告白から始まる恋

希望

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病院でのラブコメは間違っている

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入院生活を満喫してるが、ひとつ問題がある。

「はいあーんですよ」

利き腕が骨折してるせいで美幸があーんをしてくるのだ。そして看護婦からはラブラブなカップルという認識を受けているのだ。妹とのラブコメは求めていないんだが。

「なぁ左腕でも食べれるから大丈夫なんだが」

「なに言っているのですか?そうすると料理がこぼれて勿体ないじゃないですか」

このまま羞恥に耐えるほうよりましだろ。勘違いしたまんまだと桃井さんが来たときにあの人不倫してるわと看護婦さんに思われる。

「勘違いされてるし、それって不味いだろ」

すると光のない目で俺を見つめる。ヤンデレモードに入ったな。なんか最近多くない?

「そんなに私が彼女に見えるのがいやなんですか?そんなにあの女がいいんですか?コンナニワタシハアイシテルノニ」

「あー、やっぱり食べさせてもらいたいなー。美幸が食べさせてくれれば余計に美味しく感じるし」
 
骨折がなおるまでは我慢だ。やんでれモードは何をするか読めないからな。美幸は目に光を戻し、俺に再びあーんをして食べさせた。ちなみにカップラーメンもあーんして食べた。フゥフゥしてるところは萌えた。

やがて食べ終わって、食器を看護婦さんが回収し終えると、美幸は微笑みながら俺を見つめる。美幸はほぼ毎日病院に来るんだが、友達とはちゃんと遊べているのだろうか?

「美幸ほぼ毎日わざわざ来なくてもいいんだぞ」

「私は来たくて来てるので大丈夫ですよ。それに友達には大切な人が入院してるって言ってるので」

全然大丈夫じゃないんだか。それって彼氏だと思われてるってことだろう。いや嘘はついてないんだが、勘違いをするだろう。

はぁー学校で俺が入院してたとこばれないようにしないと。美幸のファンから殺されかねない。

「それで美幸の友達は納得してるのかよ」

「大切な人なら仕方ないよねといわれてます」

「それならいいが、あまり勘違いをさせるなよ。男から嫉妬がすごいことになるから」

美幸と一緒に帰ってるだけで生徒からの嫉妬は凄まじいのだからな。俺と美幸が兄妹だと気付いてないんだろう。言ったところで信じてもらえないし、信じても紹介してという面倒くさいことになる。

「いっそのこと本気で付き合うのもありかと思うんですが」

「いや、それはダメだろ兄妹だぞ」

「でも義理ですよ」

「確かに義理なら結婚はできるが、俺は美幸をそいう目では見れない」

美幸より素敵な女子なんてそれこそ桃井さんくらいだろう。桃井さんが現れなかったら好きになっていた可能性はある。だがそれは仮の話だ。今は桃井さんしか好きにならない。

「まぁその内私を好きになってもらいます」

そう言って肩に頭を預けてきた。これは撫でろってていう催促か。俺はそう感じ左手で頭を撫でた。すると気持ち良さそうに美幸は目を細める。

「やっぱりお兄様のナデナデは最高です」

「そりゃよかったよ。左手だから満足しないかと思ったが、気持ちいいみたいで安心した」

そのまま撫で続けてると、看護婦さんが入ってきた。

「あまり外ではイチャイチャしないでね。青春を謳歌できなかったお医者さんも多いからね」

まぁ医学部に受かるくらいだと青春を犠牲にしたいといけない場合もあるからな。あと断じていちゃついてない。いちゃつくなら桃井さんとしている。

「看護婦さん美幸は彼女じゃなく妹です」

「あらそうなの?距離感が完全に彼女だからお医者さんもあのリア充めあんなに可愛い彼女がいて、なにか混ぜてやろうかと言っていたわよ」

おい、何を混ぜようとしてるんだよ。リア充を恨みで毒殺するなよ。気持ちは分からなくもないが。俺も非リア充だし。

「実は兄妹なんですけど、これを外で知れるのはまずくて普通の妹ってことにしてるんです」

「いやなんで俺達が特別な兄妹ってことにしようとしてるの?誤解が広がっちゃうだろ。あれか周りに認知させてから逃げ場がないようにしようとしてるか。策士め」

「ふふ仲がいいのね。私も兄がいるけどこんなに仲は良くないわ。それじゃ一旦は美幸さんは離れて。血液を採るわ」

すると美幸は離れて俺は血を採った。採り終わると直ぐに美幸はくっついてきた。その凶悪な胸を押し付けてくるな。俺の理性が削れる。

「美幸さんやその胸を押し付けるのはやめましょうね」

「嫌です。女の武器は使わないと損ですから」

そう言って余計に押し付けてきた。くそっもてよ俺の理性。なんとか美幸が飽きるまでもたせないと。

「ふふブラコンね。本気で止めない悟志さんもシスコンだけど」

いや片手じゃ止められないんですよ。こう見えても美幸は武術をやっていて並みの女子より力が強いんで。まぁこの胸を味わいたいっていうのもあるけど。

「そろそろ離れてくれ美幸。勉強したいんだ」

「勉強なら仕方ないですね」

やっぱり勉強っていうと離れるんだな。どんだけ勉強が大切か分かっているからな。

「勉強熱心ね。病院でも勉強するなんて」

「進学校なんで置いていかれないような必死なんですよ」

「そうなのね。それじゃ私は仕事に戻るわね。勉強頑張ってね」

看護婦さんは病室をでた。参考書を開き勉強を差始めると美幸も勉強をし始めた。美幸は学年トップだがそれは天才ではなく努力の賜物なのだ。そして将来は誰でも治せる医者になるのが夢だ。俺は専業主夫だ。妹は大層な夢をもっているが、俺は働くのは負けと感じているからだ。

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