さんの顔に泥を塗ったら悪いと思って黙っていたけど、やっぱりよくないわ。
それにお見合いだけって言ったのに、勝手に結婚話を進めているお父さん達が信用出来ないし、これで破談になってももういいわ。
「騙しているのは私の方なんです。ごめんなさい」
突然のドリアーヌの発言の意味が分からず、ジェラールは聞き返す。
「一体どういうことなんだい?」
それを聞いてドリアーヌは自分の育ちについて説明する。
「……だから、私はお嬢様じゃないんです。ただの庶民なのに隠していて申し訳ありません」
全ての説明を終え、真実を知ったジェラールに罵られると思ったドリアーヌは俯いた。
しかし、ジェラールから返ってきた言葉は予想とは違うものであった。
「なるほど、言いにくいことを正直に話してくれてありがとう。僕もそんなに貴族らしい生活をしていないから親近感が湧いたよ」
その言葉を聞いて不安そうな顔をしてドリアーヌは話をする。
「隠していたことを怒らないのですか?それにこんな私じゃ今回のお見合いは破談ですよね……」
ドリアーヌが今にも泣きそうな顔をしているため、ジェラールは怖がらせないように優しい声色で話し掛ける。
「君は悪い大人の思惑に巻き込まれただけだから、怒るなんてそんな事は思わないから安心して。それに今回の縁談を破談にしても君のお父様は別の相手を用意するだろうから、悪い大人に捕まらないようにこのまま結婚して守ってあげたい気持ちでいっぱいだよ」
純粋なドリアーヌは大人達の裏の顔に気付いていないようなので、ジェラールが代わりに説明する。
「僕の主観だけど、僕の両親は君の持参金を期待しているから後で離婚しても何も言わないと思う。君のご両親は中央の貴族との繋がりを期待しているが、実際に辺境貴族の我が家にはそんなパイプは無いんだ。だから、君の育ちを隠すご両親と名ばかりの貴族であることを隠す僕の両親はおあいこさ」
たった3歳しか違わないのに、物事を深く考えられるジェラールにドリアーヌは感心していた。
結婚なんてお互いに好きだからするものとしか思っていなかったけど、家同士の結婚となるとそんな駆け引きがあるのね。
それに気付ける程、ジェラール様は大人に揉まれて今まで苦労してきたんだわ。
ドリアーヌが素直に話を聞いてくれるため、ジェラールは自分が考えている作戦も伝えることにする。
「だから、親同士は自分の利益が確保出来れば満足するから、とりあえず今回は結婚して後で離婚するのでもいいと僕は思うんだ。勿論そもそも結婚が嫌なら僕から断るように言うから遠慮せずに言ってくれ。もし君の本当のお母様のことが心配ならこちらで一緒に住んでくれても構わない。そういう結婚はどうかな?」
どうかと聞かれてもまだ自分の置かれている状況にいまいち実感が無いドリアーヌはすぐに答えが浮かばない。
「……うーん、どうしたらいいかまだ自分でもよく分からないんです。お母さんに相談したいなあ」
「急なことで難しいよね。結婚は人生の一大事だからよく考えた方がいいし、お母さんに相談するのもいいと思う。僕もいつでも相談に乗るから、困ったら手紙を書いてね」
今日のお見合いの場では誰も信頼出来なくて不安だったが、ジェラールなら信じられるかもしれないとドリアーヌは思い始めていた。
「ありがとうございます。何も知らずに今日はただ顔を見るだけだと思って、軽い気持ちで参加して申し訳ありませんでした」
「ううん、気にしないで。そろそろ両親達の話も終わっているだろうし、戻ろうか」
ジェラールの誘いにドリアーヌが頷くと、ジェラールが机の上の茶菓子を袋に詰め始めた。
そして、その袋をドリアーヌに手渡す。
「はい、お土産。こんな形でごめんね。さっき、美味しいって言ってくれたのが嬉しかったからよかったら食べて」
全部食べたいくらいと思っていたドリアーヌはそのジェラールの気遣いに喜ぶ。
「とても嬉しいです。大事に頂きます」
