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第2章 夜明けの光
第31話 赦免
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ルイスから初対面の時の話を聞かされたネリネであったが、幼き頃の記憶は朧気であり、はっきりと思い出せない。
たったそれだけで人は恋に落ちるものなのだろうか。
そもそもこの話が事実かどうかも分からないし……。
ルイスに関して記憶の無かったネリネはまだ訝しい顔をしていた。
一方、話し終えたルイスは謝罪の言葉を口にする。
「君を手に入れようとして、ずる賢いことをしようとしたから罰が当たったんだ。その結果、君を手に入れるどころか、君を不幸にしてしまった。君に嫌われても仕方ない……。どうすれば許して貰えるだろうか?」
そう嘆くルイスを見て、逆にネリネの気持ちは冷めてきていた。
この人は私に好かれたかったのかしら。
それなら全ての事実を隠しておけばよかったのに。
ルイスの不器用さを目にして、ネリネの心の中では憐れみのような気持ちが出てきていた。
ただ心が壊れる前と比べて、未だにネリネの感情の起伏は乏しい。
「許すと言われても……。自分でもあまり分かりません……」
ネリネにとってルイスは未だに理解不能な存在で、興味があまり沸かなかった。
あまり表情を変えないネリネを見て、ルイスは再び詫び言を述べる。
「それはきっとまだ君の心が壊れているからだろう。普通の人なら殺意が芽生えるはず。それ程までに深く傷付けてすまない」
しかし、そう言われてもネリネの気持ちは変わらなかった。
そして、次第に何度も謝罪するルイスが鬱陶しくなってくる。
「今更謝られても何も変わらないので、もう言わなくていいですよ」
ネリネはただルイスに無意味なことをしても無駄なだけだから辞めるように伝えたつもりであった。
しかし、落ち込むルイスはそれを拒絶と感じる。
「結局、謝罪の言葉なんて私の自己満足なだけだな。君を不快にさせてすまない。どうすれば君の気持ちが晴れるだろうか?」
そう問われても自分自身でその答えが分からないネリネは首を傾げるのみであった。
しばらく沈黙の時が続いた後、ルイスがある提案をする。
「……もし特に希望が無いのであれば、このままここで暮らして欲しい。一緒にいたら、君が復讐したくなった時にいつでも私を殺せるだろう?だから、その気持ちでそばにいてくれないだろうか?」
ネリネに執着するルイスは恨まれた気持ちでもいいから、自分のそばにいて欲しかった。
一方、特に希望の無いネリネは一先ず頷く。
何だかよく分からないけど、私はここで暮らせばいいのよね。
私はこのまま生きていていいのかしら。
自分の罪を許して欲しかったネリネであったが、いつの間にかルイスに許すように懇願され、気付けば話が終わっていた。
まだ無気力なネリネはこれ以上考えることを放棄し、以前と同じような日々に戻ることにする。
たったそれだけで人は恋に落ちるものなのだろうか。
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ルイスに関して記憶の無かったネリネはまだ訝しい顔をしていた。
一方、話し終えたルイスは謝罪の言葉を口にする。
「君を手に入れようとして、ずる賢いことをしようとしたから罰が当たったんだ。その結果、君を手に入れるどころか、君を不幸にしてしまった。君に嫌われても仕方ない……。どうすれば許して貰えるだろうか?」
そう嘆くルイスを見て、逆にネリネの気持ちは冷めてきていた。
この人は私に好かれたかったのかしら。
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ルイスの不器用さを目にして、ネリネの心の中では憐れみのような気持ちが出てきていた。
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「それはきっとまだ君の心が壊れているからだろう。普通の人なら殺意が芽生えるはず。それ程までに深く傷付けてすまない」
しかし、そう言われてもネリネの気持ちは変わらなかった。
そして、次第に何度も謝罪するルイスが鬱陶しくなってくる。
「今更謝られても何も変わらないので、もう言わなくていいですよ」
ネリネはただルイスに無意味なことをしても無駄なだけだから辞めるように伝えたつもりであった。
しかし、落ち込むルイスはそれを拒絶と感じる。
「結局、謝罪の言葉なんて私の自己満足なだけだな。君を不快にさせてすまない。どうすれば君の気持ちが晴れるだろうか?」
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「……もし特に希望が無いのであれば、このままここで暮らして欲しい。一緒にいたら、君が復讐したくなった時にいつでも私を殺せるだろう?だから、その気持ちでそばにいてくれないだろうか?」
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