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第1章 悲しみの果て
第19話 再会 - Side L -
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すぐに捜索を開始したルイスの部下であったが、1週間が経過してもネリネを見つけることは出来なかった。
「閣下、申し訳ありません」
「いや、構わん。特殊な訓練を受けた彼女を探すのは難しいだろう」
部下の前では冷静に対応するルイスであったが、内心は焦りを感じていた。
彼女の外見は銀髪に赤い瞳で特徴的であるが、こうも見つからないとは……。
もしかするとこの世に絶望して全てを終わりにしたのでは。
いろいろな考えが浮かんでは消えていき、ルイスの心の中には不安のみが残った。
1ヵ月が経過しても手掛かりすら見つからず、やがて赤い目の女の噂も終息する。
「最近、赤い目の女の噂を聞かなくなった。もしかしたら彼女は別の場所に移動したのかもしれない。次は彼女の生家の周辺を捜索してくれ」
「はっ、畏まりました」
手掛かりの無いルイスは心当たりのある場所をしらみ潰しに探していくしかなかった。
宰相の座を退いたルイスは前王から与えられた領地へ戻り、領地の経営をしながら時折各地を飛び回る部下から報告を受けていた。
そんな生活を始めて半年後、ルイスの元に赤い目の女が捕縛された一報が届く。
「よし、分かった。王都に行って顔を確認する」
こうしてルイスはネリネと再会することとなる。
ルイスが王宮内で案内された部屋に入ると、椅子に縛られた女性の姿が目に入った。
「顔をあげろ」
その問い掛けに応えない女性に痺れを切らした兵士が、髪の毛を引っ張って無理やり顔を上げさせる。
顔を見てネリネと確信したルイスの内心には、兵士の乱暴な扱いに怒りが沸く。
何て手荒な真似をするんだ。
元伯爵令嬢の彼女がこんな扱いを受けるなんて。
傷1つでも付けたら許さない。
しかし、彼女への恋心を秘密にしているルイスは冷静な振りをするしかなかった。
顔を確認したことを伝えるために兵士の顔を見て頷けば、兵士はネリネから手を離す。
その後、やり取りを行い、ネリネをルイスが引き取ることに決定した。
「それでは、上には閣下が引き取られたと伝えておきます」
「では、よろしくお願いします」
兵士と会話を済ませたルイスはネリネの方へ向き直り、彼女を縛る縄を解いていく。
身動きが取れるようになったネリネは立ち上がり、歩こうとするが足が上手く動かない。
そんなふらつくネリネを見て、ルイスは手を差し伸べる。
「大丈夫ですか?手を貸します」
しかし、ネリネは首を横に振り、ルイスの手を取ることは無かった。
それもそうか。
彼女が警戒するのも無理ない。
彼女がこのような態度をとるようになった原因が自分にあると思っているルイスは、ネリネに何も言えない。
私が偉そうなことを言える立場ではないからな。
むしろ彼女に責められてもおかしくない。
そう思っているルイスはネリネの行動を黙って受け入れるしか出来なかった。
「閣下、申し訳ありません」
「いや、構わん。特殊な訓練を受けた彼女を探すのは難しいだろう」
部下の前では冷静に対応するルイスであったが、内心は焦りを感じていた。
彼女の外見は銀髪に赤い瞳で特徴的であるが、こうも見つからないとは……。
もしかするとこの世に絶望して全てを終わりにしたのでは。
いろいろな考えが浮かんでは消えていき、ルイスの心の中には不安のみが残った。
1ヵ月が経過しても手掛かりすら見つからず、やがて赤い目の女の噂も終息する。
「最近、赤い目の女の噂を聞かなくなった。もしかしたら彼女は別の場所に移動したのかもしれない。次は彼女の生家の周辺を捜索してくれ」
「はっ、畏まりました」
手掛かりの無いルイスは心当たりのある場所をしらみ潰しに探していくしかなかった。
宰相の座を退いたルイスは前王から与えられた領地へ戻り、領地の経営をしながら時折各地を飛び回る部下から報告を受けていた。
そんな生活を始めて半年後、ルイスの元に赤い目の女が捕縛された一報が届く。
「よし、分かった。王都に行って顔を確認する」
こうしてルイスはネリネと再会することとなる。
ルイスが王宮内で案内された部屋に入ると、椅子に縛られた女性の姿が目に入った。
「顔をあげろ」
その問い掛けに応えない女性に痺れを切らした兵士が、髪の毛を引っ張って無理やり顔を上げさせる。
顔を見てネリネと確信したルイスの内心には、兵士の乱暴な扱いに怒りが沸く。
何て手荒な真似をするんだ。
元伯爵令嬢の彼女がこんな扱いを受けるなんて。
傷1つでも付けたら許さない。
しかし、彼女への恋心を秘密にしているルイスは冷静な振りをするしかなかった。
顔を確認したことを伝えるために兵士の顔を見て頷けば、兵士はネリネから手を離す。
その後、やり取りを行い、ネリネをルイスが引き取ることに決定した。
「それでは、上には閣下が引き取られたと伝えておきます」
「では、よろしくお願いします」
兵士と会話を済ませたルイスはネリネの方へ向き直り、彼女を縛る縄を解いていく。
身動きが取れるようになったネリネは立ち上がり、歩こうとするが足が上手く動かない。
そんなふらつくネリネを見て、ルイスは手を差し伸べる。
「大丈夫ですか?手を貸します」
しかし、ネリネは首を横に振り、ルイスの手を取ることは無かった。
それもそうか。
彼女が警戒するのも無理ない。
彼女がこのような態度をとるようになった原因が自分にあると思っているルイスは、ネリネに何も言えない。
私が偉そうなことを言える立場ではないからな。
むしろ彼女に責められてもおかしくない。
そう思っているルイスはネリネの行動を黙って受け入れるしか出来なかった。
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