あれだけ緊張していたはずなのに、ジェラールといると自然と緊張が緩んでドリアーヌの顔に笑顔が戻ってきていた。
その後、両親達が待つ応接室に2人で戻り、今日はお開きとなって馬車でドリアーヌは帰宅した。
次回は1ヵ月後にまた会いに行くと父に言われたドリアーヌは、心の中でそれまでに答えを決めようと考えていた。
「今日のお見合いはどうだった?お相手の方は良さそうな人だった?」
帰宅したドリアーヌは母に感想を尋ねられ、今日の出来事を説明する。
お見合いのはずが既に結婚話が進んでいる事実を知った母は怒りに満ちていた。
「本人の意向を確認せずに勝手に話を進めるなんて信じられないわ。やっぱりあなた1人で送り出すんじゃ無かった。嫌な思いをさせてごめんね。お母さんからちゃんと断りの連絡を入れておくからね」
母の気持ちも分かるが、断りの連絡を入れると聞いてドリアーヌは慌てて止める。
「あっ、ちょっと待って。実はお相手のジェラール様は良い人でね、結婚してもいいかなとちょっと思っているの」
ジェラールと2人で過ごした時の様子も母に説明し、彼なら信用出来ることを伝える。
「……ジェラール様が取り繕わずに自然体で居てくれたから、私も本当のことを言う勇気が持てたの。私の育ちを聞いても否定せずに受け入れてくれて、ジェラール様なら信用出来るかなと思っているわ」
だが、その説明だけでは母はまだ首を縦に振れない。
「それはあなたを騙そうとして良い人の振りをしているだけかもしれないわ。やっぱり環境の違う人との結婚は苦労するから止めた方が良いわ」
母の心配も分かるが、ジェラールを信じたい気持ちもあって、板挟みのドリアーヌはなかなか答えを出せない。
「うーん、お母さんの言っていることもよく分かるの。でも、もう1度ジェラール様に会ってみたい気持ちもあって……。もうちょっと考えてもいい?」
「……あなたがそう言うなら仕方ないわね。うん、分かったわ。最後に決めるのはあなた自身だから、納得するまでよく考えなさい」
もうしばらく母が見守ってくれることになり、ドリアーヌは安堵する。
やっぱり悩んでいて母を説得出来なかったことをジェラールに手紙で相談すると、後日ジェラールがドリアーヌの家まで来ることになった。
「わざわざ来ていただいてすみません」
「ううん、君のお母様が会ったこともない人間に嫁がせるのを心配する気持ちはよく分かるから気にしないで。こちらこそ挨拶をする時間をくれてありがとう」
ジェラールはドリアーヌの母に結婚するならドリアーヌを大切にするし、もし断りたいならジェラールから破談の話をするから安心するように伝えた。
その誠意のある態度を見て、母はようやく安心する。
「今回は娘のためにいろいろとありがとうございました。あなた様なら娘を安心して送り出せます。もし娘が結婚を決めたら、よろしくお願い致します」
その言葉を聞いてジェラールもドリアーヌも安堵する。
「こちらこそこんな辺境貴族との結婚を後押しして下さり、ありがとうございます。最後に決めるのはドリアーヌさんですので、僕はどんな答えでも受け入れます」
そして、ドリアーヌの方へ振り向き、ジェラールは優しく声を掛ける。
「僕はいつまでも待っているからね。ゆっくり考えてね」
「ありがとうございます」
ジェラールの優しさが嬉しくて、笑顔でドリアーヌはお礼を述べた。
ドリアーヌはしばらく悩んだ末、最終的にジェラールとの結婚を決意し、2人は結ばれることとなった。
ジェラールはドリアーヌの母も一緒に暮らすよう誘ったが、娘夫婦の邪魔をするのは悪いと思った母は住み慣れた地を離れるのが不安だからと言ってそのまま残ることにした。
その後1人息子のジョエルが誕生し、やがて2人はブランシール領で1番のおしどり夫婦と呼ばれるようになる。
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